人事部門で採用担当を務める聴覚障害者が、豊富な転職経験から学んだ情報を発信していきます。

むじなの障害者転職記

障害者の仕事の悩み

大人の発達障害?初診の予約から受診、検査、診断までの経緯の実例

投稿日:2019年1月9日 更新日:

障害当事者であり、採用担当でもあるむじなです。

2018年1月、発達障害と診断され、元々の身体障害(聴覚障害)に加え、発達障害の当事者となりました。

このブログの読者の皆さまは既に障害者手帳を取得済みの方が多いかとは思いますが、

私と同じように「自分は発達障害なのでは?」と感じている方、生き辛さを感じている方向けに、発達障害の受診から診断までの経緯を書き残しておきたいと思います。

 

1.病院選び(2018年11月中旬)

下記の記事で書いたような生き辛さを感じていた筆者は、発達障害の診断ができる病院を探すことから始めました。

 

ちなみに私は首都圏在住のため受診する病院の候補がたくさん見つけられましたが、地方在住の方などは、発達障害の診断できる病院を見つけることからしてハードルが高いかもしれません。

また、NHKの発達障害特集の効果もあってか?首都圏の発達障害の診断ができる病院は、どこも数か月予約待ちというところばかり。

幸い、近場で12月に診察が受けられる病院(精神科)を見つけることができ、すぐに予約しました。

直近で受診することができたのは、予約キャンセルが出たためです。

病院の方に伺ったところ、直前のキャンセルは結構あるらしいので、時間に融通が利くのであれば、キャンセル待ち狙いで、受診できる日がないか定期的に確認してみるのも手だと思います。

「明日なら空きが出ましたよ」ということがあります。

また、病院によっては「母子手帳や小学校時代の通信簿など、成育歴が分かるものが必要」というところもあるので、家族には秘密でこっそり受診したい場合は、病院のホームページなどであらかじめ確認しておいた方が良いと思います。

掲載されていない場合は、直接連絡して確認しましょう。面倒ですが、結果的にはその方が手間が少なく済むはずです。

 

2.初診、臨床心理士と精神科医による面談・聴き取り(2018年12月中頃)

発達障害の診断は、いきなり検査を行うのではなく、まずは診察から始まります。検査のみの場合、保険適用外になることがあるようなので注意してください。

私の場合、初診で訪問した際、まずは臨床心理士との面談から始まりました。計30分ほどかけて、下記のようなことを話しました。

  • 受診したきっかけ
  • 悩んでいること
  • 現在の生活の様子、趣味嗜好
  • こども時代の様子
  • 他者から見た自分の印象、発達障害を疑われたことはあるか…など

その後、面談の結果を受け、精神科医の診察。と言っても、臨床心理士の方との面談とさして聞かれる内容は変わりませんでした。先の面談の確認という感じです。

結果、自閉症スペクトラム(ASD)およびADHDの疑いありということで、本格的に心理検査を受けることになりました。

ここでも、幸い予約キャンセルが出たため12月中に検査が受けられることになりました。平日でしたが、なんとか仕事の都合をつけて12月中に検査を受けきることに。

なお、診察では、私が精神的に参ってしまっているのを見た医師から、ADHDの治療薬である「ストラテラ」「コンサータ」という薬の服用という“選択肢もある”という話をしてもらいました。

薬について中立的なところからの提案をしてもらい、良心的な医者にかかって良かったと思いました。とにかく薬を進めてくる医師や、逆に「俺は絶対に薬は出さない!」というような医師もいるようなので。

(結局薬は(今のところ)服用していません)

 

発達障害の診断のためにはどんな検査を受ける?

自閉症スペクトラム(ASD)とADHDの検査のために、計4種類の検査を受けました。2日間に分けて実施。

検査自体は、精神科医ではなく臨床心理士が担当します。

1.WAIS-Ⅲ

14個の基本検査があり、それらの結果を量的・質的に評価することで、全般的な知能発達水準や知的能力のバランス(個人内差)などの情報を得ることが出来ます。ウエクスラー成人知能検査第3版。

2.CAARS

ADHDの症状を評価するためのアンケート式の検査。自分で自分を評価する「自己記入式」と、家族・友人・同僚などに評価してもらう「観察者評価式」の2種類がある。

私が受けたのは「自己記入式」のみ。

3.AQ日本語版

自閉症スペクトラム障害のスクリーニングに使用する、こちらもアンケート式の検査。

4.ロールシャッハテスト

ロールシャッハテスト例

どこかで一度は目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。インクのしみを見て、何に見えるのかを答える検査です。

