発達障害 障害者の就職・転職

ある職場では発達障害、別の職場に行けば定型発達、ということが起こり得る

聴覚障害+発達障害者、元人事マンのむじなです。

登録証はまだ届いていませんが、無事キャリアコンサルタントの登録も済みましたので、これからはキャリアコンサルタントとしてこれまで以上に障害者の「働く」を支援できるように活動していきたいと思います。

さて、年が明けて、新年度に向けての就職・転職活動が活発になる時期に入りましたね。就職を控えている方、転職を考えている方にとっては、会社選び・仕事選びで頭を悩ませる時期でもあります。

 

発達障害者と職場(仕事)の密接な関係

私自身、「発達障害」の診断を受けてから勤めた会社は実は1社だけなんですが、それまで「自覚・診断ナシ」の状態で5社ほど勤めてきました(2社目から身体障害者枠でしたが)。

同職種への転職から、他業種他職種へ、1000人以上の規模から100人規模へと色々なタイプの転職を経験してきましたが、発達障害者にとって「適職・適社」を見つけることは、健常者とは比較にならないほどの重要なファクターだと実感しています。

少し前の文献(2013年)で、少し長くなりますが引用します。

初めて病院にきた時の診察では、「こんなに自閉症症状がはっきりあるひとが、今まで発達障害に気づかれなかったなんて信じられない」と感じたのに、落ち着いた頃になると、「発達障害徴候はたしかにあるけど、こんな人は時々いるし、この人は職場に適応してちゃんと働けているのだから、発達障害だと診断するほどではないよなあ」と思えたりする。

だから誇張していうなら、「この人は今は発達障害、半年前は定型発達、去年は発達障害」ということがありうるのである。

状況ごとのストレスによって発達障害徴候に強弱が出るので、ある職場では発達障害、別の職場に行けば定型発達、ということも良く起こる。

出典:こころの科学171「自分は発達障害ではないかと疑う人たちへ(村上伸治 川崎医科大学精神科学教室)」2013 P.64

 

「ある職場では発達障害、別の職場に行けば定型発達」というとすごく曖昧な感じがしますが、発達障害は社会的な相互作用で生じる障害です。

よって、「発達障害者として持っている特性」は変わらなくても、障害や困難は環境や立場(求められるもの)によって大きく変動するため、所属する集団によって「障害といえるほどの困難な状態か?」の判断が変わってくるわけです。

私自身もこれはすごく腑に落ちる説でして、A社では担当リーダーを任されて人間関係・業務の要、社内表彰も受ける。その一方でB社に転職すると、ミスを連発して役立たず扱い、職場にも馴染めずいじめられる……ということが実際にありました。

B社では「職業人としてのレベルが足りなかった」といえばそれまでかもしれませんが、同じ人間が同じような業務をしていても、職場が違えばこういうことが起こり得るんです。

酷いと二次障害でうつや適応障害を発症して働けなくなる……ということも。

引用した文献にもある通り、「ストレスによって発達障害徴候に強弱が出る」ことに加えて、発達障害者はストレス耐性が弱く、不利な環境に対して反応を起こしやすい傾向にあるため、

  • 自分にとってストレスになる要因を正確に把握する
  • 上記のストレスを極力感じずに働くことができる職場を見つける・仕事に就く

ことが発達障害者の人生の質を決める、といっても過言ではないでしょう。

統計によって異なりますが、何らかの発達障害は学童で約10%程度いると推定されていますが、厚労省の調査によると、「発達障害と診断された者の数」は推計で48万1千人で、人口の約0.4%です。

もちろん、困難を抱えながらも診断を受けずに(受けられずに)いる方もいらっしゃいますが、それを加味しても乖離が大きすぎます。

つまり、発達障害の特性はもっているけれど、自分も周りも特に困らずに(よって診断も受けずに)過ごしている方が多数いる、ということです。

この方たちは、(意識的にせよ無意識にせよ)上手く自分の特性をつかんで適職を見つけ、充実した職業生活を送っている人なのでしょう。

 

ストレス要因を知り、適職を見つける

初めての就職、ということであれば「仕事をするうえで何をストレスと感じるか」を正確に把握することは難しいかもしれません。

しかし転職(働いた経験がある)ということであれば、「何がストレスとなるか」は経験から分かってくるはずです。

「やりたい仕事に就く」というのももちろん大事な要素ですが、それ以上に「ストレスに感じない仕事に就く」というのが健全に長く働いていくための秘訣だと感じています(もちろん「やりたい」と「ストレスじゃない」が両立できれば一番ですが)。

とはいえ「自分(のストレス)を知る」というのは、自分だけで考えていても結構難しくて、考え抜いて転職したはずが次の職場で想定外のことが起こったりすることも良くあります。

誰かの力を借りるのが手っ取り早いです。地域障害者職業センターの職業評価・職業相談を受けたり、就労移行支援事業所に通ったり、セミナーに参加してみたりするのも良いでしょう。

地域障害者職業センターとは?職業評価・職業相談を受けてきました
就労移行支援はどんな人におすすめ?発達障害専門のリンクビー見学まとめ
発達障害者の就活・転職活動セミナー(コミュニケーション編)まとめ

また、「適職を探す、会社の内情が知りたい」ということであれば、障害者向けの転職エージェントを使ってみるのがおすすめです。

 

成人してから、就職をきっかけに発達障害と診断される方が近年急増しています。

「自分は社会には馴染めないんだ」「社会人としてやっていけないのでは」と絶望的な気持ちかもしれません。

しかし、「ある職場では発達障害、別の職場に行けば定型発達」ということが起こり得ます。私自身、実感しています。

どうかもう少しだけ踏ん張って、快適に働ける仕事を探すことを諦めないでほしいと思います。

おすすめ記事

握手 1

目次1 書いている人について2 転職エージェントとは3 メリット1:マッチする企業に出会い、選考を有利に進められる4 メリット2:何でも相談できる「伴走者」を得る安心感、精神的負担の軽減5 注意点1: ...

ランスタッド日本橋オフィス 2

目次1 ランスタッドの特徴・利用して良かった点1.1 1.なぜ転職したいのか、どんな風に働きたいのかを丁寧にヒアリング、本気でこちらを思った提案をしてくれる1.2 2.全国に拠点があり、地方の優良企業 ...

dodaチャレンジから紹介された15件の求人票 3

目次1 dodaチャレンジの特徴・利用して良かった点1.1 1.聴覚障害者+発達障害者という厳しい条件の応募者(私)でも、多数の案件を紹介してもらえる1.2 2.担当者が二人体制。アドバイザーの層が厚 ...

質問を想定できると、面接が変わる 4

目次1 自己紹介してください2 障害についての内容3 何を重視して転職活動を行っているか4 前職(現職)の業務内容5 退職(転職)理由6 仕事で大変だったこと・それをどのように乗り越えたか7 これまで ...

-発達障害, 障害者の就職・転職

© 2020 むじなの障害者転職記