障害者雇用・転職

障害者雇用の履歴書の書き方|採用担当者が見るポイントと障害・配慮の記載例

2017年11月26日

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障害者雇用の求人に応募するとき、履歴書に障害のことをどこまで書けばよいのか、迷う人は多いと思います。

「障害名と等級だけでよいのか」

「必要な配慮を書くと、不利になるのではないか」

「履歴書は手書きとパソコンのどちらがよいのか」

私は聴覚障害と発達障害があり、障害者雇用での転職活動を複数回経験しました。過去には障害者採用コンサルタントと企業の障害者採用担当を経験し、現在は一般企業で人事労務の仕事をしています。

応募者側と採用側の両方を経験して感じるのは、履歴書で大切なのは、欄を無理に埋めることではなく、採用担当者が「どのような経験があり、どのような配慮があれば働ける人なのか」を短時間で理解できることです。

この記事では、障害者雇用の履歴書について、基本的な書き方から、障害・配慮事項の具体的な記載例、提出前の確認項目まで順番に解説します。

先に結論

  • 応募先から指定がなければ、履歴書はパソコンで作成して問題ない
  • 履歴書には職歴と障害の概要を簡潔に書き、詳しい経験は職務経歴書で伝える
  • 障害名だけでなく、仕事への影響、自己対処、必要な配慮、配慮があればできることを整理する
  • 年号、在籍期間、資格名などを履歴書と職務経歴書で一致させる
  • 完成後はPDFにし、ファイル名とレイアウトを確認してから提出する

障害者雇用の履歴書で採用担当者が見るポイント

履歴書は、応募者の基本情報、学歴、職歴、資格、志望動機などを一覧で確認するための書類です。

採用担当者は、主に次の点を確認します。

  • 応募条件を満たしているか
  • これまでの職歴が求人の仕事内容とつながっているか
  • 在籍期間や転職時期に不明な点がないか
  • 資格やスキルが正確に書かれているか
  • 志望動機が応募先に合っているか
  • 障害による仕事への影響と必要な配慮を確認できるか
  • 履歴書と職務経歴書の内容が一致しているか

特別なデザインや長い自己PRよりも、必要な情報が整理され、矛盾なく読めることが重要です。

履歴書のフォーマットとサイズ

応募先から指定された様式がある場合は、その様式を使います。指定がない場合は、厚生労働省の履歴書様式例など、一般的なフォーマットで構いません。

厚生労働省は、A3版とA4版のPDF・Excel様式を公開しています。以前の記事ではA4サイズを不向きとしていましたが、現在はA3・A4のどちらも公式に用意されています。

現在の厚生労働省様式では、性別欄は任意記載です。また、「通勤時間」「扶養家族数」「配偶者」「配偶者の扶養義務」の欄は設けられていません。古い履歴書を使い回している場合は、様式も確認してください。

  • メールや応募フォームで提出:パソコンで作成し、PDFに変換する
  • 紙で提出:A3で1枚、またはA4で2枚に印刷する
  • 企業指定の様式がある:指定されたファイル形式・用紙サイズに従う

項目を増やすために独自の様式へ大きく変更するより、一般的な配置を保った方が採用担当者は確認しやすくなります。

様式は、ハローワークインターネットサービス「履歴書・職務経歴書の書き方」からダウンロードできます。

履歴書は手書きとパソコンのどちらがよいか

応募先から手書きを指定されていなければ、パソコンで作成して問題ありません。

私自身、転職活動では主にパソコンで履歴書を作成してきました。採用担当として確認するときも、手書きかパソコンかより、内容が正確で読みやすいかを見ていました。

パソコン作成には、次のメリットがあります。

  • 誤字や日付を修正しやすい
  • 応募先ごとに志望動機を変更しやすい
  • 文字の大きさや配置をそろえやすい
  • 履歴書と職務経歴書の内容を確認しやすい
  • オンライン応募にそのまま使える

紙の履歴書を手書きする場合は、修正液や修正テープを使わず、新しい用紙へ書き直します。文字の上手さより、丁寧に読みやすく書かれていることが大切です。

履歴書の項目別の書き方

日付

履歴書の日付は、作成日ではなく提出日を記載します。

  • メール・応募フォーム:送信日
  • 郵送:投函日
  • 面接で持参:持参日

西暦と和暦のどちらでも構いませんが、履歴書、職務経歴書、送付状の表記を統一します。

氏名・住所・連絡先

氏名は戸籍上の表記を基本とし、読み方が分かるようにふりがなを記載します。「ふりがな」と書かれていれば平仮名、「フリガナ」と書かれていれば片仮名でそろえます。

メールアドレスは、勤務先のアドレスではなく個人用を使います。電話に出にくい事情がある場合でも、連絡可能な番号を記載したうえで、希望する連絡手段を必要に応じて補足します。

