人事部門で採用担当を務める聴覚障害者が、豊富な転職経験から学んだ情報を発信していきます。

むじなの障害者転職記

障害者の就職・転職

【障害者枠で内定】面接官との会話記録を公開【一次面接編】

投稿日:2018年3月18日 更新日:

障害当事者であり、採用担当でもあるむじなです。

就職・転職の一番の難関であり、不安の種は、何といっても面接選考です。

下記の記事で、障害者採用の「応募者側」「面接官側」両方の経験から、頻出質問一覧を記事としてまとめましたが、障害者としての就職・転職経験がない方・少ない方は、「面接の雰囲気・流れ」はイメージできないかもしれません。

 

では、実際の面接の流れが分かるようなコンテンツはあるだろうかと探してみましたが、どれもイマイチ。

そこで今回は、私が実際に障害者枠の応募者側として面接を受け、内定を獲得したときの「面接官との会話記録」を可能な限り詳細に公開したいと思います。

各所に伏字やフェイクを織り交ぜておりますが、できるだけ会話の流れに支障が無いようにしております。

なお、今自分で見返しても「もっと上手いこと言えただろ」と思う部分は多々ありますが、あまり良いように編集せず、ありのままの雰囲気を感じていただくため、当時の回答のまま公開します。

なので、すべてが「合格点な受け答え」という訳ではありません。ご了承ください。

ちなみに、同時進行で選考が進んでいた別の企業に入社したため、今回紹介するのは、私が入社した企業のものではありません。

※録音していたわけではないため、当時のメモからの書き起こしです。鮮明に記録を取るようにはしていましたが、細かい話はもれていると思います。

 

今回公開する(内定をもらった)企業・求人の概要

  • インフラ(電力・ガス・水道・鉄道など)業界
  • 東証一部上場
  • オープンポジション(部署を限定しない)の求人
  • 選考内容:書類⇒一次面接⇒適性検査・最終面接(⇒オファー面談)
  • 面接官:一次面接は採用担当者(1名)、最終面接は人事部長と配属予定部署の課長(2名)
  • 面接時間:一次面接(50分)、適性検査・最終面接(2時間)

一次面接と最終面接、両方掲載しようと考えていましたが、一次面接だけでかなりのボリュームになってしまったため、ひとまず今回は一次面接編とします。

 

一次面接の会話記録

面接を受ける企業の入口前で、担当の転職エージェントと待ち合わせ。

今日の面接について、想定される流れについて改めて説明を受ける。不安な点があるか聞かれるが、事前の模擬面接で不安な点は解消していたため、特になし。激励を受けつつ、一緒に建物内へ。

転職エージェントが受付に行き、採用担当者とアポイントがある旨伝え、ほどなくして採用担当者(今日の面接官)がやってくる。

軽く挨拶をかわし、転職エージェントとはそこで別れ、採用担当者と二人で面接会場(会議室)へ向かう。

面接官:本日はお忙しい中お越しいただきまして、ありがとうございます。本日面接を担当します●●と申します。

むじな:むじなと申します。こちらこそ、面接の機会を頂きありがとうございます。

面接官:今日はお仕事帰りですか?

むじな:はい、現職の勤務先が●●駅でこちらに近いので、仕事帰りに直接参りました。

面接官:お疲れのところ申し訳ございません。なるべく長くならないように進めますね。頂いた書類をもとにお話を進めていきますので、どうかリラックスして、お話しできればなと思います。

むじな:よろしくお願いいたします。

面接官:それでは、まずは新卒で入社した会社のお話から伺いたいと思います。「(株)1社目」への入社を決められたきっかけはどのようなものでしたか?

むじな:大学では●●学を学んでおりましたので、その知識を活かしたかったことと、リーダシップとマーケットのセンスを身に着けられる会社に勤めたいと考え、若手でもすぐにその機会が得られる「(株)1社目」を選びました(質問を誘導)。

面接官:「リーダシップとマーケットのセンスを身に着けられる」という点について、具体的に教えていただいてもよろしいですか?

むじな:はい。「(株)1社目」では新卒研修後、3か月ほどのアシスタント経験を経て、すぐに新規プロジェクトの立ち上げに携われるところに惹かれました。「(株)1社目」では、プロジェクトリーダーとして、企画・開発から宣伝・販売・アフターフォローまで一貫して携わることができました。

面接官:担当された商品について、具体的に教えていただいてもよろしいですか?

