人事部門で採用担当を務める聴覚障害者が、豊富な転職経験から学んだ情報を発信していきます。

むじなの障害者転職記

障害者の就職・転職

地域障害者職業センターとは?職業評価・職業相談を受けてきました

投稿日:2019年3月27日 更新日:

聴覚障害+発達障害者、元人事マンのむじなです。

発達障害と診断を受けてから、初めての転職活動中。

なので、自己理解(障害理解)を深めるためにあちこち(転職エージェントでのセミナー受講・キャリアカウンセリング、就労移行支援事業所の見学など)動いています。

発達障害者の就活・転職活動セミナー(コミュニケーション編)まとめ
面接対策のための障害理解(自己理解)を深める方法【一人でもできる】
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その一環として、2月末から計3回、地域障害者職業センターで職業評価・職業相談を受けてきました。

地域障害者職業センター、名前だけは聞いたことがある方も多いと思いますが、

  • 一体どうやって利用すれば良いのか
  • 実際どんなことをしてくれるのか

については、知らない方がほとんどではないでしょうか。

そこで今回は、地域障害者職業センターの職業評価・職業相談の概要、利用の流れをお伝えしたいと思います。

 

地域障害者職業センターとは

障害者職業センターは、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(以下「JEED」)が各(すべての)都道府県に設置・運営している施設です。

就職に向けた相談・支援、就職後のフォローアップが受けられます。

障害者手帳の有無や等級、障害や疾病の種類や程度などに関係なく利用することができます。

なお、障害者職業センターは求人を紹介してくれる場所ではありません。職業紹介を受けたい場合はハローワークに相談することになります。

【主なサービス】

  • 職業相談・職業評価
  • 職業リハビリテーション計画の作成
  • 職業準備支援
  • ジョブコーチ支援

 

支援の流れ1.電話・メールで予約→説明会(個別相談含む)に参加

障害者職業センターの利用の流れ

障害者職業センターを利用するには、事前の予約が必要です。お住いの都道府県でなくても構いません、利用しやすいセンターを予約しましょう。(JEEDのHPはこちら

私が予約したとき(2月上旬)は、2週間以上先の日程でしか予約できませんでした(新年度の利用に向けて、予約が多い時期だったかも?)。

早めに予約しておきましょう(説明会含め、利用は平日の日中のみです……)。

初日のスケジュールは2部構成。

  1. 参加者数名で、職員から「障害者職業センターについて」の話を聞く説明会(30分ほど)
  2. 担当者(障害者職業カウンセラー)がついて一対一で相談する職業相談(30分~1時間弱)

実際にどのような支援を受けるかについては、個別の職業相談を通して決定されます。

 

支援の流れ1-2.職業相談

職業相談についての資料

説明会が終わると、希望者のみ、担当者(障害者職業カウンセラー)がついて一対一で相談する職業相談に移ります。

初回のこの面談は、障害の状況や仕事での困りごと、今後の働き方の希望などについての聴き取りがメインでした。必須ではありませんが、職歴がある方は、職務経歴書を用意しておいたほうが話がスムーズです。

あとは、職業評価についての説明を受けて終了です。

※「職業評価」については、必要な場合、かつ希望する場合に実施します。

ちなみに最後に、次回の職業評価までの宿題が出されました。

「M-ストレス・疲労アセスメントシート(Ⅰ)」

生活習慣や健康状態、ストレス状況やサポート、学生生活や職業生活の振り返り、今後の働き方、障害認識や医療状況などについて整理するものです。

回答用紙は計10枚、作成には所要時間1~2時間ほどかかりました。

(JEEDのHPにありました。私が作成したものとは少し違いますが、コレです)

 

支援の流れ2.職業評価

職業評価についての資料

障害者職業センターによる職業評価は、次の2つがセットです。

  1. 集団で行う適性検査(約2時間)
  2. 障害者職業カウンセラーによる個別の評価(約3時間強)

2の個別評価でどんなことをやるかは、人によって異なります。

なお、通常は1と2を別日に実施するようですが、お願いしたら、1を午前に、2を午後に実施で1日で済ませてもらえました(ただし、スケジュール調整の関係で、日程が後ろになってしまうかも)。

