障害者の就職・転職

まやかしの障害者雇用推進にはもうウンザリ。エンジャパン障がい者雇用実態調査2018より

2018年10月26日

目次

障害当事者であり、採用担当でもあるむじなです。

2018年10月23日、求人情報メディア・人材紹介サービス等を運営しているエンジャパンより「障がい者雇用実態調査2018」が公開されました。

いろいろ思うところはあったのですが、一番気がかりな点についてつらつらと書いていきます。

※本記事では、本ブログの表記「障害」と、エンジャパンから引用した「障がい」が混在します。お見苦しくてすみません。

 

ほぼすべての企業が、義務と世間体のために障害者を雇用している


障がい者を雇用したきっかけは何ですか?(エンジャパン:障がい者雇用実態調査2018より引用)

上記のグラフを見てわかる通り、障害者を雇用している理由は、「法定雇用率を達成するため」「企業としての社会的責任を果たすため」が大部分を占めています。

「障がいに関係なく、雇用条件や人柄を見て採用している」がわずか24%しかありません。

ほとんどの企業は、義務感・やらされ感で「しょうがないから障害者を雇ってやっている」と考えているんだなぁ、と良く分かりますね。


障がい者を雇用していない理由は何ですか?(エンジャパン:障がい者雇用実態調査2018より引用)

障害者を雇用していない企業の半数が「障がい者に適した業種・職種ではない」と回答しています。

「多くの障害者を雇う」ことが難しい業種・職種が存在することは理解できます。が、本当に障害者を雇用していない企業の半数が、「障害者に向いていない仕事だから“一人も”雇えない」のでしょうか?

この回答結果から、障害者雇用ゼロ企業の半数は、そもそも雇う気がないし、前向きに検討して理解しようという気もないというのが良く分かりますね。

 

どれだけ表ヅラが良くても、日本はダイバーシティ後進国

障害者に限らず、女性活躍推進等も同様ですけど。

とりあえず表ヅラは前向きに取り組んでいるように見せて(アピールして)、社内の風土は昭和から全く変わっていないという企業が多すぎます。

一戦力としての障害者雇用に積極的に取り組んでいて、かつ活躍できるように社内整備を本気で進めているような企業って、はたして日本にどれだけあるのでしょうか。

雇用率水増し問題もそうですけど、レベルが低すぎて笑えません。

量(障害者の就業率・雇用率)の話はもちろんですけど、そろそろ質(障害者がいかに活躍できるようにするのか)の話に進めませんかね?

 

本気で障害者(あなた)の活躍を期待する企業を、選ぶ力が必要

なんだか愚痴のような記事になってしまいすみません。

何が言いたいかというと、就職・転職して自分の力を発揮して働いていきたいと思っている障害者は、「本気で障害者(あなた)の活躍を期待する企業」を、選ぶ力が必要になるということです。

表面上は「ダイバーシティ!障害に関係なく活躍!」と謳っていながら、その実「雇用率のため、バッシングを受けないため」だけで障害者を雇用している企業を、しっかりと見極める力を。

まずはあなた自身の「見る目」を育てましょう。

要するに「あなたが面接で感じた違和感に、正直になりましょう」というだけなんですが。

これが意外と難しくて、

  • やっとたどりついた最終面接だし・・・
  • せっかくの大企業だし・・・
  • 前からやりたい仕事だし・・・

とゴニョゴニョ考えていると、その違和感は「まぁ大した問題じゃないでしょ」と見なかったことにしてしまいがちです。しかし私の経験上、その違和感は後に必ずあなたを苦しめます。

 

次に、情報収集に努めましょう。

上記が主観的な判断なら、情報収集は客観的な判断材料です。

企業サイト・採用HPはもちろん、キャリコネのような転職口コミサイトの活用も積極的にやっておくべきです。

 

また、応募企業の障害者雇用の内情・本音を知りたいなら、障害者向けの転職エージェントの活用が一番です。

彼らは企業の障害者採用担当者と直接コネクションを持ってやり取りしていますので、企業の正直ベースの話を聞かせてもらえます。

正直、イマイチなエージェントが多々あることも事実なので、よろしければ私の利用体験記をご参照ください↓

 

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