むじな:はい、私が一番印象に残っているのは、●●です。今では同様のコンセプトのものを見かけますが、当時は・・・(あまり詳細に公開できないため、省略)

面接官:プロジェクトを進めるうえで、大変だったことは何ですか?

むじな:やはり企画・開発の段階が一番大変でした。メンバーで話し合いを進めていくと、どうしても「全員の意見を取り入れた」「無難な」方向に進んでしまいます。メンバー1人ひとりが自分事として取り組めるよう、「小さなことでも提案してもらって、採用する」という手順は踏みましたが、あくまでも、プロジェクトを立ち上げたときの「一番のコンセプト」を前面にだすことだけを考えて進めるようにしました。

面接官:なるほど。入社1年目でプロジェクトを引っ張れるってすごいですね。どういうところにやりがいを感じましたか?

むじな:会社の方針として、「売れるものを作ろう」という今の流行を追うものではなく、「こういうの欲しいのに、ないよね?じゃあ作ろう」という視点から企画を立ち上げられるところが、仕事をしていてワクワクしましたし、自分が消費者として満足できるものを追求できるやりがいがありました。

面接官:なるほど。で、やりがいを感じていたけれど、入社3年目で、聴覚障害を発症して退職されたということですね。今は問題なくコミュニケーション取れていますが、「(株)1社目」で仕事を続けることはできなかったのですか?

むじな:今は口の動きを読むのが上手くなりましたので、静かな室内で一対一であればほとんど支障なくお話できますが、屋外や騒がしい場所では聴き取りが難しい状態です。先ほどお話しさせていただいた通り、「(株)1社目」の総合職の業務は販売やアフターフォローまで一貫して携わるものだったので、どうしても電話対応が必須になりますし、社外でのイベント対応などの業務もありましたので、継続が難しく、退職しました。

面接官:退職のときは、周りの反応としても、続けるのは難しいねということでしたか?

むじな:プロジェクトに一貫して携わるというのが「(株)1社目」の基本でしたし、私もそこに魅力を感じておりましたので、会社側とは色々話し合いましたが、続けるのは難しいという双方の判断で、退職に至りました。

面接官:なるほど。ちなみに、今も私の声聞こえづらいですか?

むじな:感音性難聴なので、音がぼやけて聞こえていて、ハッキリとは聞こえませんが、内容は理解できています。

面接官:いきなり話しかけられたりしたら、聞こえないこともありますか?

むじな:「自分に話しかけられている」という意識がないと、気付かないこともあります。集中していないと、聞き取れないことは多いです。

面接官:分かりました。では、そういった点も配慮が必要ですね。では、お話を進めますが、「(株)1社目」を退職した後は、どのように就職活動を行って、「(株)2社目」に入社することになったのか、教えていただけますか。

むじな:はい。聴覚障害を受障してから、改めてどのように働いていくかを考えたとき、障害をハンデと考えるのではなく、障害を活かせる仕事がしたいと考えました。そこで、障害者向けの面接会などで色々な会社のお話を伺い、最終的には転職エージェントを通して、「(株)2社目」を知りました。「(株)2社目」では、障害者の雇用促進や職場環境改善の業務を行っていて、「障害者としての視点が活かせる」と思い、そこに惹かれました。

面接官:1社目のような業界で、例えば商品企画に特化したような会社に行こうという考えはなかったですか?

むじな:そうですね……今となってはそういう選択肢もあったかと思いますが、当時は障害を受障して初めての転職だったので、良くも悪くもそこが基準になっていた感じはありました。ですので、「(株)2社目」の話を伺ってからは、迷うことはなかったですね。

面接官:「(株)2社目」ではどのようなお仕事をされていたか、詳しく教えていただけますか。

むじな:「(株)2社目」では、障害者採用コンサルティングを行っておりまして、コンサルタントとしても業務に携わりましたが、メインは調査業務でした。障害者雇用を進めて、職場定着してもらうためにどのような「業務内容」「職場環境」「マネジメント」が必要かという視点で、障害者雇用率の高い会社や特例子会社、障害者就労支援施設などを取材したり、行政の動向についてまとめたりして、コンサルティング業務に活かすためのレポートを作成する業務を行っておりました。

面接官:取材やレポート作成の際、どのようなことに気を付けていましたか?

