障害者の就職・転職

障害者の職務経歴書の書き方【採用担当者が本音で語る】

2017年11月4日

目次

障害当事者であり、採用担当でもあるむじなです。

下半期に入り、年度の採用計画達成に向けて精力的に採用活動に励んでおります。最近では1週間で数百の応募書類に目を通すことも……。

これだけの応募があると、一つひとつの応募書類をじっくりと見ている時間はありません。特に、「読む人のことを考えていない」ような応募書類は、目を通す気にもなりません

おそらくあなたが応募している(しようとしている)企業も似たような状況でしょう。

そこで今回は、採用担当者目線から応募書類の書き方をお伝えしたいと思います。第1弾は職務経歴書編です。

 

基礎知識:最低限押さえておくべき記載事項

まずは職務経歴書を書くうえで、最低限押さえておくべき記載事項についてさらっと。

  1. 作成日
  2. 氏名・年齢
  3. 前職(現職)までの勤務先情報(企業名・事業内容・従業員数)
  4. 職務内容(在籍年月・所属部署・役職・担当業務)

どのような並びで書いていけばよいのかは後でお伝えしますので、まずは「これだけは書くべし」ということだけ理解しておきましょう。

上記の項目について書かれていないと、「適当に書いてるんだな」と応募の本気度を疑われます。

ちなみに、職務経歴書の作成はPC(Word)でOKです。手書きでも構いませんが、PCで作成しておけば最低限のPCスキルを示すこともできます。

 

採用担当者の本音:まとまっていない職務経歴書は読む気も起きない

上記で記載しておくべき項目は押さえましたが、もちろんこれが書かれていれば良いというものではありません。内容もさることながら、どのような構成で書くかが最も重要なのです

なぜなら、冒頭でお話しした通り、採用担当者は何十何百という応募書類を読むことになるので、一つひとつにじっくりと目を通す時間はありません。

よって、まずはいかに読みやすいかが一番大切なポイントなのです。

実際、採用チームの同僚は「文字数が多すぎる」というだけでその応募者を不採用にすることもあります(応募者が多い場合)。

まとまっていない職務経歴書は、読む気も起きないということをしっかりと認識しておいてください。

私は上記の同僚のように極端ではありませんが、「分量が多すぎる、かつまとまっていない書類」については低い評価をつけるようにしています。

事務職の募集であれば、読む人のことを考えた「分かりやすい文書を作成する能力」は必須ですからね。

具体的に文字数の目安を挙げると、各項目につき多くても300文字程度に収めましょう

それ以上書くと、内容に関わらず「ダラダラと書いていて文章をまとめる能力がない」と判断される危険性があります。

 

テクニック:項目ごとにポイントをまとめる、箇条書きを上手く使う

それでは、「読みやすく分かりやすい職務経歴書」を作るにはどうすれば良いのか。ちょっとしたテクニックを押さえておけばそれだけであなたの評価は飛躍的に向上します。

秘訣は、「項目ごとにポイントをまとめること」「箇条書きを上手く使うこと」です

私が書いているいつものパターンは下記の通り。この構成は、採用担当者からしても読みやすいです。

■職務要約:これまでの職歴について200字~300字程でまとめる(○○業界で○○の業務をしてきました)。

■活かせる経験・知識・技術:これまでの業務で学んだ「テクニカルスキル」を箇条書き。

■自己PR:これまでの業務で発揮した「ポータブルスキル」について200字~300字程でまとめる(発揮したシーンも含めて)。

■障害について:下の方に書いている「おまけ」を参照。

■各社(職務経歴)の詳細:「勤務先情報」と「職務内容」を各社ごとに箇条書きで簡潔にまとめる

ちなみに、「テクニカルスキル」は、特定の業務で活かせるスキルのことです。

例としては、「経理の経験」「英語能力」「プログラミングスキル」など。WordやExcelなどの「PCスキル」もテクニカルスキルに当てはまります。

一方「ポータブルスキル」は、「リーダーシップ」「コミュニケーション能力」「協調性」「スケジュール管理」など、どのような業務においても必要となる能力のことです。

「職務要約」「活かせる経験・知識・技術」「自己PR」「障害について」でA4用紙半分~1枚程、「各社の詳細」を含めてA4用紙2枚までに収めましょう(多くて3枚)。

 

おまけ:障害についての詳細を記載する

転職エージェント経由での応募で、採用担当者にしっかりとあなたの障害について伝わっているのであれば、職務経歴書に詳細を記載する必要はありません。

そうでなければ、しっかりと障害についても記載しておく必要があります。

記載項目は下記を参照。

  • 障害名・〇級
  • 業務上配慮してほしいこと(例:聴覚障害があるため、電話対応は不可 等)
  • 業務上対応できること(例:聴覚障害はあるが、オフィス内であれば口話(音声)でコミュニケーション可 等)
  • 通院・服薬の状況(記載できる範囲でOK)

障害について詳しく記載しておかないと、「○○障害だから□□はできないだろう」「○○障害でも、□□くらいはできるだろう」と誤解を生みやすく、お互いに不毛に時間と労力を費やすことになります。

 

まとめ:職務経歴書の正しい書き方

  • 最低限の記載事項はしっかり漏れなく書く
  • 各項目ごとにポイントをまとめる、箇条書きを使う

これだけ押さえておけば、あなたの職務経歴書は「読む価値なしの即不採用行き」を免れ、「読みやすまとまっていて高評価」の束に入ることができるでしょう。

あとは「あなたの魅力」と「企業が求めるもの」がマッチすれば、晴れて面接→採用ですが、「企業が求めるもの」の詳細を個人の応募者が正確に把握することは難しいです。

少しでも不安が残るなら、迷わずに転職エージェントを利用するべきです。無料かつメリットだらけなので。

採用担当者から評価される職務経歴書の書き方講座、いかがでしたでしょうか。

また別の機会に、「履歴書の書き方講座」も開催したいと思います。(追記:公開しました↓

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