障害者の仕事の悩み

障害者が契約社員から正社員登用を目指す方法

2018年5月4日

目次

障害当事者であり、採用担当でもあるむじなです。

障害者枠での求人は、契約社員での募集が多い傾向にあります。

障害者は一般的に、

  1. 離職率が高い
  2. 一貫したキャリアを積んできていることが少なくポテンシャルが未知数
  3. 障害特性や必要な配慮が個々で異なるため、十分な対応ができるか不明瞭

な傾向があるため、雇用する側から見れば、正社員での採用が向いているとは言えません。

雇用される障害者側から見ても、入社後「この会社は自分に合っていない」と気づいても、正社員であれば退職するときの負担(退職交渉など)が大きいですし、「正社員で採用されたのにすぐに辞めている」という事実は次の転職活動でマイナスに働きます。

なので、「長く働いていけるか」をお互いに見極める期間として、まずは契約社員からスタートすることはアリだと思います。

しかし契約社員は、ボーナスや福利厚生、退職金などの面で正社員に劣る条件になっていることが多いため、次のステップとして「正社員登用」を目指したいところです。

 

前提.正社員登用制度があり、実績が豊富で、基準が明確なこと

そもそものところですが、契約社員から正社員への登用制度がなければ、どうすることもできません。

また、制度自体があったとしても、実績がないと意味がありません。障害者の登用実績があるのか、契約社員の何割程度が登用されているのか。

さらに、登用の基準が明確になっていなければ、何を頑張ればいいか分かりません。何年働いても、正社員になれない可能性があります。

勤続年数、人事考課(評価・査定)、出勤率、所属長の推薦、面接と筆記試験・・・。

「正社員登用制度の有無」については、企業の採用HPや転職サイト(転職ナビ)で確認できますが、「障害者の正社員登用実績の詳細(人数や割合)」「正社員登用の基準」までは分かりません。

面接の逆質問(最後に何か質問はありますか?)の際、人事担当者に詳細を確認しておきましょう。

なお、転職エージェントを利用すれば、事前に各企業の正社員登用制度について実情を聞くことができます。

「正社員登用実績が豊富な企業」のみを選んで応募することも可能ですので、時間と労力をロスすることなく転職活動に取り組めます。

 

条件1.勤怠が安定していること

企業が障害者雇用を進めている大きな要因は、障害者を法定雇用率以上で雇用する義務(障害者雇用率制度)があるからです。

ですので、「安定して長く働いてくれるかどうか」が重要なポイントになります。勤怠が安定していることが正社員登用への第一歩です。

とはいえ、障害特性によっては、「勤怠の安定」が高いハードルとなるケースもあるでしょう。

特に内部障害や精神障害がある場合は、「体調に波がある」「疲れが溜まりやすい」「睡眠障害による生活習慣の乱れ」などによって休みがちになることも多いです。

安定して働けることをアピールするためには、自分の障害について正しく理解し、体調不良を早めに察知して勇気をもって訴え、「調子の悪い時期」を短くするしかありません。

「調子の悪い時期はあるけれど、自分で気付いて早めに対処できているし、問題ない」と言えるようになっておきましょう。

 

条件2.数値で示せる実績を作ること

「一定期間勤めていれば全員が正社員になれる」という制度の企業もありますが、何かしらのハードルがあることの方が多いです。

例えば、「直近1年間の人事考課がA評価以上であること」「所属長からの推薦の上、人事部長との面談で適性を判断」など。

つまり、「あなたを正社員として雇用するだけの理由」がなければ、正社員登用されるのは難しいと考えておきましょう。

具体的には、目に見える形で=数値で示せる実績を作ることがポイントです。

「これまでにこういう実績を出しているし、正社員に登用して●●を任せよう」と思わせることができれば、正社員への道はぐっと近付きます。

「営業職じゃないし、数値で実績を出すなんて難しい」と思われるかもしれませんが、どんな職種・部署でもやり方はあります。

例えば事務職でも、「手入力の作業をExcelで自動化してチーム内に共有することで、ミスを●件減らすことができた」「対応マニュアルをブラッシュアップすることで、電話応対の時間を●%効率化することができた」など。

正社員には「付加価値」が求められます。今まで通り与えられた仕事だけをこなしているのであれば、「契約社員のままでよい」と判断されてしまうでしょう。

まずは些細なことからでも「プラスアルファの仕事」に取り組んで、実績を数値として記録しておきましょう(そして人事考課面談でしっかりアピールしましょう)。

 

まとめ.正社員登用への道は、安定した勤怠とプラスアルファの仕事ぶり

正社員への道は、安定した勤怠と、プラスアルファの仕事を数値で見せること。

こうしてみると簡単ですが、一番大事なのは「前提」で書いた通り「正社員登用への道がしっかり整備されている会社に入ること」です。

入り口を間違えたら、どれだけ頑張っても徒労に終わる可能性が高いです。

今の会社で正社員登用の可能性がない(低い)のであれば、転職も視野に入れましょう。努力する場所を間違えないことが、報われるための第一歩です。

 

おすすめ記事

握手 1

目次 障害当事者であり、採用担当でもあるむじなです。 私はこのブログで「障害者が就職・転職するなら転職エージェントを使ったほうがいいよ」と繰り返しお伝えしています。その理由は、障害者として転職活動に“ ...

ランスタッド日本橋オフィス 2

目次 障害当事者であり、採用担当でもあるむじなです。 「転職を数多く経験してきた障害当事者として」「障害者採用の担当者として」の経験を踏まえると、障害者が就職・転職活動を成功させられる可能性は、転職エ ...

dodaチャレンジから紹介された15件の求人票 3

目次 障害当事者であり、採用担当でもあるむじなです。 「転職を数多く経験してきた障害当事者として」「障害者採用の担当者として」の経験を踏まえると、障害者が就職・転職活動を成功させられる可能性は、転職エ ...

質問を想定できると、面接が変わる 4

目次   障害当事者であり、採用担当でもあるむじなです。 前回の投稿で「面接?得意ですよ」みたいなことを言いましたが、結果的に勝率が高いのでそう言っただけで、面接自体は嫌いです。緊張する性質 ...

-障害者の仕事の悩み

© 2023 むじなの障害者転職記