むじな:はい、取材の中では、新しい取り組みや独自の取り組みについて、何かしらのお話は聞くことができますが、それをそっくりそのまま他社で実践できるかというと難しいことがほとんどなので、良い点を活かしながら、どうすれば他社でも適用できるかという点を念頭にレポートを作成するように心がけておりました。

面接官:調査チームのリーダーを務めておられたとありますが、リーダーはどのようなことをされるのですか?また、チームメンバーの人数も教えていただけますか?

むじな:まず、チームメンバーは、兼務の者も入れて10名程でした。調査の際には全メンバーで打ち合わせを行って、調査の方向性を決めていきます。リーダーとして、その打ち合わせを主導してテーマを設定、メンバーの業務分担の割り振り、全体の進捗管理、メンバーのフォロー等を行っておりました。

面接官:大体で構いませんので、メンバー構成を教えていただけますか?

むじな:10年ほど上の先輩が1名、5年ほどの先輩が3名、ほぼ同期が3名、後輩が3名でした。

面接官:先輩もまとめる立場なんですね。リーダーになってから、かなりご苦労あったんじゃないですか?

むじな:チームリーダーになったのは、入社約1年後でしたが、それまでに業務の面では認めて頂いていたので、そこの問題はなかったかなと思います。あとは、チームメンバーが結構クセのある方が多くて、リーダーになる前から、私がバランサーというか、メンバーの間に立ってとりなすことが多かったので、「リーダーになって苦労した」という感じはしませんね。もともと苦労していたというか(笑)

面接官:なるほど。ちなみに、リーダーは指名制ですか、立候補制ですか?

むじな:立候補制でしたが、事前に上司から「むじな君にやってほしいから、頼むね」と言われていたので、実質は指名かもしれませんね(笑)

面接官:「(株)1社目」の時もプロジェクトリーダーを務めておられますが、学生時代からリーダー役を進んでやることが多かったですか?

むじな:そうですね……真っ先に自分から手を挙げるタイプではありませんが、周りがやりたがらないときは、「じゃあ私がやります」と引き受けることが多かったですね。

面接官:今回転職活動をされているのは、ご結婚を機に年収アップを目的に、ということですが、現職でこれ以上のアップは見込めないんですか?

むじな:現職は、定期昇給が年に●●円ほどで、等級が上がるまでは大きな変動はありません。等級が上がるのも5年ほど先の話になりますので、結婚・出産を考えると、難しいと思います。

面接官:(履歴書を見ながら)確かに、この額だと厳しいでしょうね。「(株)1社目」から大分収入下がったんじゃないですか?

むじな:そうですね、「(株)1社目」の頃は年収●●万くらいでしたので、約半分になりました。

面接官:今回の面接に通過した場合、次回の面接時に概算の年収はお伝えしますが、むじなさんの経歴を見ると、「(株)1社目」くらいの額は出せると思います。福利厚生なども含めて次回お伝えしますが。具体的なポジションはこれから検討することになりますが、事前の想定としては、人事・総務・経理、あとはマーケティング関連などで考えています。これは抵抗ある、これは合わないというような仕事はありますか?

むじな:調査業務の経験は、マーケティングのリサーチに活かせると思います。人事・総務・経理については経験がないため判断は難しいですが、分析などもやっていましたし、数字を扱うことに抵抗はありません。PCの扱いは得意な方なので、事務職であれば問題ないと思います。

面接官:今回転職されると3社目ということで、2回とも比較的短期間での転職になりますよね。障害のことなどやむを得ない事情もあったかと思いますが、どういったことが原因だったと思いますか?

むじな:「(株)1社目」の退職については、障害のことがあったため、自分でもやむを得ないと思っていますが、今回の転職については、現職入社時、収入面について転職時点のことしか考えていなかったこと、収入だけでなく諸々先の見通しが甘かったというところは自分の中で反省があります。

面接官:その反省も踏まえて、今回はどういった観点で転職活動していますか?

むじな:条件面については、人事制度やキャリアパスについてお話を詳しく伺ったうえで、仕事・生活面の将来のビジョンがしっかり描けるか、判断したいと考えております。

面接官:業種や職務内容についてはどうですか?