 

3.発達障害の診断のための検査その1.WAIS-ⅢとCAARS(2018年12月中頃)

検査は2日間に分けて実施することになりました。

初回はWAIS-ⅢとCAARSという検査を受けることに。検査には合計2時間ほどの時間がかかりました。CAARSのアンケートは10分ほどだったので、ほとんどWAIS-Ⅲに時間を費やしました。

検査の具体的な内容は、事前に知らない方が良いかと思いますので詳細には書きません。

WAIS-Ⅲについては、積み木を見本通りに並べ替えたり、言葉の意味を答える、イラストカードをストーリー順に並べる、一般常識のクイズのようなもの…など。

発達障害の診断でなければ、結構楽しんで取り組めるようなテストです。

私の検査結果については、後日ブログで公開したいと思います。

 

4.発達障害の診断のための検査その2.ロールシャッハテストとAQ(2018年12月下旬)

検査の2日目。ロールシャッハテストとAQという検査を受けました。初日同様、こちらも所要時間は2時間ほど。ほとんどがロールシャッハテストに要した時間です。

インクのしみを見て、何に見えるのかを答えるロールシャッハテスト。正直、検査を受けるまでは(というか結果を見るまでは)「こんなもので何が分かるんだ?」と馬鹿にしてました(もちろん真剣に答えましたが)。

が、このロールシャッハテストの結果は、私自身も上手く言語化できない自分の内面を、ものすごく正確に言い当てていて、とても驚きました。結果を見てちょっと泣けました。

私の(内面の)自己紹介文にしたいくらいです。

検査では、インクのしみが何に見えるか、何故どのような部分がそう見えるか、自分が好きな絵・嫌いな絵・自分を表現している絵などを答えます。答えるまでの所要時間も計測されていました。

WAIS-Ⅲ同様、私の検査結果については、後日ブログで公開したいと思います。

↓公開しました(1月14日追記)

 

5.発達障害の診断、検査結果を聞きに行く(2019年1月上旬)

全ての検査を受けたのち、結果が出るまでは2週間程かかりました。

検査結果については、精神科医から結果票をもとに丁寧に解説してもらえました。所要時間30分ほどでしょうか。

結果として、

  • 発達障害と診断
  • 診断書も書けますし、精神障害者手帳も取得できますが、本人の意思次第です。今後必要に応じて相談しましょう。
  • 診断書については、目的に応じてどのように表現するのが良いか、一緒に考えましょう

というお話を受けました。再度、良心的な医師に出会えてよかったと再確認。

 

初診から診断までにかかった費用と期間は?

4回の診察と4種類の検査、検査結果表の作成で、合わせてかかった費用は1万2千円程、受診を思い立って診断までにかかった期間は2か月弱でした。

私が伺った話の限りでは、費用も時間もかなり控え目で済んだ方だと思います。というか、これくらい(1万2千円+2か月弱)が「最低限必要な費用と時間」と言っても良いと思います。

なお、支払った費用は保険適用の代金です。

私は診察の上「発達障害の疑いあり」と判断されたため保険適用で検査を受けられましたが、場合によっては全額自己負担での受検になるケースもあるようです。

 

障害者手帳の取得には、さらに6か月以上の時間を要する

精神障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳)の申請には、初診から6か月以上経過後に診断書を書いてもらう必要があります。

私はすでに身体障害者手帳を所持していますので、申請するかは決めていませんが、「発達障害の診断をしてもらって、障害者枠で就職・転職したい」と考えている方は要注意です。

必要なのは、受診から診断までの期間だけではありません。

…そもそも、申請してからも、さらに時間がかかります。私が身体障害者手帳を取得したときは、申請から手元に届くまで、2か月以上かかりました。これも一事例にすぎませんが、参考まで。

 

まとめ.発達障害の受診は計画的に

「自分は発達障害なのでは?」という自覚から初診、診断までの流れをお伝えしました。

イチ事例ではありますが、こういう情報はネットで検索してもほとんど出てこなかったので、参考にはなるかと。

なお、先にも触れたとおり、私は「時間も費用もかなり少なく済んだ」事例だと思います。

特に初診と検査の予約にかなり時間を要するケースが多いようなので、不安で苦しい思いを抱えている方は、勇気をもって早めに動き出しましょう。

 

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