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Twitterの方には書きましたが、第13回 国家資格キャリアコンサルタント試験に無事合格しました!
学科はともかく、実技(とくに面接)はギリギリでしたが……勉強法についての質問をいただいたので、せっかくなので書き留めておきたいと思います。
※キャリアコンサルタント試験は2つの実施団体(CC協議会、JCDA)があり、実技試験の内容が異なります。私はJCDAで受験しました。
学科試験の対策
学科試験対策は、ほぼ「キャリア教科書国家資格キャリアコンサルタント学科試験テキスト&問題集」一冊で済ませました。
みんなで合格☆キャリアコンサルタント試験というサイトを運営している原田さんが作られた試験対策本です。
キャリア教科書 国家資格キャリアコンサルタント学科試験 テキスト&問題集 新品価格 |
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主だった対策本はすべて目を通しましたが、ダントツで見やすく、ポイントがまとまっています。
キャリアコンサルタント試験は学習範囲が広く、このテキストだけでは網羅できていない部分も結構あります。が、学科試験は70点以上で合格の絶対評価の試験なので、このテキストの範囲をしっかり抑えておけば問題ないかと思います。
上記テキスト内で挙げられている「必読資料」に加えて、学科試験対策として定番の「キャリアコンサルティング理論と実際」や「JIL資料」など一通り目は通しましたが、じっくり読み込んでいませんし、ノートにまとめたりもしませんでした。
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最低3回は「キャリア教科書」を通しでじっくり読み込んで、「速習!一問一答」のコーナーで間違えた部分を定着するまで復習しました。
あとはひたすら過去問(第1回からすべて)を解いて問題形式・問題の出し方に慣れるようにしました。キャリコンに限らず、資格試験対策は過去問が一番の教材です。
特にキャリコン試験は「過去の質問文がそっくりそのまま」使われたりします。最低限、サイトで公開されている過去3回分だけはやっておきましょう。
※直近3回分の過去問については、みん合で解説が無料公開されています。
勉強時間としては、試験本番1か月前から始めて、毎日2時間ほどは勉強するようにしていました。
論述試験対策
ここからはJCDAで受験される方向け。
論述試験については、試験団体から「模範解答例」も公開されておらず、勉強のための資料がほとんどないので対策に困る試験です。
私は養成講座主催の有料対策講座に参加しました。ポイント解説+模擬問題2問を実際に解いてみてフィードバックをもらう形式でしたので、非常に参考になりました。
色々なサイトで「解答例」のようなものが掲載されていたりしますが、あんまりあてにならないと思っておいた方が良いかと思います(個人の感想です)。
以下、JCDAの論述試験対策のポイント。
- とにかく解答欄はしっかりと埋める。
模範解答例は公開されていませんが、出題者としては当然「これとこれは解答に盛り込むべき」という出題の意図があるはずです。
で、解答欄は「意図を満たした解答」をするためにちょうど良いスペースになっているはずなので、きっちり埋まるくらいがちょうどよいということです。
- 解答の理由(根拠)を示す。
「なぜそう考えるのか」を解答に盛り込みましょう。
解答が短くなりがちな人は本文を丸ごと引用(例:CCtは「そんなに気にしなくてもいいのではないですか」のようにCLの気持ちに寄り添っておらず…)。
解答が長くなりがちな人は省略して(例:CCt4のようにCCtはCLの気持ちに寄り添っておらず…)。
- ある程度構成を決めてから書き出す
論述試験は時間との勝負です。途中で書いたり消したりしていては最後まで解答しきれません。最後まで書き上げるのは合格の必須条件ですので、構成をしっかり決めてから書き出しましょう。
慣れが必要なので、時間を計りながら過去問に取り組みましょう。
- 問い1(事例ⅠとⅡの違い)では解答者(自分)の主観を交えず、客観的に書く。「主観的にどう思うか」は問い2で問われますので。
- 問い3(キャリコンが考える相談者の問題点)は相談者の「不足(自己理解・仕事理解)・未熟・認知の偏り…等」ではなく(!)、相談者の「自己概念と経験(現状)の不一致」について指摘するのが無難。
逐語録の段階では相談者の「不足…等」を問題として捉えるのはまだ早い(事例Ⅰのダメなキャリコンと同じになっちゃいます)。
