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障害当事者であり、採用担当でもあるむじなです。
障害者の就職・転職活動は、健常者のものとは少し異なります。
健常者の場合、新卒を除き、特定のポジション(職種や役職、役割)の募集枠があり、そこに希望者が応募する流れが一般的です。
それに対して障害者の求人は、基本的にオープンポジションで、応募者の適性を見て、どんな仕事であれば自社で働けるかを選考の中で見極めてから配属先を決定します。
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障害者の就職・転職においては、適正があれば未経験の職種であっても採用の可能性が高いということです。
しかし、未経験の職種で採用された場合は、どうしても年収は低めに設定されます。
これまでの仕事は合わない、新しいことにチャレンジしたいと思っても、なかなか踏み出せない方が多いのではないでしょうか。
未経験では年収が低めなことは事実です。しかし、「そこから年収を伸ばしていける職種」と「一向に年収が上がらない職種」が存在します。
今回は、障害者が未経験から年収アップを目指せる職種をご紹介したいと思います。
障害者はどのような職種で雇用されているか
まずは、障害者がどのような職種で雇用されることが多いのか、データを見ていきたいと思います。
3年ほど前のデータになりますが、エン人事のミカタ「障がい者雇用について」のアンケート結果から、「どのような職種・分野で雇用されていますか?」の上位3つを見ると、下記の結果が出ています。
- 事務・・・・・58%
- 軽作業・・・・28%
- 製造・技能・・24%
2位の「軽作業」は、清掃や倉庫での検品・梱包、警備、スーパー等小売店での商品陳列などが業務内容になります。
3位の「製造・技能」は、ものづくりの仕事です。工場での製造スタッフがほとんどで、主に知的障害者が多く雇用されている分野でしょう。
「軽作業」「製造・技能」は求人が多く、適性があれば採用の可能性は高いですが、「給与が低く、上昇も難しい」「正社員の割合が低い」という傾向にあります。
リーダー・管理的な役職にステップアップできる職場も(稀に)あるとは思いますが、「未経験から年収アップを目指す」という趣旨からは外れます。
そう考えると、やはり障害者が未経験から年収アップを目指せる職種は、「事務職」が有力でしょう。
未経験でも年収アップ!事務職について
一口で「事務職」と言っても、部署によってその役割によって、業務内容は様々です。そして「未経験で年収アップ」を目指せるかどうかも。
障害者の求人に多い、事務補助・事務アシスタント(庶務・雑務)のような仕事では、キャリアアップ・年収アップを目指すのは難しいです。
専門性がなくアウトソーシング(外注)もしやすい。今後AI(人工知能)やクラウドの進化・活用によってそのニーズ・重要性はさらに減少していくでしょう。
そうなると、年収アップどころか仕事を続けることも難しくなります。
事務職の中でもおすすめなのは、「人事」「経理」の仕事です。
人事と経理は、「経験なし・資格なし」でも採用の可能性があり、かつ経験を積めばキャリアアップ・年収アップが目指せる部署だと思います。
これらの部署は、営業などと異なり少数精鋭で構成されるため、しっかりと経験を積んでいる人の割合が少なく、ビジネスパーソンとしての市場価値を高めることができる=年収アップが望める仕事ということです。
事務職のおすすめ部署その1.人事の仕事
人事の仕事は、これまで「管理・ルーチン業務」という認識が強くありました。年功序列・終身雇用を前提とした人事は、同質の人材の集まりを管理・運用するだけでよかったからです。
しかし、どんな会社も変化しないと生き残れない現在、人事は「経営に直結する戦略的な業務」として注目を集めています。
それもそのはず、企業を動かしているのは人の集まりです。
会社の持続的な発展のために「どのような人を採用して」「どのように育て」「どうやって気持ちよく・効率的に働いてもらうか」を検討実施する仕事が、大切でないはずがありません。
人事部の仕事も、初めは「採用の応募受付・面接の日程調整」「研修準備・社内調整」「給与計算」など事務補助的な業務が多くなると思います。
しかしそこから仕事の幅を広げ、「採用方針の策定・実施」「教育方針の策定・実施」「人件費管理」まで担う専門性を身に着ければ、社内外で重宝される人材になります。
人事の経験を積めば、その会社でキャリアを積んでいくこともできますし、さらなるステップアップを求めて転職することも可能です。
人事の仕事も、さらに業務内容によって分けることができます。
ものすごくざっくりな意見ですが、「採用・配置、教育、制度企画」の分野では、コミュニケーション・交渉が得意で、バイタリティのある方が向いています。
一方「給与・労務・厚生」の分野では、間違いなく・効率的に業務を進められるタイプが得意な領域です。
事務職のおすすめ部署その2.経理の仕事
経理の仕事は、企業の社会的信頼の獲得・今後の成長を担う重要なものであり、だからこそ年収アップの可能性も高くなります。
私も経理の経験はないので知識だけですが、経理の役割は「会社の実績を数値で把握する」「お金の流れを把握する」「将来の方向性を思案する」ものです。
具体的な業務でみると、資金調達・資金管理・財務計画の立案実行・財務諸表の作成……など、経理の業務内容は思った以上に幅広いです。
文字の並びだけ見ると難しそうに感じられますし、実際、エキスパートになるための道のりは険しいでしょう。しかし、ある程度の知識さえあれば、未経験者でもできる業務はたくさんありますし、採用の可能性が高い仕事です。
実際私も未経験ですが、学生時代気まぐれで取得した簿記3級が効いているのか、転職活動中、経理部への打診を受けることが多いです。
経理の仕事は、法改正への対応や、最近ではIT化への対応など、業務について自ら学べる「勉強好き」なタイプで、論理的な思考が得意な方が向いているでしょう。
実務経験は不要ですが、経理の仕事に就きたい方は、最低限簿記の知識は学んでおく方が可能性はぐっと高まります。
未経験OK!でも、誰でもいいわけじゃない。自分に合う企業の選択が重要
未経験でもOKというと「誰でも受かるんだ」と思われることも多いですが、もちろんそうではありません。
障害者の採用で「未経験OK」ということは、「業務適正を見られている」ということ、そしてもう一つは「企業との相性を見られている」ということです。
「業務適正」については、まずは自分自身のことについてしっかり把握して、人に語れるようになっておく必要があります。
真剣に考えたことがない方は、まず自分の得意・不得意についてノートに書き出して自己分析してみましょう。
「自分で考えてもイマイチ自分の適性が分からない」という方は、自己分析ツールを使ってみるのも良いでしょう。無料のWEB診断ツールについて、下の記事で紹介しています。
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「企業との相性」については、はっきり言って、応募者側が判断するのは困難です。
相性の良い企業に巡り合うまでひたすら「応募←→落選」を繰り返すのは効率が悪すぎます。
あなたと相性の良い企業を選んで応募するなら、「障害者専門の転職エージェント」を利用するのが一番です。
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