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障害当事者であり、採用担当でもあるむじなです。
これまで、「障害者が就職・転職のために知っておくべきこと」として、「学歴」「職歴・スキル」「年齢」は重要ではないというお話をしてきました。
では、障害者が就職・転職を成功させるためのポイントは何なのか、本稿でお伝えしていきたいと思います。
対人能力(コミュニケーション)は備わってるか
「言われなくてもわかってるよ!」という声が聞こえてきますが、これは必須条件です。
よほど特殊な業務を除いて、会社に雇われて組織に属する限り、コミュニケーションを必要としない仕事はありません。
とはいえ、就職・転職の場面においては、面接という短い時間で、最低限の対人能力を見せればよいだけなので、難しいことはありません。
- 無理やり別人のように振る舞う必要はないが、最低限明るく努める(表情・声)
- ハキハキと受け答えする(語尾まで言い切る。分からないことは分からないと言える)
- 論理的に話せる(発言内容を補足する自分なりの理由付けができる)
上記3点を意識するだけで、面接突破に必要な最低限の「対人能力」は演出できます。少なくとも私が面接官として採用選考を行う際は、応募者がこれだけ出来ていれば、対人能力には問題なしと判断します。
障害特性上、業務に支障がないか
上記の対人能力はクリアしておくべき最低条件ですが、障害者の就職・転職における最大のポイントは、つまるところ「障害特性上、業務に支障がないか」という点に集約できるでしょう。
これも対人能力と同様、当たり前の話ではありますが、企業に「この人なら大丈夫だろう」と思ってもらうためには、障害を受容できているかが重要です。
- 自分の障害について正しく把握しているか
- 仕事をする上でどのようなハンデがあるのか
- そのハンデをカバーするためにどのような工夫をしているか(するつもりか)
- 会社がどのような配慮をすればパフォーマンスを発揮できるか
ひとくちで「障害者」といっても千差万別であることはもちろんですが、例え同じ「聴覚障害者」であっても、「出来ること」「出来ないこと」「必要な配慮」は人によって異なります。
この特性を把握できない限り、企業はあなたを採用できません。
書類選考や面接をしていると、よく「特別な配慮は必要ありません」「以前は~でしたが、今は問題ありません」と書いてある(話す)人がいますが、これは逆に採用側を不安にさせるだけです。
きちんと自分の障害を受け止め、正しく人に伝えられるようになりましょう。
転職エージェントは活用した方がよいのか
障害の有無にかかわらず、就職・転職を目指している人は、エージェントに登録すべきだと私は考えています。無料ですしね。
ただし、障害者に関しては、転職エージェントの活用は必須レベルだと思っています。
なぜなら、健常者と違い、障害者は「障害特性上、業務に支障がない」と証明しなければならないからです。
面接選考まで進むことが出来れば、直接企業に障害について伝える機会が得られるでしょうが、問題は書類選考の段階にあります。
障害についてエントリーシートや履歴書など、紙面でそれを伝えることはかなり難しいことです。
実際私が転職エージェントを利用せず、ハローワークや転職サイトのみで転職活動を行っていた時は、数十社応募して、書類選考突破がゼロでした。
「もう転職なんて無理なんじゃないか・・・」と絶望した覚えがあります。
しかし、転職エージェントを利用してからは、応募した企業の8割以上で面接選考に進むことが出来たのです。
上述の通り、書類だけで障害の特性を伝え、企業での受け入れイメージを持ってもらうことはかなり難しいことです。その点、転職エージェントを利用すれば、エージェントに直接詳細を伝えることが出来ます。
そして、その情報をもとに受け入れ可能な(正確には、可能性のある)企業をピックアップして提示してもらえるため、面接選考に進むことのできる可能性、そして採用を勝ち取れる可能性が飛躍的にアップするのです。
まとめ
- 面接で対人能力に問題がないことを見せよう
- 障害を受容し正しく伝えることで、その企業で働けるというイメージを持ってもらおう
- まずは書類選考の通過率を上げるために、転職エージェントを活用しよう
本稿では、障害者が就職・転職するためのポイントをざっくりと解説してきました。
面接選考の突破法、転職エージェントの上手な活用法など、まだまだお伝えしたいことはたくさんありますが、詳しくはまた別の機会にお話ししたいと思います。
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