聴覚障害+発達障害者、元人事マンのむじなです。
一時的に少し落ち着いたように見えた新型コロナウイルスの影響でしたが、最近はまた一日の新規感染者数が過去最多を更新される等、やはりしばらくは予断を許さない状況が続きそうです。
転職市場も全体的に冷え込んでおり、障害者向けの求人も例外ではありません。
「未経験でも高年収の職種や業界はないですか?」という主旨のメール相談が最近多いのですが、残念ながら不況時は即戦力が求められることが多く、未経験者を対象とする求人は減少する傾向にあります。
ただ、障害者の転職市場に何の希望もないかというとそうでもなく、一定のスキルのある経験者採用は、現在でも障害者の売り手市場は続いています。
新型コロナウイルスによる障害者の採用・雇用施策への影響
パーソルチャレンジの調査(6月上旬実施)によると、約6割の企業が従来通り(新型コロナウイルスの影響有無に関わらず)採用を継続しており、「採用を延期・停止した」という企業は約2割に留まっています。
この結果を見る限り、現状だと「壊滅的な被害が出た」というような状況ではありません。
むしろ個人的には、影響は最低限に抑えられているという印象です。
冒頭で「不況時に未経験者は厳しい」と書きましたが、障害者雇用枠ではオープンポジション(配属先が決まっていない)の求人が多く、特定業務の経験を前提としていません。
そういう意味では、健常者の転職市場に比べれば影響は少ないとも考えられます。
参考:健常者の転職市場
dodaに掲載されている求人を見てみると、2020年1~3月は『業種未経験歓迎』『職種未経験歓迎』とされた求人は前年比130%前後で推移していたのですが、2020年4月に106%、5月には71%まで減少しています。
とはいえ、リーマンショック時に障害者雇用が大きく減速した過去の例もありますので、全体的にみれば、障害者雇用がしばらく停滞することは避けられないでしょう。
スキル有(経験者)なら今でも売り手市場で高収入を期待できる
そんな中でも、一定以上のスキルと経験のある障害者については、これまで通りの売り手市場が続いており、高収入も期待できる状況のようです。
障害者の支援に携わっているキャリコン仲間や障害者向け転職エージェントから事情を聴いた限りでは、
- CADオペ・電気設計/機械設計・研究開発職
- 経営企画や経理、人事
- 英語ができる管理系専門職
などの経験者は需要が大きいようです。
前にも記事にしましたが、エージェントとの面談や採用面接がオンライン化され、転職にかかるコストと労力が下がっているので、これらの経験者なら転職活動を始める時期としては悪くないでしょうね。
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また、経理や人事総務といった管理部門は、経験の有無を問わず、障害者枠での採用が多い部署でもあるので、今後のスキルアップや年収アップを狙う方にとってはオススメできる仕事です。
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