障害者の仕事の悩み

障害者は色眼鏡で見られる。仕事で失敗した時の対応が大切

2018年3月25日

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障害当事者であり、採用担当でもあるむじなです。

障害者枠での採用は、業務内容やコミュニケーション面、必要な設備やソフトの導入など、必要に応じて色々な点で配慮を受けることができます。

2016年に障害者差別解消法が施行され、事業主は働く障害者に対して、バリア(障害)を取り除く「合理的配慮の提供」が義務付けられたことで、(少しずつですが)障害者の働く環境は改善を見せています。

しかし、人の意識まではそう簡単には変わりません。職場で馴染むまでは、あなたは「あなた」としてではなく、「障害者」として見られます。

何かマイナスの出来事があると、「これだから障害者は……」と不本意で勝手なことを言われる(思われる)こともあるでしょう。

だからこそ、「失敗した時にどう対応するか」が非常に重要です。

 

失敗したときにどうリカバリーするかで、その人の評価は決まる

障害があるとかないとか関係なく、人は失敗する生き物です。はじめから何でも完璧にできる人はいません。

しかし、「失敗したときにどう対応するか」には大きな差が現れます。

タイプA

  • 失敗したことをすぐに認め、報告し、謝罪できる
  • どのようにフォローするか、案を持って上司に相談する(対応策が分からなければ、まずは指示を仰ぐ)
  • ふてくされず、いつも通りやるべきことをやる、態度を変えない

タイプB

  • 失敗を認められない、「仕方がなかった」という言い訳を探してしまう
  • 何とか周りに知られず、自分だけで対処できないかと一人で抱え込む
  • 落ち込んで、いつも通りの仕事ができなくなる

タイプAとB、どちらが望ましいかというと、「当然A」と答える人が多いでしょう。しかし、実際にできるかどうかはまた別の話です。

なぜタイプAのように振る舞えないかというと、「駄目な奴だと思われたくない」「怒られたくない」という気持ちから、失敗を自分だけでなんとかできないか、と考えてしまうからです。

私も気が小さく、必要以上に周りを気にしてしまう性質なので、過去何度もタイプBのように振る舞ってしまいました。

しかし、「駄目な奴だと思われたくない」ならば、なおさらタイプAの振る舞いをするべきなのです。

失敗したときに、言い訳せず・逃げずに対応できる人は、必ず社内で評価されます。

「失敗せずに淡々と仕事をしている人」よりも、「失敗するけれど、めげずに上手く対応できる人」の方が評価が高いくらいです。

なぜかというと、「いざという時やるべきことをやれる人」だと認識されるから。そういう人はどこにいても重宝されます。

失敗してしまったことはしょうがない。評価を挙げるチャンスだと思って踏ん張りましょう。

 

失敗しない仕事の進め方、同じ失敗を繰り返さないために

とは言え、できれば仕事で失敗はしたくないものです、あの嫌な冷や汗を味わうのは辛いですからね……。

それに、「失敗への対応が評価を上げる」といっても、同じ失敗を繰り返すのはNG。

失敗しない仕事の進め方は、とにかく「事前の」報連相(報告・連絡・相談)です。

報連相が大切というのは、多くのビジネス書にも書かれていますし、上司・先輩から言われることでしょう。

仕事を進める前に、「いつ頃までに」「どのように」進めていくかを、まずは上司や先輩に相談(報告)しましょう。口頭でもメールでも構いません。

仕事で失敗するのは、事前の見通しや想定が甘いからです。相談の際、いくつも指摘を受けるかもしれませんが、やって失敗するよりよっぽど良いはずです。

また、資料の作成など「何かしらの成果物をカタチにする仕事」の場合は、まずはレイアウトや見出し、どのような内容を盛り込むかなどのラフ案を作成し、方向性に問題がないかを確認しましょう。

期限が迫ってから確認していては、間に合うものも間に合いません。

次に、同じ失敗を繰り返さないためには、「指摘されたこと」「改善点」をデジタル媒体に、カテゴリーごと(業務内容別・場面別など)に記録しておきましょう。

記録を取るのはメモ帳アプリでもメールの下書きでもエクセルでも構いませんが、手書きでなくデジタルがおすすめです。

同じ失敗を繰り返さないためにメモを取っている人は多いかと思いますが、手書きだと「どこに書いたか」分からなくなる可能性がありますし(私もよくやりました…)、追記・まとめがやり辛くなります。

そして、記録を取り、カテゴリーごとにまとめたら、無意識のうちにできるようになるまで、毎日メモを見返しましょう。

同じ失敗を繰り返してしまうのは、頭では分かっていても、行動として自分の中に落とし込めていないからです。身につくまでは、とにかく反復です。

 

まとめ:失敗に上手く対応し、同じ失敗を繰り返さなければ、障害者でも評価される人材になれる

障害者は、職場で色眼鏡で見られることも多いです。

私は障害当事者として、「障害者なんて使えない」という風に下に見られることは我慢なりません。が、どれだけ理解が進んでも、そういう人を、ゼロにはできないかもしれません。

けれど、仕事で失敗しても、めげずにリカバーすれば、必ず見てくれる人がいます。

同じ失敗を繰り返さないように注意していれば、「安心して任せられるようになったね」と評価される時が来ます。

障害を抱えて働くことは辛いこともありますが、仕事で会社に貢献して、周りから頼りにされるのは、やはり気持ちいいことです。

なお、あなたの失敗を罵倒したり、圧力をかけてくるような上司・先輩・同僚がはびこる「パワハラ職場」にいるのであれば話は別です。

すぐに転職活動を始めましょう。そんな会社にとどまらなくても、あなたを評価してくれる会社は必ずあります。

私も障害者として何度も転職を経験しましたが、長く抱えていた大きな悩みが、職場を変えるだけであっけなく解消されることもありますよ。

 

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