人事部門で採用担当を務める聴覚障害者が、豊富な転職経験から学んだ情報を発信していきます。

むじなの障害者転職記

障害者の就職・転職

就職・転職活動が上手くいかない障害者は、資格を取るのもあり

投稿日:2018年1月28日 更新日:

障害当事者であり、採用担当でもあるむじなです。

このブログを読んでくださっているのは、就職・転職を考えている、もしくは就職・転職活動中の障害者の方がほとんどだと思います。

就職活動・転職活動、上手くいってますか?

就職・転職の先輩(?)として、一企業の障害者採用担当者として、いろいろノウハウを書き留めてきました。

そんなノウハウを参考にして「就職・転職に成功した」という方からのお礼の連絡もいくつかもらうようになってきました。

それでも、「ここで学んだノウハウを活かしてみても上手くいかない」「転職エージェントに相談してみたけど、成果がでない」という方もいらっしゃると思います。

障害者の就職・転職市場がいくら売り手市場(需要が多い)と言っても、全員がすんなり望む通りの仕事に就けるわけではありません。

私も一時期は転職活動で結果が出せず、苦労したことがあります。

以前「障害者の就職・転職にスキルは不要」という記事を書きましたが、

現状どうしても就職・転職活動が上手くいかないという方は、資格を取ってみるのも一つの突破口になるかもしれません

 

障害者雇用の事情

障害者の就職・転職ではこれまでの学歴や職歴、スキルではなく、ポテンシャルを見てくれることが多いので、未経験の職種や業種で採用されることも多いです

これは、健常者の中途採用と異なり、障害者雇用は「オープンポジション」で募集されることが多いからです。オープンポジションの求人では、これまでの経歴にかかわらず採用の可能性があります。

しかし、「うちの会社で働ける障害者で、社風の合う人」を求めるオープンポジションでは、当たり前ですが、どうしても「就労に支障のない障害特性の人」が有利です

もちろん、「どのような障害者が雇いやすい=働きやすいのか」はそれぞれの企業によって異なりますので、どの障害が有利とは一概に言えません。

なので、自分の障害特性を受け入れてもらえる企業を探すため、転職エージェントを利用すべきというのはこれまでお伝えしてきた通りです。

転職エージェントを利用せず、就職・転職活動に行き詰っている方は、まず転職エージェントを利用することから始めましょう。

それでも、特に「就労場所・環境・時間などの制限が大きく、かつ重度障害でもない(ダブルカウントされない)」ような方は、厳しい就職・転職活動を余儀なくされているかもしれません。

(ダブルカウントされる(二人雇用扱いとみなす)重度障害者は、法定雇用率達成の面では有利)

 

資格でポジション特性と向上心をアピール

前置きが長くなりましたが、ここから本題です。

上で「障害者採用はポテンシャルを見てくれる」と言いましたが、資格を取得することにより、その「ポテンシャル」を感じてもらえる可能性が高まります

 

1.ポジション特性をアピールできる

上で書いた通り、障害者のオープンポジション求人は、適性があれば色々な配属先(部署)で採用を検討してもらえます。

しかし、「どのポジションで選考を進めるか」が決まらないと、なかなか上に上げてもらえません。

自分にどんな適性があるのか、アピールしていく必要があります。

その際、分かりやすく「適性」をアピールできるのが資格の強み。

ただ履歴書に書いておくだけでは駄目ですよ。

「なぜその資格を取ったのか」「どう役立つと思うか」までの説明を含めて、ポジション適性をアピールするのです。

これは簿記等の専門スキルについての資格だけでなく、「事務職未経験ですが、少しでも補うためにPCスキルの資格を取りました」というのでも有効。

 

2.向上心をアピールできる

今のご時世、どの企業も「現状に満足せず、向上心を持ち続ける」人材を欲しています

これまでの業務内容の中でもそれをアピールすることはできますが、「アピールできるような経験がない(そんなに大したことじゃなくても良いので、本当は何かしらあるはずですが)」「就労経験がない」という方もいらっしゃるでしょう。

