障害者の就職・転職

障害者の就・転活テク:希望年収次第で正社員採用の可能性が広がる?

2018年11月19日

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障害当事者であり、採用担当でもあるむじなです。

就職・転職活動につきものなのが「希望年収」ですが、これ結構適当に設定してしまっている方も多いのではないでしょうか?

「あんまり高くすると印象悪そうだから、最低限必要なだけ」「とりあえず前職と同じで」…と決めてしまうと、もったいないですよ。

なぜなら、希望年収の設定次第で、正社員採用の可能性が広がることもあるんです。

 

人事はルールを曲げない、例外を作りたがらない

契約社員の年収は、正社員と比べて低く設定されていることがほとんどです。また、昇給していって到達できる上限も、同様に低いです。

つまり契約社員を雇うなら、契約社員の上限年収以下でなければいけないということになります。

人事は、企業のルールを作る部署でありルールの番人なので、不平等なことはできません。

これまでコツコツ昇給していって、長らく上限の400万円(例)で働いている契約社員がいるのに、

「この候補者は素晴らしい!あなただけは特別に500万円で雇います」……なんてこと、できませんよね?今まで働いていた契約社員のモチベーションは急降下です。

 

高い年収を払ってでも採用したい人材がいれば、正社員として雇うしかない

新たに「プロフェッショナル契約社員(仮)」という制度を設けていくことも選択肢に入れるべきでしょうが、そう簡単に制度は変えられません。

制度も変えられない、ルールの枠内で採用しなければいけない、となると答えは一つです。

正社員として採用する、これしかありません。

「基本的に障害者は契約社員として採用する」というスタンスの企業も、法定雇用率の上昇と現在の社会情勢から、正社員での雇用を始めています。

  1. 契約社員での募集に、希望年収500万円の障害者が応募してきた(契約社員の上限は400万円)
  2. 応募書類を見ると、スキルも経歴もしっかりしていて、即戦力として働いてもらえそうだ
  3. 契約社員として雇うなら年収500万円は払えない、しかしうちとマッチするような人材なら、ぜひ採用したい
  4. この候補者については、正社員での採用を前提に選考を進めよう!

となる訳です。

※「これまで契約社員としてしか雇っていなかったのに、これからは正社員として雇うというのは不平等じゃないのか!」というと……今いる障害のある社員にとっては納得しきれない部分はあるかもしれません。

しかし、障害者差別禁止が義務付けられている昨今、「障害者は契約社員としてしか雇用しない」と“ルール化”している企業なんて存在しないでしょう。なので、ルール違反ではないんです。

年齢やスキル、経験年数などを勘案して正社員で、というのは不自然ではないですよね。年収上限の話とはまたレベルが違います。

 

スキルや経歴に自信があるなら、自分を安売りしないこと

ここまでご覧いただいて分かる通り、「希望年収を高めに設定して正社員採用の可能性を広げよう」という話は、一定以上のスキルを持っている、経験を積んで来ている方向けです。

「未経験だけど年収500万円希望!」と言っても、残念ながら書類選考で切られることになるでしょう。

また、例え高いスキルを持っている人材であっても、企業によっては「希望年収●●万円以上は選考対象外」と機械的に落とされてしまう可能性もあります。

……だからと言って、障害者だからというだけで、変にネガティブになって希望年収を少なめに申告するのは、止めた方がいいと思います。

今、企業は障害者を採用したいんです。スキルを持っているあなたが、自分を安売りする必要は全くありません。

なお、障害者専門の転職エージェントを利用して就職・転職活動をされている方は、担当エージェントと希望年収の設定について相談しておきましょう。

優秀なエージェントに担当してもらえば、応募企業とスムーズに年収の交渉を進めてくれますし、雇用形態についても交渉してくれますよ。

実際、私が現職に応募する際の求人は契約社員での募集でしたが、担当エージェントの交渉で、正社員雇用で選考、採用してもらうことができました。

なお、未経験の職に挑戦する方、これまでの自分の職歴に不安がある方は、むしろ契約社員からスタートするのも大いにアリだと思っています。

契約社員には、メリットもたくさんあるんですよ。

 

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