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障害当事者であり、採用担当でもあるむじなです。
障害者雇用者数は年々増加傾向にあり、2016年の民間企業による雇用者数は474,374人と、13年間連続で過去最高を更新し続けています。
特に近年顕著な伸びを見せているのが精神障害者で、精神障害者の雇用者数は前年比で21.3%も増加しています(34,637人→42,028人)。
2018年4月からの精神障害者の雇用義務化*により、この流れはますます強くなっていくものと予想できます。
というか、間違いなく精神障害者の雇用者数は上昇を続け、身体・知的障害者の雇用者数を逆転するでしょう。
うちの会社でも精神障害者の雇用を推進していこうと、私も日々孤軍奮闘しています。・・・が、いろいろな部署に掛け合ってはみるものの、精神障害者のイメージは、
- トラブルが多い
- 急な休みが多い
- コミュニケーションが難しい
- 離職率が高い
・・・等々。受け入れに難色を示すことが多く、すんなりとはいきません。すべての企業が同じとは言いませんが、精神障害の方は、就職・転職活動においても苦戦を強いられることが多いのではないでしょうか。
そこで今回は、精神障害者が就職・転職活動を成功させるためのポイントを、一番の肝である”面接対策”に絞ってお伝えしたいと思います。
*「雇用義務化」とは、文字通りの「必ず精神障害者を雇わなければならい」ということではなく、法定障害者雇用率の算出に、精神障害者の数が上乗せされ、法定雇用率が上昇することです。
症状とその対処法を話せるようにする
ひとくちに”精神障害”とはいっても、その症状は個別性が強いので、マニュアル的に考えられるものではありません。
この点が、受け入れ先が難色を示す一因でもあります。要は、受け入れ側は「どうすればいいか分からない」んですね。
企業は本人から直接聞くしかないので、この点はしっかり話せるようにしておきましょう。面接では、次の2つを具体的に面接官に伝える必要があります。
- どんな時にどのような症状が出るのか
- 症状が出たとき、どのように対処するのか
特に2つめの「どのように対処するのか」は非常に重要です。次のように具体的に伝えましょう。
「想定していないトラブルが起きると、パニックになります。その場合は、静かな場所で一人で10分ほど休めば仕事に復帰できます。」
多かれ少なかれ、業務上何らかの支障があるからこその障害者雇用枠です。重要なのは、自分なりの対処法を持っていて、一人で解決できるかです。
なお、「特に問題ありません」「特に配慮は必要ありません」は逆効果です。面接官に「正直に話していない」という印象を与えるだけです。
些細なことでも、配慮してほしいことは伝えておいた方が、選考においても有利になります。もちろん入社後も安心ですね。
本当に何の配慮も必要ないくらいに回復しているなら、「以前はどのような症状があって」「今はどのように回復しているのか」を具体的に伝えましょう。
周囲との関係構築が上手くいかない時の対処法を話せるようにする
精神障害者の受け入れで、上司や同僚が一番気にかかるのが、コミュニケーションについてです。企業で働くうえで、「気の合うメンバーばかりだ!」なんてケースはほとんどありません。苦手な同僚や合わない上司がいるのは当たり前です。
そんな苦手な同僚、合わない上司がいた場合、どのように対処してきたか(していくか)を伝えられるように準備しておきましょう。なにも、その対処法で全てが上手くいくような大層なことでなくて構いません。
要は、「相手が変わるのを待つのではなく、自分で対処しようとする気持ちがあるかどうか」を確認したいのです。
日常生活が安定していることを話せるようにする
精神障害の方は、薬の影響もあるかとは思いますが、生活リズムが乱れがちな方が多いのではないでしょうか。実際受け入れ先では、「休みが多い」「連絡もなく休むので心配だ」という声が多いです。
逆に言うと、生活の基本である「食事」「睡眠」「運動」が安定していれば、受け入れる企業としては安心です。
自分から話す機会はないかもしれませんが、精神障害者の雇用で苦戦している企業であれば、生活習慣に関する質問は可能性が高いです。
まとめ
- 症状とその対処法を話せるようにする
- 周囲との関係構築が上手くいかない時の対処法を話せるようにする
- 日常生活が安定していることを話せるようにする
精神障害者の採用面接では、この3つを押さえておけば、ぐっと合格に近づくでしょう。あとは、あなたと相性の良い企業を見つけるだけです。