そんな方は、「新しいことにチャレンジしています」「業務知識を深めるために行動しています」というアピールに、資格取得は使えます

ぶっちゃけ、その資格を持っていること自体よりも、「資格取得に向かって頑張れる向上心」がアピールポイントなのです。もちろん取得していることは「最後までやり切って結果を出せる」というアピールにもなります。

 

就職・転職に有利な資格

障害者が持っていると就職・転職に有利な資格、履歴書に書かれていると評価が上がる資格とは。

ベタなラインナップになってしまいますが、間違いないものを挙げておきます。

 

1.MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)

事務系全般で言えば、まずはMOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)でしょう。

Word=ワード(文書作成ソフト)、Excel=エクセル(表計算ソフト)、PowerPoint=パワーポイント(プレゼンテーションソフト)等の事務処理ソフトは、事務職であれば100%使用します

MOSは、マイクロソフトオフィス製品の操作スキルを証明する国際資格で、その信頼性の高さは折り紙付き。

事務職経験のある人はもちろん、特に「今まで事務職の経験がない」という人は取得しておくと有利に選考を進められるでしょう。

優先順位としては、Excel>Word>PowerPoint>その他でしょうか。Access=アクセス(データベース管理ソフト)も利用頻度の高い職場が結構ありますし、その割に使える人が少ないので、差別化できておすすめ。

スペシャリストレベル(一般)とエキスパートレベル(上級)がありますが、まずはスペシャリストレベルで十分かと。

ちなみに、受験の際には障害に応じた支援サービスを受けることもできます→MOS 障がいのある方への支援について



2.簿記(日商簿記検定)

簿記も資格の定番ですね。簿記検定にはいくつか種類がありますが、取得するなら一番規模が大きく、ブランド力もある「日商簿記検定」でしょう。

なぜ簿記がおすすめかというと、経理・財務・会計のポジションは、比較的需要があり、障害者雇用も進めやすいからです。

経理・財務・会計の業務では、他部門とのコミュニケーションが必要な面もありますが、比較的定型的な業務が多く、「事務アシスタント」として障害者雇用枠の雇用がしやすいポジションです。

私個人の経験則なので参考程度ですが、採用面接の際に「どのポジションで選考を進めるか」という話が出ると、ほぼ必ず「経理はどう?」と打診されました。

資格も経験もない私でも打診を受けるくらいなので、例え簿記3級でも、資格があればこのポジションでかなり有利に選考を進められるのではないでしょうか。

簿記2級まで持っていれば、就職・転職の幅はかなり広がると思います。

MOSほど詳しく記載はありませんが、日商簿記についても、受験の際の障害配慮があるとのこと→特別対応受験について



3.その他のおすすめ資格

取得難易度的にも汎用性としても、上記のMOS・簿記がおすすめですが、その他これから取得を目指すなら、下記のような資格がおすすめ。

  • IT系:基本情報技術者、ITパスポート 等
  • 事務系:ビジネス能力検定、秘書検定 等
  • 編集・印刷・広報系:DTP技能検定 等

 

就職・転職が上手くいかないなら、まずは資格取得で戦力増強

あくまでも資格は資格。取ればそれだけで上手くいくものでもありませんし、たくさん持っていれば良いというものでもありません。

しかし、書類選考・面接の際、選考を有利に進めるための、一つのきっかけになるでしょう。

就職・転職を希望していて、「まだ本気で取り組んだわけではない」という方は、資格取得よりも先に、転職エージェントを利用して「マッチする企業を探す」「応募書類添削・面接対策を受ける」等できることをやりましょう。

その上で「上手くいかない……」というあなたは、少し長い目で見て、まずは資格取得で戦力増強を図るのが、最終的には近道かもしれません

 

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