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聴覚障害と発達障害のある、むじなです。
「通勤するだけで疲れてしまう」「周囲の声や突然の会話が負担になる」という方にとって、在宅勤務は気になる働き方ではないでしょうか。
私はこの記事を最初に書いた2018年当時、会社の在宅勤務制度を利用していました。2026年現在も出社と在宅勤務を併用し、在宅で働く日は週1日程度です。
また、本業とは別に、2019年から現在までサニーバンクで在宅の仕事を時々受けています。
実際に利用して感じるのは、在宅勤務は資料作成などに集中するには向いている一方、ちょっとした相談や資料の確認には手間がかかる、ということです。
この記事では、私自身の経験をもとに、障害者が在宅で働くメリット・デメリットと、自分に合った仕事の探し方を紹介します。
最初に整理したい「在宅勤務」と「在宅の副業」の違い
在宅ワークを探すときは、まず「会社に雇用されて働きたいのか」「仕事を個別に受けて副収入を得たいのか」を分けて考えると、探す方向が定まります。
この記事では、企業に雇われて自宅で働くことを「雇用型の在宅勤務」、仕事を業務委託で受けることを「在宅の副業・業務委託」として説明します。
| 比較する点 | 雇用型の在宅勤務 | 在宅の副業・業務委託 |
|---|---|---|
| 働き方 | 企業と雇用契約を結んで働く | 案件ごと、または継続契約で仕事を受ける |
| 収入 | 雇用条件に応じた給与 | 契約内容や受注量に応じた報酬 |
| 時間の使い方 | 会社の勤務時間・制度に従う | 案件によって調整できるが、納期や対応時間の指定もある |
| 探す方法 | 求人サイト、転職エージェントなど | サニーバンク、クラウドワークスなど |
私が週1日程度利用している在宅勤務は前者で、サニーバンクで受けている副業は後者です。
毎月の生活を支える収入が必要なら、まずは雇用型の仕事を検討する。空き時間に副収入を得たいなら、無理なく受けられる案件を探す。 この違いは押さえておきたいところです。
仕事の探し方を先に知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
障害者が在宅ワークをして感じたメリット
通勤がなくなり、時間と体力を温存できる
私にとって、在宅勤務の大きなメリットは通勤が不要になることです。
仕事を始める前に移動で消耗することがなく、仕事が終われば、そのまま自分の時間に切り替えられます。通勤に使っていた時間を睡眠や休息、家族との時間などに回せるのは、やはりありがたいです。
同じ時間働いていても、その前後に通勤があるかどうかで、一日に必要な体力は変わります。
出勤そのものが負担になっている方にとっては、毎日を完全在宅にできなくても、出社しない日を設けられることに意味があると思います。
対面の会話に気を張る負担が減る
聴覚障害のある私にとって、会話は集中力を必要とする作業です。
会話ができることと、負担なく会話できることは違います。相手の話を聞き取り、内容を理解し、返事を考える。それだけでも疲れますし、突然話しかけられると、すぐには対応できないこともあります。
在宅勤務では、その場で話しかけられる機会が減ります。その分、周囲に気を張り続ける負担が軽くなると感じます。
ただし、在宅ならコミュニケーションの問題がすべて解消するわけではありません。音声での会議が中心なのか、文字でやり取りできるのかによっても、働きやすさは変わります。
私にとっては、働く場所だけでなく、連絡や相談の方法も大事な条件です。
資料作成など、一人で考える仕事に集中しやすい
2026年現在も、在宅勤務は集中して資料作成などに取り組むのに向いていると感じています。
文章を考えたり、情報を整理したりする仕事では、途中で作業を中断すると、再開するときに「どこまで考えていたか」を思い出す時間が必要になります。
在宅では、まとまった時間を使って作業を進めやすい点がメリットです。
もちろん、自宅なら誰でも集中できるわけではありません。住環境や仕事内容によって違いますが、私の場合は、周囲とのやり取りが少ない作業と相性がよいと感じています。
実際に困った在宅勤務のデメリット
ちょっとした確認にも、一手間かかる
在宅勤務で課題を感じるのは、コミュニケーションです。
出社していれば、近くにいる人へ少し話しかけるだけで済むことがあります。しかし、在宅では電話やメッセージなど、別の連絡手段が必要になります。
メッセージなら、何をどう伝えるか文案を考えて送る必要があります。短い確認のつもりでも、前提や背景を文章で説明していると、それなりに手間がかかります。
対面で話しかけられる負担が減る一方で、自分から確認したいときには、その距離が不便になる。実際に働いていると、両方の面を感じます。
