発達障害の診断を受けた後、聴覚障害と発達障害の両方を転職エージェントに伝えて、転職活動をしました。それまでの活動と比べると書類選考の通過率は下がり、最初は戸惑いました。
ただ、通過率が下がった原因を「発達障害を伝えたから」と決めることはできません。実際に伝えられた不採用理由には、転職回数への懸念もありました。
この記事では、2019年当時の応募結果、エージェントと推薦文を見直した経緯、最終的に3社から内定を得るまでを振り返ります。個人の体験であり、障害者雇用全体の書類通過率を示すものではありません。
以前の転職活動では、エージェント経由の書類選考をほとんど通過していた
私は聴覚障害があり、障害者向け転職エージェントを使って転職活動をしてきました。
今回の記事で振り返る活動より前の約5年間に、エージェントを利用した転職活動は3回あります。その間にエージェント経由で応募したのは約30社で、書類選考に通らなかったのは2~3社ほどでした。
これは、約5年間・3回の転職活動を合わせた実績です。一度の転職活動で30社に応募したわけではありません。
発達障害の診断後、最初の10社では4社が書類通過
その後、発達障害の診断を受けました。2019年に再び転職活動を始めた際は、エージェントに聴覚障害と発達障害の両方を伝え、その前提で求人を紹介してもらいました。
正社員を希望すること、職種を限定しないこと、年収の希望条件は、以前の転職活動から大きく変えていません。
今回、最初に応募した10社のうち、書類選考を通過したのは4社でした。以前の約30社での結果と比べると、私には大きな変化に感じられました。
エージェントから伝えられた不採用理由の多くは、転職回数に関するものでした。「長く働けるか懸念がある」「転職回数が社内基準を上回っている」といった内容です。
以前より転職回数が増えていることも事実です。一方で、発達障害についても新たに伝えて応募しています。応募先や選考時期も異なるため、何がどの程度通過率に影響したのかは分かりません。診断を理由に落とされた、と断定はできないと考えています。
転職回数だけでなく、これからの働き方を伝えたかった
転職回数への懸念を聞いて、私が伝えたいと思ったのは、過去の職歴を言い訳することではありません。「以前と同じことが起きるのでは」と考える応募先に対して、これまでの経験と、今後の働き方を説明することでした。
発達障害の診断を受ける前は、自分の特性を十分に理解しないまま働いていました。仕事を任され、力を発揮できた場面もあります。一方で、折衝や調整などの業務は、私にとって大きな負担になっていました。
診断を受けたから、すぐに長く働けるようになるわけではありません。それでも、負担が生じやすい場面を知り、必要な配慮や働き方を考えられるようになったことは、以前との違いです。
私は発達障害を伏せて応募するのではなく、聴覚障害とともに伝えたうえで、仕事の内容や職場で受けられる配慮を確かめたいと思いました。
エージェントに相談し、推薦文を見直した
そこで、転職エージェントに、企業へ提出する推薦文について相談しました。
当時の推薦文には、発達障害と分からないまま働いてきたこと、対人調整などの仕事が負担になっていたこと、診断をきっかけに自分の特性を理解し、必要な配慮を受けながら働きたいことを補足してもらいました。
推薦文は、職務経歴書や面接で伝える内容に代わるものではありません。ただ、転職回数だけを見て「また短期間で辞めるのでは」と判断される前に、その背景と、これからどう働こうとしているかを伝える助けにはなると考えました。
エージェントを利用していて書類選考での不採用が続く場合は、応募先に自分の経験や配慮事項がどう伝わっているか、担当者と確認するのも一つの方法です。なお、推薦文の有無や提出方法は、サービスや応募先によって異なります。
推薦文の修正後は2社とも書類通過。ただし、効果は判断できない
推薦文を見直した後、追加で応募したのは2社です。その2社は両方とも書類選考を通過し、うち1社から内定をもらいました。
ただし、応募はわずか2社で、修正前と同じ企業に応募し直したわけでもありません。推薦文を変えたから通過した、と効果を判断できる結果ではありません。
最初の10社では4社が書類を通過し、そのうち2社から内定をもらいました。修正後の2社を合わせると、今回の転職活動の結果は次のとおりです。
- エージェント経由で12社に応募
- 6社が書類選考を通過
- 3社から内定を得て、その中から1社を選んで入社
書類通過率は以前より下がりましたが、それだけで転職活動全体の結果が決まったわけではありませんでした。
書類通過率だけで、自分の可能性を決めない
書類選考で落ちると、障害や転職歴を否定されたように感じることがあります。私も、以前との通過率の違いには戸惑いました。
しかし、今回の経験から言えるのは、「発達障害を伝えると書類選考に通らない」ということではありません。また、不採用になった会社なら配慮を受けられなかった、と後から決めつけることもできません。
書類選考での不採用が続くときは、まず応募条件と職務経験が合っているかを確認する。そのうえで、転職理由の背景、現在行っている対策、必要な配慮、配慮があればできる仕事が伝わっているかを見直す。私にとっては、エージェントと推薦文を確認することが、その一歩でした。
内定を得ることと、入社後に無理なく働き続けられることも別です。通過率の数字だけにとらわれず、選考を通じて仕事内容や職場環境を確かめ、自分が納得できる判断につなげたいと思います。
書類選考を含め、選考段階ごとに見直したい点は、障害者雇用の不採用理由と改善策でも整理しています。
