発達障害

大人の発達障害、受診から診断までの体験|初診・検査・費用と期間

聴覚障害と発達障害の当事者、むじなです。私は2018年11月に発達障害について相談できる医療機関を探し始め、2019年1月に診断を受けました。

「自分も発達障害かもしれない」と思っても、初診で何を聞かれるのか、どんな検査を受けるのか、診断までどれくらいかかるのかは、受診前には分かりにくいものです。この記事では、私自身の困りごとと、予約から初診、検査、結果説明までの経緯を振り返ります。

これは2018~2019年の一個人の体験です。診察や検査の内容、費用、診断までの期間は、本人の状況や医療機関によって異なります。

受診を考えたきっかけ――仕事と生活で感じていた困りごと

私は以前から、周囲の人と同じように過ごそうとしても、強い負担を感じることがありました。

たとえば、知らない人との雑談は苦手なのに、採用面接のようにテーマが決まった場では比較的話せます。そのため、面接では対人コミュニケーションを評価されても、入社後に日々の調整や会話が多い仕事を任されると、負担が大きくなることがありました。

仕事の成果物を提出するときには、批判されることが怖くて準備に時間をかけすぎることもありました。また、注意が別のことに向くと、直前に確認した用事を忘れたり、持ち物を探し回ったりすることもありました。

「自分の努力が足りないのだろうか」と考えながら、困っていることを周囲にうまく伝えられずにいました。ただし、私には聴覚障害もあります。これらの困りごとのすべてを発達障害だけで説明できるわけではありません。自分の状態を整理したいと思ったことが、受診のきっかけでした。

2018年11月:医療機関を探して初診を予約

大人の発達障害について相談できる医療機関を探し、近くの精神科を予約しました。当時は初診まで長く待つ医療機関もありましたが、私の場合はキャンセルで空きが出て、翌月に受診できました。短期間で予約できたのは幸運だったと思います。

予約時には、子どもの頃の様子が分かる母子手帳や通知表などについて、持参を求められる場合があります。資料を用意できない場合や家族に相談しにくい場合も含め、必要なものは予約先に確認すると安心です。

受診先が見つからない場合は、市区町村の相談窓口や発達障害者支援センターに問い合わせる方法もあります。(発達障害情報のポータルサイト)

2018年12月:初診で困りごとや子どもの頃の様子を話す

私の初診では、まず臨床心理士との面談が約30分ありました。受診のきっかけ、現在困っていること、生活や仕事の様子、子どもの頃のことなどを話しました。その後、精神科医の診察を受けました。

この時点では、自閉スペクトラム症(ASD)と注意欠如・多動症(ADHD)の可能性があるという説明を受け、さらに心理検査を受けることになりました。

私の場合は心理士との面談が先でしたが、進め方は医療機関によって異なります。発達障害の評価では、検査の点数だけでなく、生育歴や現在の生活状況、診察で得られた情報なども踏まえて判断します。(発達障害情報のポータルサイト)

2018年12月:心理検査を2日に分けて受ける

私は次の4種類の検査を、2日に分けて受けました。

  • WAIS-Ⅲ
  • CAARS
  • AQ日本語版
  • ロールシャッハテスト

1日目はWAIS-ⅢとCAARS、2日目はロールシャッハテストとAQ日本語版でした。それぞれ約2時間かかり、私の場合はWAIS-Ⅲとロールシャッハテストに多くの時間を使いました。

ロールシャッハテストの結果説明では、自分で言葉にしにくかった内面について考えるきっかけを得て、強く印象に残りました。一方で、私が受けた4種類の検査が、発達障害の診断を受ける人すべてに必要という意味ではありません。WAIS-Ⅲも当時私が受けた検査の名称です。検査の種類や回数は、医療機関や診察で確認したい内容によって変わります。

検査結果そのものについては、別記事のWAIS-Ⅲの結果とロールシャッハテストの結果で紹介しています。

2019年1月:結果説明を受け、発達障害と診断

すべての検査を終えてから約2週間後、医師から結果票を見ながら説明を受け、発達障害と診断されました。診断書が必要になった場合の相談や、今後の支援についても話しました。

診断を受けたからといって、その日から仕事や生活の難しさがなくなったわけではありません。それでも、「自分の努力不足だけが原因ではなかったのかもしれない」と考えられるようになり、私は少し気持ちが楽になりました。困りごとを整理して、必要な支援や働き方を考える出発点になったと感じています。

2019年1月下旬:仕事に関する書類を医師に依頼

診断後、私は仕事に関する説明にも使える書類が欲しいと考え、ハローワークの「主治医意見書」の様式について医師に相談しました。病院にも同様の様式があり、私の場合はその日に作成してもらえました。

この主治医意見書は、精神障害者保健福祉手帳の申請用診断書とは別の書類です。 必要な書類は使用目的によって異なるため、依頼前に提出先と医療機関の双方に確認するのが確実です。作成にかかる日数も、私の例のように即日とは限りません。

私の場合、期間と費用はどれくらいだったか

病院を探し始めた2018年11月から、診断を受けた2019年1月までが約2か月でした。その後、1月下旬に主治医意見書を受け取りました。

当時の記録では、5回の受診、4種類の検査、結果票や主治医意見書の作成を含めて、支払った金額は合計約1万7千円でした。これは私が2018~2019年に支払った額であり、現在の費用の目安や、診断に最低限必要な金額を示すものではありません。検査の要否、保険診療の対象、書類の料金などは、受診先に確認してください。

診断と精神障害者保健福祉手帳の申請は別

発達障害の診断を受けても、それだけで精神障害者保健福祉手帳が交付されるわけではありません。手帳の申請に医師の診断書を使う場合、その診断書は、原則として対象となる精神障害の初診日から6か月以上経過した時点のものが必要です。また、交付は申請後の審査によって決まります。(厚生労働省「精神障害者保健福祉手帳の診断書の記入に当たって留意すべき事項」)

私にはすでに聴覚障害による身体障害者手帳があったため、発達障害について手帳を申請するかは、その時点では決めていませんでした。就職・転職などを見据えて手帳を考えている方は、診断までの期間と手帳申請の時期を分けて確認しておくとよいと思います。

まとめ:診断名だけでなく、自分の困りごとを整理するために

私の場合、受診を考え始めてから診断まで約2か月でした。予約のキャンセルが出たこともあり、比較的早く進んだ事例です。

受診前は「自分の努力が足りないだけでは」と思っていました。診断によってすべてが解決したわけではありませんが、仕事や生活のどの場面で負担が大きいのかを見つめ直すきっかけになりました。

発達障害かどうかを自分で決めつける必要はありません。困りごとが続いているなら、まずはその内容をメモにして、医療機関や相談窓口に伝えるところから始めてもよいと思います。

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