仕事の雑記

障害が価値になる仕事、障害者だからこそできる仕事で、もっとやりがいを

2018年5月17日

目次

障害当事者であり、採用担当でもあるむじなです。

障害者枠での雇用は、基本的に「バリアを取り除いてもらう・配慮してもらう」ことを前提とした働き方です。

採用する企業も、働く私たち障害者も、障害を「働く上でマイナス」だと捉えることから発想がスタートしています。

まぁ、配慮が必要なのはその通りなのですが、そこで考えを止めてしまうともったいないと思います。

「障害は個性」だとは(個人的には)思いませんが、「仕事の役に立つプラスアルファ」にすることはできないでしょうか?

「障害が価値になる仕事」「障害者だからこそできる仕事」であれば、働くことに対して、よりやりがいを見いだせるのではないかと思っています。今の私がそうなので。

 

障害が価値になる仕事、障害者だからこそできる仕事

「そんな仕事あるの?」と思われるかもしれませんが、探してみれば結構いろいろあるものです。

(随時追加していきます)

 

1.障害者採用担当者

まずは私の仕事である、障害者採用担当者。

私はイチ障害者として、「障害者がもっと活躍できる、もっと生きやすくなる」ことに貢献したいと考えていますので、この仕事はピッタリです。同じ思いの方には是非おすすめ。

採用担当者の仕事=一番求められる能力は、「人を見極める」というような上から目線のものではなく、求職者が「この会社に入りたい!」と思ってもらえるようなアプローチをすることです。

そして、障害当事者が、障害者採用を担当するということは、それだけで求職者へのアピールになるんです。

応募者から見れば、口だけで「障害者が活躍できる職場ですよ」と言われるより、実際に「企業の顔」として働いている障害者がいると分かれば、それだけ志望度も高まります。

また、入社後の定着にも貢献できます。健常者に比べて、障害者は入社後に困りごと・悩みごとを抱えがちです。でも、直属の上司や同僚には言いづらいことも多いですよね?

人事に(自分を採用してくれた=つながりのある)障害当事者がいれば、困ったときにも相談しやすいです。

この辺の話は、過去に別記事で書いています。

 

近年はどこの企業も障害者採用に力を入れていますので、探せば求人案件も見つかると思います(未経験ならアシスタントからスタートだと思いますが)。

過去アットジーピーで転職支援を受けたときは、非公開求人から複数の案件を紹介してもらえました。時期にもよると思いますので、「ここを見れば必ずある」とは言えませんが。

 

2.障害理解促進研修の講師

2016年4月に障害者差別解消法が施行されてから、行政機関(市役所など)や企業は、その活動において「障害者を差別しないこと」「障害者に配慮すること」が義務付けられました。

2020年に東京パラリンピックが控えており、世界中からたくさんの障害者が日本に訪れますので、今後この気運はさらに高まっていくでしょう。

追記:ちょうどこの記事を書いたすぐのタイミングで、こんなニュースも出ました。

産経ニュース:障害者対応、11万人に実技研修 東京五輪・パラボランティア 都など方針

しかし、千差万別な障害者に適切に配慮することって、誰もが簡単にできる訳ではありません。

そこで注目されているのが、「障害当事者による障害理解研修」です。

障害理解研修の講師も、健常者が話すより、当然障害当事者の生の声を伝える方が間違いなく説得力がありますよね。

特例子会社で勤めていたころ、私も講師をやったことがありますし、様々な障害があるメンバーが行う研修のサポートもしてきました。

車いすを使う肢体不自由者、視覚障害者、手話を使う聴覚障害者、精神障害者、発達障害者などなど。

それぞれ話せる内容は違いますし、どんな障害の方でも、講師は務まります。そして、必ずしも講師が話し上手である必要もありません。

障害についての話は皆さん初耳のことが多いので、(多少話し下手であろうが)前のめりに興味をもって聞いてくれる方が非常に多いですからね。

NPO法人や特例子会社の他に、有名どころではミライロのような一般企業でも講師を募集しています。

 

3.商品・サービス開発のテスター・モニター

障害者向けの商品・サービスはもちろん、高齢化の進む現在、誰もが使いやすい「ユニバーサルデザイン」が求められるようになっています。

今の時代、どんな画期的な商品を開発しても、すぐに競合他社が同じようなものを出してくるイタチごっこです。「技術力」「商品力」だけでは、他社との差別化は難しい。顧客の取り合いです。

中身が同じなら、「いかにユーザーが気持ちよく使えるか」「どんなユーザーでも快適に使えるか」という視点が重要になってきます。

そこで求められているのが、障害者の当事者目線です。

典型的なのは、車いすユーザーが建物のバリアフリーをチェックしたり、視覚障害者が快適に自社のWEBサイトを利用(閲覧)できるか診断する「WEBアクセシビリティ診断」でしょうか。

「テスター・モニターだけが仕事」という求人は少ないかもしれませんが、事業の一つとして取り組んでいる企業に入社すれば、携わる機会はあると思います。

 

障害を仕事に活かして、もっと働くことを好きになろう

障害があるって、不便で、生き辛くて、しんどいですよね。

しかし私は、「どうせなら障害があることを強みにしてやろう」「もっと障害者が生きやすい世の中の実現に貢献しよう」と考えて、障害者採用担当者を仕事に選びました。

障害がある仲間を増やして(採用して)、その方たちが活躍しているところをみると(そして一緒に飲みに行ったりなんかすると)、本当にこの仕事をしていてよかったと思います。

今の仕事に「イマイチやりがいを感じない」という方は、一度「障害者だからこそ活躍できる仕事」を検討してみてはいかがでしょうか。

なお、障害者の求人はオープンポジション(選考を経て配属先を検討する求人)が多いので、「障害者採用担当者を募集しています」というようなピンポイントの求人は、ハローワークや転職サイトなどで探しても見つけることは難しいでしょう。

障害者専門の転職エージェントに相談すれば、「この企業はこういう職種で人を探していますよ」と、細かいところまで教えてもらった上で求人を紹介してもらえますので、おすすめです。

 

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