 

職業評価1.集団で行う適性検査

集団で行う適性検査は下記のとおりです。途中で一度休憩をはさみ、合計所要時間は2時間ほど。

  1. 厚生労働省編一般職業適性検査
  2. TEGⅡ(東大式エゴグラム)
  3. POMSⅡ(気分プロフィール検査)

1の厚生労働省編一般職業適性検査については、筆記テスト+器具を用いた器用さを図るテストの二本立てです(厚労省のHPに詳細が掲載されています)。

2のTEGⅡと3のPOMSⅢはアンケート式(質問に対して「あてはまる」「あてはまらない」と答えていく)の検査です。

 

職業評価2.障害者職業カウンセラーによる個別の評価

  1. ワークサンプル幕張版(MWS)
  2. 職業レディネステスト
  3. 障害者職業カウンセラーによる面談

1のワークサンプル幕張版については、OA作業、事務作業、実務作業に大別された13種類によって構成されていますが、個々人によって取り組む内容は異なります(JEEDのHPに詳細が掲載されています)。

カテゴリー ワークサンプル名 私が受けた検査
OA作業 数値入力
文章入力
コピー&ペースト
検索修正
ファイル整理
事務作業 数値チェック
物品請求書作成
作業日報集計
ラベル作成
実務作業 ナプキン折り
ピッキング
重さ計測
プラグタップ

私が受けたのは4つだけですが、それでも1時間弱かかりました。

これまで受けてきた検査は主に「能力・特性」を測るものでしたが、2の職業レディネステストは、興味・自信からパーソナリティを探る、自己理解のための職業興味検査です(雇用問題研究会のHPに詳細が掲載されています)。

ワークサンプル幕張版・職業レディネステストを終えると、3の「障害者職業カウンセラーによる面談」が始まります。

面談は、宿題として出されていた「M-ストレス・疲労アセスメントシート」に記載した内容に沿って行います。

内容は、上述の通り、「生活習慣や健康状態、ストレス状況やサポート、学生生活や職業生活の振り返り、今後の働き方、障害認識や医療状況など」について。

アセスメントシートをもとにカウンセラーが聞き取り、答えていきます。

日常生活や学生時代の困り感、診断内容についてなど「仕事に直接関連すること以外」もしっかり話します。

もちろん、「就職に向けた支援計画の作成のため」ではあるのですが、どちらかといえば「転職エージェントとの面談」よりも「発達障害の診断のための臨床心理士との面談」に近い雰囲気でした。

 

3.結果のフィードバック、支援計画の説明(筆者の評価結果を掲載)

職業評価結果の表紙

職業評価を受けてから約2週間後に結果のフィードバック・支援計画の説明がありました。

私の場合、「支援計画」というよりは「今後の就職活動・就労に向けたアドバイス」という感じでしたが、ここも人によりけりだと思います。

下記は私の支援計画(一部抜粋)です。参考まで。

【職業相談・評価で分かったこと】

対面での応答は一見スムーズかつ礼儀正しくでき、適性検査では全般的に高い処理能力をお持ちであることが分かりました。こうした様子からこれまでは周囲から高い期待をされることが多く、結果として調整や不特定多数の相手の接触が求められ、大きな負荷になったようです。

また、職場では緊張感を強く感じることが多く、勤務していくうちに精神的疲労が蓄積し、ご自身で抱え込んでしまい、限界を感じ退職に至ったことも多かったようです。

【これからについて】

今後は、ASD、ADHDおよび話し言葉の聞こえ方の特性を職場に理解してもらうこと、不特定多数の相手とのコミュニケーションや調整が求められないようにすることといった配慮を得て、過剰な期待がされない環境で働くことが望ましいでしょう。

今後仕事を続けていくためには、困ったり対応に迷うときにおひとりで抱え込まず、相談することにより支援者と一緒に問題解決を検討するのも有効かと思われます。

求職活動を行うにあたっては、職場見学、職場実習を通じ就業環境での聞こえ方、実際に求められるコミュニケーションを確認したうえで応募を検討してみてはいかがでしょうか。