証明写真

写真欄がある履歴書では、応募先から不要と案内されていない限り、証明写真を付けます。

  • 直近3か月程度に撮影したもの
  • 正面、胸から上、無帽、無背景
  • 清潔感のある服装
  • データ提出では画像が粗くなっていないか確認する

紙へ写真を貼る場合は、はがれたときに分かるよう、写真の裏面に氏名を記載します。

学歴・職歴

学歴と職歴は分けて記載します。中途採用では、一般的に高等学校卒業以降の学歴を記載すれば足ります。

会社名、学校名、学部・学科名は略さず、正式名称で書きます。

職歴欄の記載例

2022年4月 株式会社〇〇 入社
人事部にて給与計算、社会保険手続き、勤怠管理を担当
2026年3月 一身上の都合により退職
以上

在職中の場合は「現在に至る」、退職予定日が決まっている場合は「〇年〇月退職予定」と記載できます。

配属先や担当業務を1行程度補足すると、職務経歴書を読む前でも経験の概要が伝わります。ただし、詳しい仕事内容や実績は職務経歴書に書きます。

免許・資格

免許・資格は、取得年月順に正式名称で記載します。

  • 自動車免許は、現在の正式名称を確認する
  • 有効期限がある資格は、期限切れでないか確認する
  • 勉強中の資格は「取得に向けて学習中」と区別する
  • 応募職種に関係する資格を優先する

取得していない資格を「取得予定」と断定して書くことは避けます。

志望動機

志望動機は、どの企業にも使える内容ではなく、応募先の仕事内容と自分の経験を結び付けます。

次の順で整理すると書きやすくなります。

  1. 応募先のどこに関心を持ったか
  2. これまでのどの経験を生かせるか
  3. 入社後、どのように貢献したいか

事務職の志望動機例

前職では3年間、データ入力、資料作成、問い合わせ対応を担当しました。正確性を重視した業務改善に取り組む貴社の求人に関心を持ち、これまでのExcelによる集計と業務手順の整理経験を生かしたいと考え、志望しました。入社後は、正確な事務処理と進捗共有を徹底し、チームが円滑に業務を進められるよう貢献します。

障害者雇用だからという理由だけで志望動機を作るのではなく、仕事内容、事業、働き方のどこに魅力を感じたかを書きます。

自己PR

履歴書の自己PR欄には、応募職種で生かせる強みを一つか二つに絞って書きます。

「真面目です」「コミュニケーション能力があります」だけで終わらせず、強みを発揮した場面を加えます。

自己PRの記載例

私の強みは、確認手順を整えて正確に業務を進めることです。前職では、月次集計の確認項目を一覧化し、担当者による確認漏れを減らしました。入社後も、手順を確認しながら正確に業務を進め、変更点は早めに共有します。

詳しい職務実績は職務経歴書に記載し、履歴書では要点を簡潔にまとめます。

本人希望欄

特に希望がない場合は、「貴社規定に従います」と記載します。

職種、勤務地、勤務時間などに譲れない条件がある場合は、求人内容と矛盾しない範囲で簡潔に書きます。ただし、障害に関する配慮事項をすべて本人希望欄へ詰め込むと読みにくくなるため、「障害・配慮事項」の欄や別紙を設ける方法が分かりやすいです。

障害者雇用の履歴書に障害をどう書くか

障害者雇用枠へ応募する場合は、採用担当者が障害の状況と就労上の配慮を確認できるようにします。

障害名だけでは、仕事上どのような影響があり、どのような対応があれば働けるのかまでは分かりません。次の項目を整理します。

  • 障害名、手帳の種類、等級
  • 仕事に影響する症状や苦手な場面
  • 自分で行っている対処や工夫
  • 会社に依頼したい配慮
  • 配慮があれば対応できる仕事
  • 勤務時間に影響する通院の頻度

ハローワークの障害者向け求職情報でも、障害に関する確認書類と「就労上の配慮が必要な事項」は分けて登録する仕組みです。配慮が必要な場合は、応募時にあらためて事業主へ伝えるよう案内されています。

