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障害当事者であり、採用担当でもあるむじなです。
地方での就職・転職活動は、都市圏と比べてかなりハードルが高くなります。
その傾向は健常者でも同様ですが、「障害者の求人を募集している」「障害者が働ける環境が整っている」企業の数は、都市圏と比べて絶望的に少ないです。
私も地方出身で、一時期地元で転職活動していましたが、そもそも入りたいと思うような企業がほとんどない上、数少ない優良企業はものすごい倍率。
今は地方の状況も変わってきていますが、当時の私は、諦めて「大都市圏への引っ越しを前提に」転職活動を行い、上京することになりました。
今回は、現在の障害者就職・転職事情も踏まえながら、地方の障害者が就職・転職活動する際の3つの選択肢についてお伝えしたいと思います。
※この記事で言う「地方」とは、東京・大阪・名古屋とその周辺(通勤圏内)の「三大都市圏以外」を指します。
選択肢その1:地方で一般求人(健常者)枠の就職・転職を狙う
地方は求人が少ないとはいえ、専門職やスキルのある方は話が別です。
障害があっても「スキルで健常者と渡り合える」という方は、「一般求人枠」での就職・転職も可能性があります。
とはいえ
- プログラマー・イラストレーター・など需要がある職種、または弁護士や社会保険労務士など、専門的な資格保持者
- 環境整備次第で支障なく働ける障害特性(下肢不自由で車いすユーザーの方など)
- 職場がバリアフリー(障害配慮が整っている)
等の条件を満たす必要があり、ハードルはかなり高いです。
かつ、「一般枠」での応募は、障害者だとわかると門前払いされる可能性もある(障害者が応募してくることを想定していない)ため、不採用になる回数が多くなることは仕方ありません。
障害者枠での就職・転職活動以上に根気よく活動を続ける必要があるでしょう。
障害者の一般枠での就職・転職については、また後日詳細を記事にしたいと思います。
選択肢その2:大都市圏への引っ越しを前提に、就職・転職活動する
過去の私はこの選択を取りました。
現在は改善されてきているとはいえ、地方で「障害者が働く環境が整っている」「ある程度の収入」「安定した経営体制」の会社を探そうと思うと、選択肢は非常に限られます。
それならば、就職先が豊富な大都市圏への引っ越しを前提に転職活動した方が良いと考えたからです。
注意したいのは、「就職・転職先が決まってから引っ越すこと」です。
「都市圏で就職・転職するぞ!」と勢いで先に引っ越してしまうと、仮に就職・転職活動が長引いてしまった場合、生活が困窮して立ち行かなくなってしまう可能性があります。
とは言え、地方に住みながら都市圏で就職・転職活動を行うと、どうしても交通費がかさみますし、何度も何度も行けるわけでもありません。
各企業の選考スケジュール(面接日程)を上手く調整することが求められます。しかし、自分ひとりの力では、複数社の面接日程をコントロールすることは極めて困難です。
スケジュール調整が肝心な地方(から都市圏へ)の転職では、転職エージェントを上手く活用することが成功の鍵となります。
転職エージェントを利用すれば、面接日程の調整はすべて代行してもらえますので、「面接回数が1~2回で結果の出る企業」を紹介してもらい、かつ「複数社の面接を1~2日の中で集中して行う」ことが可能です。
障害者専門の(障害者が求人紹介を受けられる)転職エージェントは地方にありませんが、実は利用する方法があります。詳しくは後述します。
しかし、障害特性によっては、「都市圏への引っ越しを前提に活動する」というのは難しいことも承知です。
選択肢その3:地方で障害者枠の求人を探す
地方で障害者枠の求人を探すなら、ハローワークの活用がスタンダードです。
しかし、今しがたハローワークのインターネットサービスで私の地元の求人を探してみましたが、「手取りで考えると月10万円以下」というような求人がほとんどでした。
パートじゃなくて、フルタイムですよ。地方は生活費が安く済むとは言え、流石にフルタイムで働いてこれでは厳しいです……。
ハローワークの求人は無料で出せるので、「とりあえず出しておけ」という感じの「程度の低い求人」がわんさか掲載されています。
当時私も、数少ない「ましな」求人を探しては応募していましたが、そういった企業は応募も多いので、書類落ち続きでした。
上手くいけば、地元密着の優良企業など見つけられる可能性はありますが、競争率が高くなることは覚悟しておきましょう。
◇
しかし、「障害者が地方で求人を探すならハローワークがスタンダード」は過去の話。「選択肢2」でも書きましたが、今は地方にいながら転職エージェントを利用することができるようになりました。
地方でも使える障害者専門転職エージェント:アットジーピー(atGP)
転職エージェントを利用するためには(求人を紹介してもらうためには)、事前に担当のエージェントと面談する必要があります。
あなたの希望条件、障害についての詳細を把握し、マッチングする企業を紹介するためには、書類のやり取りだけでは正確な情報が把握できないからです。
通常対面での(転職エージェントのオフィスに出向いての)面談が必須となりますが、最大手の障害者専門転職エージェント「アットジーピー」の「転職支援サービス」は、電話・スカイプ(テレビ電話)による面談が可能です。
このアットジーピーの転職支援サービスの登場によって、地方に居ながらにして、多くの非公開求人(エージェント経由でしか応募できない求人)を紹介してもらうことができるようになりました。
アットジーピーは全国幅広い企業とネットワークを持っているため、「都市圏への引っ越しを前提に求人を探す」「地方(地元)の求人を探す」のどちらも対応してもらえます。
アットジーピーの転職支援サービスを利用すれば、企業の内情を詳しく知っている転職エージェントが、「あなたの希望条件を満たす企業」「あなたの障害の受け入れ態勢が整った企業」を紹介してくれます。
電話・スカイプ面談を利用したことはありませんが、アットジーピーでは、私が利用したことのある6社の転職エージェントのうち、一番多くの案件を紹介してもらえました。
応募書類添削や面接対策も手厚いため、就職活動・転職活動の経験が少ない方も安心です。もちろん利用はすべて無料。
注意:アットジーピーの方に確認してみたところ、残念ながら聴覚障害の方は電話・スカイプ面談を利用できないようです。
聴覚障害者が転職支援サービスを利用するなら、直接オフィスに出向く必要があります。なお、これは2018年1月9日時点の見解ですので、「未来永劫支援しない、という訳ではございません」とのこと。
アットジーピーの詳細については過去にまとめていますので、興味を持たれた方は、ぜひ下記の記事をご覧ください。
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まとめ:地方での就職・転職は都市圏と比べて困難。だからこそ、使えるものは全部使おう
ここまで、地方で障害者が就職・転職活動する際の3つの選択肢を見てきましたが、やはり都市圏在住者と比べると、ハードルが高いことは事実です。
しかし、その環境を嘆いていても仕方がありません。幸い今は電話・スカイプで転職エージェントが利用できるなど、就職・転職活動を支えてくれるサービスも整ってきています。
また、近年の障害者雇用の動向を見ると、都市圏では(法定雇用率を達成するために)障害者を雇いたい企業が増加、必要な採用数が確保できない状態です。
そんな企業が今、まだ障害者採用の可能性の残った「地方」に注目しています。
実際、障害者雇用のためにサテライトオフィス(本拠地から離れた小規模のオフィス)を作る企業も増えてきました。
ハローワークには求人がなくとも、転職エージェントではこういった企業の案件も紹介してもらえます。
地方での就職・転職活動は困難だからこそ、使えるものは何でも使って、効率的に活動することが必要でしょう。
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