JCDAは「経験代謝が命」。そして経験代謝はサイクルの順番が重要なので、ステップを飛ばしてはいけません。「不足…等」を問題として取り上げるとしたら「意味の実現」「方策の検討」の段階です。
テンプレートとしては、「○○(逐語から見えるCLの自己概念)でありたいにもかかわらず、××(今の経験)になっていることが問題である。」とか(これだけじゃ対応しきれないですけど、一例として)。
- 問い4(今後の展開)では、出題の通り「具体的に」書くこと。
「具体的に」と書いてあるからには、「CLの気持ちに寄り添いながら必要な支援を行う~」のようにあいまいに書いてはいけません。情報提供・アドバイス・経歴の棚卸など具体的な支援について、「……等を必要に応じて行う」とする。
論述試験の逐語の範囲では、まだ「この支援が必要だ!」と断言できる段階ではないので。「必要に応じて」は使いまわせる便利なワードです。
面接試験対策
養成講座の同期との勉強会を中心に、有料講座の受講も含め、試験前までに10回ほどはロールプレイの練習をしました(クライエント役やオブザーブを含めると30回ほど)。
練習の際はすべてキャリアコンサルタント有資格者(ホルダー)の方に入ってもらいましたが、ホルダーの方は「試験に合格した人」であって「試験対策のプロ」ではありません。
人によって言ってることが正反対だったりすることもありました。
ケースの得意・不得意を知って対策するために、また、場慣れするためにもロールプレイの数をこなすことは有効だと思いますが、アチコチで方向性の違うアドバイスをもらっても活かしきれず、むしろ混乱するだけです。
何人かのホルダーにフィードバックをもらって、「この人なら信頼できる」と思える方のアドバイスだけしっかり活かすようにしましょう。
もちろん試験対策に精通している方が望ましいので、そういうツテがないなら、有料対策講座は受講してみる価値はあると思いますよ。
実技試験の受験料自体が3万円とお高いので辛いですが、再受験はもっと辛いですからね……。
◇
クライエント情報は、ロールプレイ開始直前の30秒間で確認することになります(クライエント役の方からバインダーを渡される。このバインダーはメモを取る際も使用)。
また、挨拶、守秘義務の説明、メモを取ることの許可などすべて済んでいる前提で進めていくよう試験官から指示がありました。
面接試験は「面談開始から最初の15分間」の設定で行いますので、かかわり技法*を使いながら、丁寧に伝え返していくだけで話は進んでいきました(詰まりそうになったら要約を入れる)。
*視線・身体言語・声の調子・言語的追跡
特に初めの5分程はクライエントがどのような話をしたいのか分かりませんので、可能な限り話の方向を限定しない(キャリコンの解釈で誘導的な質問をしない)ことが重要かと思います。
開かれた質問を意識して、クライエントが話したいことを、話したいように話せるよう心がけました。
口頭試問では特にびっくりするような質問はなく、想定の範囲内でした。
- ロールプレイで良かった点、悪かった点は?
- クライエントの主訴は?
- クライエントは何を求めて相談に来たのでしょう?
- 今後どのようなやり取りを続けていこうと考えていますか?
- キャリアコンサルタントの資格をどのように活かしていきたいですか?
おまけ.養成講習の選び方
実務経験者の方もいらっしゃいますが、ほとんどの方は養成講習を経て受験しているようです(厚労省HP:厚生労働大臣が認定する講習)。
私も受講前は「どの講座がいいかな?」といくつか資料請求したり説明会に参加したりしました。が、始まってみて分かったことですが、同じ団体が主催する講座であっても、講師や受講生によって雰囲気は全く異なります。
私が参加した日程の講座は、講師にも受講生(同期)にも恵まれていたのですが、振替で入った別日程の講座は一部の受講生のせいで動物園状態でした……。
なので、まず一番は「通いやすいこと(日程と場所)」を優先してしまっても良いかもしれません。
ロールプレイやグループワークもたっぷりな講座を、貴重な休日に朝から晩まで(または仕事終わりの夜に)なので、体力的に相当しんどいです。
おわりに
ちょっと偉そうに書いてきましたが、実技はギリギリ合格なので、あくまで参考まで。
幸いライター業が順調なのでフルコミットは難しいですが、障害者の就労相談・就労支援につながるような仕事を探していきます。
ブログ読者の方への対面でのキャリアコンサルティングも(もし需要があれば)やっていきたいと思っています。追い追いになりますが。