発達障害 障害者の仕事の悩み 障害者の就職・転職

発達障害者が働きやすい職場はGoogleも認めた効率的なチーム。当事者ができることは?

目次

聴覚障害+発達障害者、元人事マンのむじなです。

ちょっと大げさなタイトルにしてしまいましたが、「Googleが解き明かした効率的なチーム」が「私(ASD兼ADHD)が働きやすいと感じる職場」に完全一致していたので、ご紹介したいと思います。

 

Google「プロジェクト・アリストテレス」が解き明かした「心理的安全性」

「プロジェクト・アリストテレス」とは、「効果的なチームを可能とする条件は何か」を解き明かすため、Googleが約4年間にわたって行った社内実験です(コチラから全文読めます)。

結論だけ言えば、最も大切なのは「心理的安全性」であると結論づけています。

心理的安全性とは、「言いたいことを何の気兼ねもなく言える雰囲気・風土」と言えるでしょう。

心理的安全性とは、対人関係においてリスクある行動を取ったときの結果に対する個人の認知の仕方、つまり、「無知、無能、ネガティブ、邪魔だと思われる可能性のある行動をしても、このチームなら大丈夫だ」と信じられるかどうかを意味します。心理的安全性の高いチームのメンバーは、他のメンバーに対してリスクを取ることに不安を感じていません。自分の過ちを認めたり、質問をしたり、新しいアイデアを披露したりしても、誰も自分を馬鹿にしたり罰したりしないと信じられる余地があります。

Google「「効果的なチームとは何か」を知る」より引用

 

発達障害者と心理的安全性

私のように「(上手く読めないのに)場の空気を読もうと人一倍敏感(恐れている)なASD」や、「怒られが発生する頻度の高いADHD」は職場での不安感が強い傾向にあります。

実際、私のこれまでの転職(退職)を振り返ると、多くの場合「心理的安全性が確保されていなかった(できなかった)」のが原因でした(不安感で疲れ果ててしまう)。

「ミスをすると人格否定レベルで非難される」みたいな職場も実際に経験していて、そんな会社については転職して正解だったなと思うのですが、それだけではなくて。

  1. 人格否定レベルで非難してくる職場(即退職レベル)
  2. ミスをしても少しピントが外れた意見を言っても否定されることはないけど、なんかピリピリした雰囲気を感じる職場(2年が我慢の限界)
  3. たとえ多少非難されても(!)、「言いたいことを何の気兼ねもなく言える職場」(安心して勤め続けられる)

私の体感では、3パターンの職場に分類できて、私(イチ障害者)が働き続けられるのは、3の職場でした。2の職場であったとしても、強い不安を感じてしまっている自分がいるのです。

これは個人的な見解ですが、文字通り「大丈夫だと“信じられる”」ことが重要だったと思います(後述します)。

 

職場で心理的安全性を確保するために当事者ができること

「心理的安全性が確保された職場づくり」みたいな方法論はありますが、実際問題として、イチ労働者である下っ端の障害者が、社内の風土を率先して変えていくことは難しいケースが多いわけで。なら当事者には何かできるのか。

過去を振り返って、私が一番「心理的安全性」を感じられた職場(上記3の職場)を思い起こしてみると、その職場自体の雰囲気が良いのは前提として、「大丈夫だと“信じられた”」のは、「その職場では自信をもって仕事ができていたから」です。

具体的に言うと、当時は障害者の職域開拓、職場環境改善についての調査業務をやっていた頃で、

  1. 障害者雇用企業ネットワークの参加メンバーだったので、ネットワークや情報を(部署の先輩や上司と比較しても)多く持っていた
  2. データ分析(PCスキル含む)・報告書作成(文書作成)等のレベルが高かった(同僚比)
  3. 1、2を認められてリーダーを任された

という感じで、要は「なめられないポジションを築けていたから」なのでしょう(ここで弁えた態度を取れなければすべて台無し(総スカンをくらう)なのは言うまでもありません)。

障害者枠での採用だと、多くはアシスタント的な業務からスタートですし、もちろん全てにおいて同僚よりも優れている必要はありません(無理です)。

「携わる業務のうち『重要なスキルのうちの一つ』が高い(同僚比)」ことが(主観的な)心理的安全(その職場において自分には価値があると信じられる)につながるのではないかと思っています。

そのためには、

  1. 自分の凸(特性)を活かせる仕事を選ぶ
  2. 凸を更に伸ばせるようなスキルの向上・資格の取得に取り組む(本気で)
  3. 1、2を踏まえた上で、自分のレベルに見合った企業を選ぶ

ことです。

このブログではよく「規模が大きな会社の方が(仕事の量も種類も多いため)障害者が活躍できる可能性が高いですよ」と言ってますが、それは前提として、その中でもピンキリな訳で、身の丈に合った会社を選ぶというのは本当に大事です。

入社できたは良いけど、周りみんな異次元のビジネスマンだったみたいな職場だと、精神衛生上よろしくありません。

自分で見極められる方は良いですが、分からない方は転職エージェントに相談してみましょう。

 

世間で言うところの大企業に入社できればそれで安泰かというとそうでないことは身に染みて分かったので(勤め続けられるかどうかは別問題)、身の丈に合った職場で、自信をもって仕事に取り組めるようにしたいですね。

おすすめ記事

握手 1

目次 障害当事者であり、採用担当でもあるむじなです。 私はこのブログで「障害者が就職・転職するなら転職エージェントを使ったほうがいいよ」と繰り返しお伝えしています。その理由は、障害者として転職活動に“ ...

ランスタッド日本橋オフィス 2

目次 障害当事者であり、採用担当でもあるむじなです。 「転職を数多く経験してきた障害当事者として」「障害者採用の担当者として」の経験を踏まえると、障害者が就職・転職活動を成功させられる可能性は、転職エ ...

dodaチャレンジから紹介された15件の求人票 3

目次 障害当事者であり、採用担当でもあるむじなです。 「転職を数多く経験してきた障害当事者として」「障害者採用の担当者として」の経験を踏まえると、障害者が就職・転職活動を成功させられる可能性は、転職エ ...

質問を想定できると、面接が変わる 4

目次   障害当事者であり、採用担当でもあるむじなです。 前回の投稿で「面接?得意ですよ」みたいなことを言いましたが、結果的に勝率が高いのでそう言っただけで、面接自体は嫌いです。緊張する性質 ...

-発達障害, 障害者の仕事の悩み, 障害者の就職・転職

© 2023 むじなの障害者転職記