履歴書には概要、別紙や職務経歴書には詳細を書く

履歴書の欄が小さい場合は、概要だけを記載します。

履歴書への簡潔な記載例

精神障害者保健福祉手帳〇級。複数の口頭指示を同時に受けると、優先順位の整理に時間がかかることがあります。自分でもメモとタスク管理を行いますが、指示を文章でも確認できると、安定して対応できます。月1回、定期通院があります。

詳しい内容は、職務経歴書の「障害・配慮事項」や、障害についてまとめた別紙で説明します。

配慮事項は「できないこと」だけで終わらせない

採用担当者が知りたいのは、症状の説明だけではなく、実際の職場でどのように働けるかです。

次の順番で書くと伝わりやすくなります。

  1. 困りやすい場面
  2. 自分で行っている対処
  3. 必要な配慮
  4. 配慮があればできること
障害・困る場面 記載例
聴覚障害 電話での聞き取りは困難ですが、メールやチャットでの対応は可能です。対面では、正面から話していただき、重要事項を文章でも確認できれば対応できます。
発達障害 複数の作業を同時に口頭で依頼されると、優先順位を取り違えることがあります。自分でもタスク表で管理しますが、期限と優先順位を明確にしていただければ、順番に対応できます。
精神障害 体調変化があると集中力が下がることがあります。服薬と生活管理を継続し、早めに相談します。定期的に業務量を確認できれば、安定して勤務できます。
身体障害 長時間の立位が難しいため、座って行える作業を希望します。デスクワークや短時間の移動は対応可能です。

配慮事項は遠慮して曖昧にするのではなく、安定して働くために必要な内容を具体的に書きます。一方、仕事と関係しない病歴や家庭事情まで詳しく書く必要はありません。

通院・服薬はどこまで書くか

通院については、勤務時間への影響を採用前に確認する必要がある場合に記載します。

記載例:月1回、平日に定期通院があります。可能な限り終業後に受診しますが、予約状況により半日休暇を相談する場合があります。

服薬している薬の名称や量まで履歴書へ細かく書く必要はありません。ただし、眠気など仕事に影響する副作用がある場合は、勤務上の対応とあわせて説明します。

履歴書がスカスカに見えるときの整え方

空欄をなくすために関係のない情報を長く書く必要はありません。内容が少なく見える場合は、次の点を見直します。

  • 職歴欄に配属先と主な担当業務を1行補足する
  • 応募職種に関係する研修、職業訓練、PCスキルを記載する
  • 志望動機を応募企業に合わせて具体化する
  • 自己PRに実際の行動や成果を加える
  • 障害・配慮事項を別欄または別紙で整理する

「なし」と書ける欄まで無理に埋める必要はありません。大切なのは、採用判断に必要な情報が不足していないことです。

職務経歴書との役割を分ける

履歴書と職務経歴書には、それぞれ役割があります。

書類 主な役割 書く内容
履歴書 基本情報と経歴の全体像を伝える 学歴、職歴、資格、志望動機、障害・配慮の概要
職務経歴書 経験と応募職種への適性を具体的に示す 担当業務、実績、スキル、自己PR、障害・配慮の詳細

職務経歴書については、障害者の職務経歴書の書き方で詳しく解説しています。

送付状は必要か

郵送で応募書類を送る場合は、送付状を付けるのが一般的です。

送付状には、次の内容を簡潔に記載します。

  • 提出日
  • 応募先企業名・担当者名
  • 自分の氏名・連絡先
  • 応募職種
  • 同封した書類の一覧

送付状に長い自己PRを書く必要はありません。メール応募の場合は、メール本文に応募職種と添付書類を記載すれば、別に送付状ファイルを作らなくてもよい場合があります。応募先の案内を優先してください。

メール・応募フォームで提出するときの注意点

WordやExcelのまま提出すると、相手の環境でレイアウトが崩れることがあります。編集可能な形式を指定されていなければ、PDFに変換して提出します。

ファイル名は、採用担当者が内容と応募者を識別できる形にします。

履歴書_氏名_20260901.pdf
職務経歴書_氏名_20260901.pdf

提出前に、PDFを実際に開いて次の点を確認します。

  • 文字や写真が欠けていないか
  • 改ページで表や文章が分断されていないか
  • 古い志望動機や別企業名が残っていないか
  • パスワード設定の指示がある場合、その方法に従っているか
  • 添付漏れがないか

