障害者の就職・転職

障害者の履歴書の書き方【採用担当者が本音で語る】

2017年11月26日

目次

障害当事者であり、採用担当でもあるむじなです。

下半期の応募もほぼ取りまとまり、順次書類選考を進めていますが、毎日数十通の応募書類が送られてきておりましたので、やってもやっても終わりが見えません。

前回「職務経歴書の書き方」でもお伝えした通り、「読む人のことを考えていない」ような応募書類は、目を通す気にもなりません

今回は応募書類の書き方第2弾、履歴書の書き方について、採用担当者が本音でお伝えしていきます。

 

記載事項は漏れなく、誤字なく、欄内の8割は埋める

基本的に、「記載事項が漏れている」「誤字が多い」「埋めていてもスカスカ」な履歴書は、それだけでゴミ箱行きと心得ておきましょう

第1次審査はまずパッと見の印象で行われます。そこをクリアして初めて内容に目を向けてもらえるのです。

特に事務職の場合は、書類作成はメインの業務です。定まった形式の書類を適切に作成する能力は必須です。

欄内の8割程度は埋める必要がありますが、逆に細かい文字でびっしり書くのはマイナスです。「要点をまとめる能力がないんだな」という悪い評価を受けることになります。

箇条書きもうまく使って、要点を絞って書きましょう。

 

どんなフォーマット(構成)の履歴書が有利?

職務経歴書と違い履歴書には基本の型が存在し、それぞれ大きく違いはありませんので、フォーマットについてはそこまでこだわる必要はありません。

自己PRしやすい独自の構成になっている履歴書も売られていますが、自己PRは職務経歴書ですればよいかと思いますので、履歴書はどんなものを使っても構いません

職歴がなく、職務経歴書を作成しない方は、「志望動機」「自己PR」が多めに記載できるフォーマットを使用しましょう。

サイズはB4またはA3がおすすめです。A4サイズの履歴書もたまに送られてきますが、字が小さく、記載できる文字数も限られるため不向きです。

 

履歴書の作成は手書きの方がいいの?

今時、「手書きの履歴書しか受け付けん!」という企業はごく少数だと思います。あなたの第1志望の企業がその「ごく少数」である可能性もありますが、基本的に履歴書はPCで作成することをおすすめします

なぜなら、履歴書を作成する時間と労力はかなり大きいからです。その時間で応募企業のことを調べて志望動機の内容を充実させた方がはるかに有意義です

PCで作成しておけば、志望動機や自己PRを各企業ごとに修正するだけで履歴書が作成できるため、手書きとは効率が段違いです。

私は新卒の時の就活を除いて、手書きで履歴書を書いたことはありません。

効率が悪いですし、「手書き以外は受け付けん!」というような効率の悪いことを考えている企業に入りたいとも思いませんでしたので。

更に、私が採用担当者として履歴書をチェックするとき、PCで作成した履歴書は何とも思いませんが、汚い履歴書はそれだけで印象がかなり悪いです

ここで言う「汚い」とは、字が下手ということではなく、「走り書きのように乱雑に書かれたもの」「修正ペンを使用したもの」「鉛筆の下書きの跡が残っているもの」等です。

こんな汚い履歴書を提出するくらいなら、PCで作成された読みやすい履歴書の方が数倍印象が良いです

正直、字が下手な人ってすごく多いです(私も含めて)。

別に字が下手だからと言ってマイナスにはなりませんが、読む側から言わせてもらえば、読みやすいPCで作成した履歴書の方がはるかにチェックしやすいです。

 

添え状(送付状)は必要?

添え状とは、履歴書・職務経歴書を封筒に入れて送付する際に同封する送付状のことです。

○○(求人媒体)で貴社の求人を拝見し、□□職に応募させていただきたく存じます。履歴書と職務経歴書を送付いたしますので、ご検討のほどよろしくお願いいたします。

とまあこんな程度のほとんど内容のない紙ですね。添え状に自己PRを書いて送ってくる応募者もいますが、基本読みません。自己PRは履歴書と職務経歴書でしてください。

添え状は合否には全く関係ありませんので、付けなくても問題ありません。(手書きの話と同じく「添え状もないような応募書類は受け付けん!」と言う企業もなくはないでしょうけど、まぁ稀です)

ただし、注意が必要なのは、「応募企業で複数の職種の募集を行っている」ケースです。

どの職種を希望しているのかを記載しておかないと、採用担当者としても審査のやりようがありません。

添え状でなくても構いませんので、履歴書に「○○職を希望」と明記しておきましょう

 

ちょっとした書き方で気遣いに差が出る

職務経歴書の書き方の記事でもお伝えしましたが、応募書類は読み手のことを考えて作成しましょう

例えば、「職歴の欄は西暦で記載している」のに「資格の欄は和暦で記載している」ような履歴書があります。同様に、「履歴書は西暦で記載している」のに「職務経歴書は和暦で記載している」というケースも。

それぞれをリンクさせながら確認しているのに、こういった齟齬があると非常に読みづらいです。

当然、「この人は読む人の気持ちを考えられないんだな」というマイナス評価を受けてしまいます。

履歴書と職務経歴書を作成してから、「初めて読む気持ちで」しっかりと見直しておきましょう

上記でも書きましたが、PCなら見直してからの修正が非常に簡単なので、やはりPC作成がおすすめです。

 

障害についての記載は必要?

転職エージェント経由での応募で、採用担当者にしっかりとあなたの障害について伝わっているのであれば、履歴書に記載する必要はありません。

そうでなければ、障害についても記載しておきましょう。履歴書には概要を、職務経歴書で詳細を記載します(職歴がない方は、履歴書に詳細も併せて記載しましょう)。

履歴書には最後の方に「特記事項」のような欄がある構成が多いので、そこに記載しましょう。

記載項目は下記を参照。履歴書に書くのは「障害名・〇級」だけでOKです。あとの項目は職務経歴書に。

  • 障害名・〇級
  • 業務上配慮してほしいこと(例:聴覚障害があるため、電話対応は不可 等)
  • 業務上対応できること(例:聴覚障害はあるが、オフィス内であれば口話(音声)でコミュニケーション可 等)
  • 通院・服薬の状況(記載できる範囲でOK)

 

まとめ:履歴書は「読む人のことを考えて」「正確に」書こう

履歴書の書き方については、細かいテクニックを教える教科書的な本がたくさんありますが、「正確に書く」「読む人のことを考えて書く」ことが一番の秘訣です

作成後にしっかりとチェックすることは必須で、その際修正がかけられるPC作成がおすすめです。

ちなみに、「職務経歴書の書き方」についての記事にも「読む人のことを考えて書く方法」をまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

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