むじな:先ほどのお話にもあった通り、2社とも比較的短期での退職になってしまうため、自分の中で「これなら誰にも負けない」というものは正直に申し上げてないと思いますので、これまでの経験を活かせるようであれば、新しいことにもチャレンジしていきたいと考えています。ただ、現職もそうですが、「障害を活かせる仕事」があれば、ぜひ携わりたいと思います。人事・ダイバーシティ推進・CSR関連などでしょうか。

面接官:当社だけでなく他にも選考受けられていると思いますが、業界はバラバラですか?今何社くらい受けられていて、それぞれどういう業界ですか?

むじな:御社含め4社選考が進んでおります。他社はシステム開発、不動産、金融ですが、業界で絞ろうとは考えておりません。

面接官:内定が出たら、どうやって判断しますか?

むじな:条件面がクリアできていれば、先ほどお話しした通り、やはり「障害を活かせる業務内容」であるかという点で判断したいと思います。

面接官:分かりました。ちなみに、当社のことは以前からご存知でしたか?

むじな:もちろんお名前は存じ上げていましたが、正直に申し上げて、知っていたのは●●を扱っている会社ということくらいで、詳細な事業内容などについては、今回の転職活動にあたって初めて知りました。

面接官:応募にあたって色々調べていただいていると思いますが、気になったところや印象に残っていることはありますか?

むじな:インフラ業界というと、すごく保守的な企業であるという印象があったのですが、御社は世界に先駆けて●●に取り組まれるなど、非常にチャレンジングな取り組みをされていて、そういった先を見据えた取り組み姿勢が、逆に長期的な発展に繋がっているのだという印象を受けました。

面接官:それでは、先ほども伺いましたが、障害についてもう少しお聞きしたいと思います。通院や定期的な検査などはありますか?

むじな:半年に一度検査を受けていますが、服薬や定期的な通院はありません。

面接官:現在の聴力の状態はどうですか?今後の改善や悪化の見込みはありますか?

むじな:医師の話によると、改善の見込みはないようです。長期的に見れば進行もあり得るということですが、発症後は状態が安定していますので、急激な悪化の可能性は低いという診断を頂いています。

面接官:(履歴書を見ながら)電話でのやりとりは難しいということですが、ほかに配慮が必要なことはありますか?

むじな:オフィスが静かな環境であれば、日常の業務では特に支障はありません。プリンターなど音の出る機械からはなるべく離れた席にして頂きたいと思います。後は、会議や打ち合わせの際に、議題と進行が分かれば、内容が理解しやすいので、事前にレジュメと、事後に議事録を頂ければありがたいです。

面接官:分かりました。雇用形態については転職エージェントさんから聞いていますか?最初は契約社員として入社して、勤務に問題がなければ、3か月後に改めて正社員として契約を結ぶことになります。内定が出た場合の、入社時期はいつ頃であれば可能ですか?

むじな:引継ぎ自体は、1か月程度あれば問題ないと思いますが、現在抱えている案件が3月納期となっておりますので、4月1日入社でお願いできればと思います。

面接官:分かりました。それでは、最後にむじなさんの方から、何かご質問はありますか?

(障害者の就労状況について確認、説明を受ける)

面接官:よろしいですか?それでは、選考の結果については、転職エージェントさんを通じてご連絡させていただきます。通過となりましたら、次回は適性検査と最終面接になりますので、こちらも詳細については転職エージェントさんにご連絡いたします。それでは、本日はありがとうございました。

むじな:本日は貴重なお時間いただきましてありがとうございました。失礼いたします。

 

最後に:面接では意外な展開に話が広がることも。事前の想定も大切

長くなりましたが、以上が一次面接でのやりとりです。

障害者の面接について、ここまで詳細を確認できるコンテンツは(私が調べた限りでは)ないと思います。

障害者枠での就職・転職経験がない方には、意外な質問や話の展開があったのではないでしょうか?

質問の内容や傾向は企業によって異なりますので、事前に情報を得られれば他の候補者よりずっと有利に選考を進めることができます。

面接の会話中にも出てきていますが、私は転職エージェント経由で応募していました。

転職エージェントを利用すれば、応募企業の面接の質問内容や、「選考通過した人がどのように答えていたか」ということまで分かりますので、おすすめです。

 

また別の機会に、今回紹介した一次面接通過後の、最終面接のやりとりも公開したいと思います。

 

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