 

下記資料のように、職業適性検査の結果も詳細に出してくれます。

※「ただし実際の職業選択はどういうコミュニケーションが求められるかを含め、慎重に検討されることをお勧めします」とのこと。

職業適性の資料

 

支援の流れ4.職業準備支援

職業準備支援の資料

説明会担当職員:

「職業準備支援は、いわゆる職業訓練のように、技術を身に着けることを目的としたものではありません。自身の特徴について理解を深め、就労の準備性を高めることを目的としています」

「働くためのリズムづくりや、自分に合った作業の見直しの仕方、ストレスのセルフマネジメント、職場で求められるコミュニケーションの練習、こういうことに取り組んで、就労への不安を軽減して、自信をつけることが目的です」

職業準備支援については、全員が必ず受けるというものではありません。個々の必要性に応じて実施されるようです。

標準的な利用期間は8週間、長くて12週間。

「これ以上の期間の就労準備を希望の場合は、就労移行支援事業所をおすすめする場合もあります」とのこと。

職業準備支援には「作業」「講習」「個別相談」がありますが、「作業のみ」「講習のみ」という利用方法も可能(個別の職業リハビリテーション計画による)。

ちなみに私は受けていません。

相談員の言葉をそのまま使うと、

「集団受講なので、いろんな方が理解できるように易しめの内容になっています。基本的には就労経験が少ない方向けです。正直、むじなさんにとっては物足りない内容だと思います」

ということだったので。

概要はJEEDのHPに掲載されておりますので、興味のある方は覗いてみるとよいかも→コチラ

この辺、立場上ハッキリ言えないようでボカシていましたが、「就労移行支援だと、『リンクビー』や『カイエン』なんかはスキルが高い発達障害の方も多いようです」とおっしゃってました。

カイエンについては分かりませんが、確かに、見学に行った【リンクビー】はプログラムのレベルが高そうでしたね。

 

障害者職業センターはおすすめ?利用して良かった点、不満な点

色々な適性検査を無料で受けられて、転職エージェントとはまた違った「障害者の就労支援のプロ」に相談できたのは、ありがたかったです。

担当の相談員の方も、親身になって話を聞いてくれました。

が、それとは別に、「やっぱりお役所仕事だなー」と感じることも多かったです(説明会の際、「私たちは役所ではありませんので、柔軟に……」と言ってたんですけどねー)。

  • パンフレットにメールアドレスが載っておらず、随所に「まずはお電話ください」という表記が。聴覚障害者への配慮は……?ちなみに、JEEDのHPにはメールアドレスが掲載されています。
  • 聴覚障害者に何度も何度も電話かけてこないでください。出ないよ。メールで連絡してください。
  • 「公共の交通機関をご利用ください」と言うけれど、最寄り駅にエレベーター・エスカレーターがありません……(私が通ったセンターの話です)。なぜこんな場所にあるの?
  • 「『仕事がうまくできない』『仕事の悩みや不安を相談したい』という在職中の方もご利用ください」という割に、平日の日中しか相談・支援を受けられない。

障害者職業センターでは、「どういう配慮を得ながら働けばよいか」について一緒に考えてくれたという感じなのですが、正直この点に関しては転職エージェントとの面談で十分だったかなという感想です。

どちらかというと「これからどういうキャリアを積んでいけばよいか」っていう部分をもっと相談したかったですが。「就職・復職に向けた支援機関」っていうイメージです。

障害者職業センター、就労経験がない・少ない・「どこに相談したら良いかわからない!」という方にはオススメできると思います。障害者手帳がなくても、診断がついてなくても利用できますし、関係機関との橋渡しもしてくれます。

逆に、しっかり就労経験がある方にとっては、あんまり得るものはないかもしれません。

求人を紹介してもらえるわけでも、「キャリアコンサルティング」が受けられるわけでもありません。障害者向けの転職エージェントや、就労移行支援の方が有意義、という印象でした。

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