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障害当事者であり、採用担当でもあるむじなです。
今日は、うちの会社の中途採用・障害者枠について、直近1年の応募者データをまとめてみました。厚労省の公開データと比較していきます。
年齢(1)ハローワークの年齢別就職件数、40代が最多
ハローワークのデータ(平成28年度)によると、年齢別の就職件数割合は下記の通り。
- 10代: 1.9%
- 20代:20.7%
- 30代:22.3%
- 40代:24.7%
- 50代:17.0%
- 60代以上:13.4%
40代が最多で、次いで30代、20代、50代と続きます。
就職件数のうち、40代以上で52.3%を占めています。35歳転職限界説がまやかしだということが良く分かりますね。
実際、障害者採用で考えると、40代はまだ若いですよ。
年齢(2)うちの会社の応募者(中途採用・障害者枠)は、平均年齢41歳。40代が最多で、50代、30代と続く
こちらが直近1年のうちの会社の応募者の割合です。
- 20代:19.6%
- 30代:21.6%
- 40代:33.8%
- 50代:25.0%
40代が最多なのはハローワークのデータと同様。次いで50代、30代、20代と続きます。
40代+50代が58.8%と、20代+30代を上回ります。
50代で、「もうこの年で就職・転職なんて…」と考えている方、安心してください。むしろ就職・転職市場では、あなたは多数派ですよ。
障害種別(1)「精神障害者・発達障害者の増加」はどの程度の割合か
直近9年、障害者の就職・転職市場は右肩上がり、有効求職者数(就職・転職希望者)、就職件数ともに増加を続けています。
この背景には法定雇用率の上昇に加え、精神障害者・発達障害者の(就・転職市場における)増加が大きな要因になっているでしょう。
障害種別(2)ハローワーク登録者の42.2%が精神・発達障害者
まずは基礎データから。
厚労省が公表している平成29年度 障害者の職業紹介状況等によると、ハローワーク登録者(有効求職者)の割合は、
- 身体障害者:90,649人(35.5%)
- 知的障害者:45,770人(17.9%)
- 精神障害者:107,991人(42.2%)
- その他:11,202人(4.4%)
となっています。すでに精神障害者(手帳保持の発達障害者を含む)が身体障害者より高い割合となっています。それでも、半分以下の42.2%です。
障害種別(3)うちの会社の応募者(中途採用・障害者枠)は、精神・発達障害者が68.6%
こちらが直近1年のうちの会社の応募者の割合です。
- 身体障害者:29.4%
- 精神障害者:22%
- 発達障害者:43.3%
- 精神・発達の重複障害者:3.3%
- 不明:2%
精神障害者・発達障害者を合計すると、実に68.6%になります。厚生労働省の資料と比べると、はるかに高い割合になります。
特に発達障害がほぼ半数を占めている点が特徴です。逆に知的障害者はゼロです。
現状求人を出しているのが事務職のみなので、
また、うちは精神・発達障害者の雇用実績があるので、
が、事務職中心で募集している企業は、
超売り手市場の障害者、企業も多数派(精神・発達障害者、40代以上)を無視できない
今後ますます障害者雇用率の上昇が予定されており、かつ障害者雇用に注目が集まっている昨今。
企業としてもこの多数派勢力(精神・発達障害者、40代以上)を無視することはできません。
就職・転職をハナから諦めていた方、今が動き出すチャンスだと思いますよ。
超売り手市場でも、フリーパスではない。下準備は欠かせません
もちろん、超売り手市場の障害者とは言え、フリーパスで採用されるなんてことはありません。
逆に、しっかり下準備をして、しかるべきルート(転職エージェントを使う)で就職・転職活動すれば、可能性は高いということです。
特に、精神障害・発達障害の応募者は、就職・転職の準備が整っていない(と感じさせる)方が多いです。
自身の障害について自己理解が足りない、調子を崩した時にどう対処するかを話せない…など(もちろん完全に対処できる必要はありませんよ)。
過去記事:精神障害者が就職・転職活動を成功させるためのポイント
そうは言っても、自分一人で全てを正しく把握し、言語化することは意外と難しいものです。そういう時は、支援者(支援機関やエージェント)に頼るのも手。
障害者専門の転職エージェント機能を持つランスタッド【PR】では精神保健福祉士の方がサポートしてくれますので、
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