履歴書を提出する前のチェックリスト

  • 提出日が正しい
  • 氏名、住所、連絡先に誤りがない
  • 写真が鮮明で、縦横比が崩れていない
  • 学校名、会社名、資格名を正式名称で書いている
  • 入社・退職年月が職務経歴書と一致している
  • 西暦・和暦を統一している
  • 志望動機が応募先の仕事内容に合っている
  • 障害による仕事への影響と必要な配慮が伝わる
  • 配慮があれば対応できる仕事も書いている
  • 別企業の名称や古い応募職種が残っていない
  • PDFを開いてレイアウトを確認した
  • ファイル名から書類の種類と氏名が分かる

自分だけで判断しにくい場合は書類添削を受ける

履歴書は、自分では内容を理解しているため、説明不足や矛盾に気付きにくい書類です。特に、障害と配慮事項については、詳しすぎても要点が伝わりにくく、短すぎても働く場面を想像してもらえません。

第三者に確認してもらう場合は、次の選択肢があります。

  • ハローワークの職業相談窓口
  • 利用している就労支援機関
  • 障害者向け転職エージェント

ハローワークでは、履歴書・職務経歴書の添削や面接に関する助言を受けられます。転職エージェントを利用する場合は、書類添削だけでなく、応募先の求人要件を踏まえた修正や面接対策も相談できます。

書類添削を受けられる障害者向け転職サービスを比較する

職歴を活かした条件改善、自分での求人検索、面談を通じた希望整理など、進め方に合わせて選べます。

障害者向け転職エージェント3社の違いを見る

新卒で障害者雇用の就活をする方は、履歴書だけでなく、障害や必要な配慮をどう整理して企業へ伝えるかも準備しておきましょう。障害のある学生が新卒就活を進めるときに準備しておきたいことを、こちらの記事でまとめています。

障害者雇用の履歴書に関するよくある質問

障害者雇用の履歴書は専用様式でなければいけませんか

企業指定の様式がなければ、一般的な履歴書へ障害・配慮事項の欄を追加する方法で構いません。欄が足りない場合は、職務経歴書または別紙に詳しく記載します。

履歴書に障害者手帳のコピーを付けますか

応募時から提出を求められている場合を除き、自己判断でコピーを添付する必要はありません。選考や入社手続きの中で確認を求められたら、提出先と利用目的を確認して対応します。

精神障害や発達障害の診断名は書くべきですか

障害者雇用枠へ応募する場合は、障害名や手帳の情報だけでなく、仕事への影響と必要な配慮を伝えます。診断に至るまでの経緯や、仕事と関係のない症状まで履歴書に詳しく書く必要はありません。

障害について書くと不採用になりませんか

必要な配慮を伝えないまま入社すると、企業が対応を準備できず、入社後に働きにくくなる可能性があります。配慮事項は「何ができないか」だけでなく、「どのような対応があれば、どの仕事ができるか」まで書くことが重要です。

履歴書の空欄はすべて埋めた方がよいですか

関係のない内容で無理に埋める必要はありません。希望がない本人希望欄は「貴社規定に従います」、該当する資格がない場合は「特になし」など、未記入と区別できるようにします。

パソコンで作った履歴書はWordとPDFのどちらで送りますか

応募先から指定がなければ、レイアウトが崩れにくいPDFが適しています。WordやExcelでの提出を指定された場合は、その指示に従います。

まとめ:履歴書は採用担当者が働く姿を想像できるように書く

障害者雇用の履歴書では、正確さと読みやすさに加え、障害による仕事への影響と必要な配慮を具体的に伝えることが大切です。

障害名だけで終わらせず、「困る場面」「自分の対処」「必要な配慮」「配慮があればできること」を一つのまとまりとして整理してください。

履歴書で基本情報と経歴の概要を示し、詳しい経験や実績は職務経歴書で補います。最後に二つの書類を並べ、年月、仕事内容、資格、希望条件に矛盾がないか確認しましょう。

職歴を活かした求人と応募書類について相談する

応募先に合わせた書類の整え方や面接対策を第三者と確認したい場合は、転職支援を利用する方法があります。

障がい者の転職ならランスタッドへ

参考にした公的情報

※履歴書の様式、必要書類、提出方法は応募先によって異なります。求人票や応募案内に指定がある場合は、その内容を優先してください。

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