障害者の仕事の悩み 障害者の就職・転職

障害者枠で働くことは特別なことじゃないし、不利益もない

2018年2月27日

目次

障害当事者であり、採用担当でもあるむじなです。

私は聴覚障害者になってから、一貫して「障害者枠」で働いています。

「電話が使えない」というのは業務上支障が大きく、どうしても会社に配慮をお願いする必要があるため、特に「一般枠」で転職活動をしようと考えたこともありません。

しかし、精神障害や発達障害がある方のなかには、「障害者枠で働くのは抵抗がある……」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。健常者として働いていた経験があれば、なおさら。

「障害者枠で働いたことがない」あるいは「障害者枠で働いているけど、会社の人事制度について良く知らない」という方にとっては、障害者枠で働くことは、何か特別なことに感じられるかもしれません。

しかし、障害者枠で働くことは、全然特別なことではありません

今回は、人事担当者として、「障害者枠で働く」ということについて解説したいと思います。

 

1.障害者枠は、応募の際の入り口が違うだけ。正社員は正社員

私のこれまで勤めてきた会社では、人事制度上、入社後の扱いに「一般枠」と「障害者枠」の差はありません。私が交流のある会社はみんなそうですし、まともな企業は同じはず。

障害者枠は何が違うのかというと、応募の際の入り口だけ。入社後は、障害者であろうがなかろうが、正社員は正社員、契約社員は契約社員です。

「障害者だから」というだけで扱いを変えることは、法で定める差別に該当し、禁止されています。

企業が「障害者枠」を設けているのは、配慮を必要とする障害者からの応募を受け付け、適切な合理的配慮を提供し、入社後活躍してもらうためです。

 

2.障害者枠で入社しても、自分が障害者だということが社内に知られるわけではない

よく勘違いされている方がいらっしゃいますが、障害者枠で入社したからといって、自分が障害者だということが社内に知られるわけではありません。

あなたが障害について知られることを望まないのであれば、障害について伝えられる範囲は「同じ担当内や業務上関りのある人」で、かつ「知っておいてもらう(配慮をお願いする)必要がある」場合だけです。

障害者枠で働くかどうかは関係ありません。配慮が必要かどうかです。

障害についてあまりオープンにしたくないなら、事前に(入社前に)しっかりお願いしておきましょう。

私は電話が使えず業務上支障があるので、むしろ積極的に社内で知っておいてもらいたいくらいなのですが、私が障害者だと知っている方は、社内にほとんどいません。

メールでやり取りするなかで、たまに「電話で話していい?」「なんで電話帳に番号載ってないの?」と問い合わせが来た時に、「耳が不自由で~」と説明するくらいです。

 

3.障害者枠だから給料が低いわけではない

1でも書いた通り、障害者だからという理由で、不利な条件を付けることは、障害者差別にあたり、法で禁止されています。

ですので、「法を守っている企業」であれば、あなたが障害者だからという理由で、同僚より給料が低いことはありません。

「実際、障害者枠の求人は給料が低いじゃないか」という声が聞こえてきますが、それはその通りですね。

なぜかというと、「障害者枠だから」ではなく、障害者枠の求人に「事務補助」「庶務」「軽作業」など業務負担の軽い仕事が多いため、自然と給料が低くなるのです。

「総合職」で募集している企業もありますが、障害者枠であろうと、「総合職」で入社すれば、当然同僚の「総合職」と給与テーブルは同じ。でなければ違法企業です。

「障害者枠」はサポート的な求人が多いことは確かですが、能力や経験に応じて配属や業務内容を考慮してくれる(かつ相応の給料がもらえる)企業はたくさんあります。

なお、高い給料をもらおうと思えば、能力や経験が必要な点は、一般枠であろうと同じです。

 

まとめ:障害者枠かどうかが問題ではなく、どんな企業に勤めるかが問題

  1. 障害者枠は、応募の際の入り口が違うだけ。正社員は正社員
  2. 障害者枠で入社しても、自分が障害者だということが社内に知られるわけではない
  3. 障害者枠だから給料が低いわけではない

障害者枠で入社したからといって、あなたに不利益なことはありません。上記1~3は、マトモな企業であれば当たり前の話です。

……しかし残念ながら、世の中にはマトモじゃない=ブラック企業もたくさんあります。そしてもちろん、一般枠の就職・転職であろうとブラック企業にあたる可能性はあります。

「一般枠」か「障害者枠」よりも、まずは「どんな企業に勤めるか(勤めているのか)」を気にするべきです。

企業の内情というものは、外からは見えにくいものですので、「一人で就職・転職活動をして失敗した」「どんな企業が良いのか自分では判断できない」という方は、プロである転職エージェントに相談することをおすすめします。

 

 

おすすめ記事

握手 1

目次 障害当事者であり、採用担当でもあるむじなです。 私はこのブログで「障害者が就職・転職するなら転職エージェントを使ったほうがいいよ」と繰り返しお伝えしています。その理由は、障害者として転職活動に“ ...

ランスタッド日本橋オフィス 2

目次 障害当事者であり、採用担当でもあるむじなです。 「転職を数多く経験してきた障害当事者として」「障害者採用の担当者として」の経験を踏まえると、障害者が就職・転職活動を成功させられる可能性は、転職エ ...

dodaチャレンジから紹介された15件の求人票 3

目次 障害当事者であり、採用担当でもあるむじなです。 「転職を数多く経験してきた障害当事者として」「障害者採用の担当者として」の経験を踏まえると、障害者が就職・転職活動を成功させられる可能性は、転職エ ...

質問を想定できると、面接が変わる 4

目次   障害当事者であり、採用担当でもあるむじなです。 前回の投稿で「面接?得意ですよ」みたいなことを言いましたが、結果的に勝率が高いのでそう言っただけで、面接自体は嫌いです。緊張する性質 ...

-障害者の仕事の悩み, 障害者の就職・転職

© 2023 むじなの障害者転職記