在宅勤務を希望するなら、「困ったときに誰へ、どう相談するか」まで確認しておくと、働き始めてからの困りごとを減らしやすいと思います。
紙の資料しかないと、自分だけでは確認できない
確認したい資料が、職場にある紙の資料だけということもあります。
出社していれば自分で見に行けますが、在宅ではそうはいきません。出社しているメンバーへスキャンをお願いするなど、他の人の手を借りる必要があります。
自分にとっても煩わしいですし、相手にも作業をお願いすることになります。
この経験から、在宅勤務のしやすさは、本人のパソコンスキルだけでは決まらないと感じています。必要な資料が電子化されているか、自宅から確認できるかといった、職場側の環境も重要です。
仕事と私生活の切り替えが難しい
自宅で働くと、仕事を始めるタイミングと終えるタイミングを、自分でも意識する必要があります。
私も以前、「あと少しだけ」と仕事を続けた結果、思っていた以上に時間が過ぎてしまったことがありました。
逆に、自宅では気が散ってしまい、仕事に取りかかりにくいこともあります。
通勤がなくなるのは助かりますが、その分、仕事と私生活の区切りは曖昧になります。勤務時間や休憩のルールに沿って、作業を区切る工夫が必要だと思います。
在宅勤務が向いているかは、障害名だけでは決まらない
「発達障害だから在宅勤務が向いている」「コミュニケーションが苦手なら在宅なら大丈夫」と、一律には言えないと思います。
私自身、資料作成に集中できるというメリットと、人に確認するまでに一手間かかるというデメリットの両方を感じています。
在宅勤務を考えるときは、次のような点を見ておくとよいでしょう。
- 通勤や職場の環境による負担が、在宅にすることで軽くなるか
- 自宅に落ち着いて仕事ができる場所があるか
- 仕事内容が、自宅でも進められるものか
- 自分が使いやすい方法で、連絡や相談ができるか
- 分からないことを一人で抱え込まず、助けを求められるか
自分だけで何でも解決できることよりも、仕事を進めるための環境や相談先があることが大切です。
また、働き方は完全在宅か毎日出社かの二択ではありません。私は現在、週1日程度の在宅勤務と出社を併用しています。
出社が可能な方であれば、集中する仕事と、人と相談しながら進める仕事に合わせて、併用できる働き方も選択肢になります。
在宅ワークに必要だと感じるスキルと準備
相手に伝わる文章で、連絡や相談ができること
在宅で働くと、メールやチャットなど、文章でやり取りする機会があります。
立派な文章を書く必要はありませんが、「今どういう状況で、何を確認したいのか」が相手に伝わることは大切です。
例えば、単に「資料が分かりません」と送るよりも、次のように具体的にした方が、相手も対応しやすくなります。
資料の3ページ目にある数字について確認したいです。AとBのどちらを使う想定でしょうか。今日の15時までに分かると、作業を進められます。
これは連絡文の一例ですが、確認したい箇所、質問、必要な時期を整理するだけでも、やり取りがしやすくなります。
在宅勤務を希望する場合は、仕事で使う連絡手段が自分に合っているかも確認しておきたいところです。
仕事内容に合ったパソコン操作ができること
必要なスキルは、仕事によって違います。
資料作成なら文書やスライドを作る操作、データ集計なら表計算、ライティングなら文章の入力や修正など、実際に担当する仕事に必要な操作を確認しましょう。
「在宅ワークをするなら、全員がWord・Excel・PowerPointを中級以上使えなければならない」とまでは考えていません。
まずは、応募したい求人や案件で何が求められるかを確認し、足りない操作を覚えていく方が具体的です。
そのほか、ファイルの共有、オンライン会議への参加、仕事用ツールの基本操作なども、利用する環境に応じて必要になります。
必要な資料と、困ったときの相談先を確認すること
私が紙資料の確認で困ったように、パソコンがあれば何でもできるわけではありません。
在宅で作業を始める前に、必要な資料へアクセスできるか、分からないときに誰へ確認するかを整理しておくと安心です。
例えば、次のような準備が考えられます。
- 必要な資料が共有されているか、事前に確認する
- 在宅の日に取り組む仕事と、出社が必要な仕事を整理する
- 質問の送り先や、急ぎの連絡方法を確認する
- パソコンや通信に問題が起きた場合の連絡先を把握する
資料の電子化や共有は、会社のルールに従って行います。個人の工夫と職場の仕組みがそろって、在宅で仕事を進めやすくなると思います。
安定した収入を得たい人の、在宅勤務求人の探し方
「在宅勤務制度あり」の中身を確認する
企業に雇用されて在宅勤務をしたい場合、求人票に「在宅勤務可」と書かれているだけでは、判断しきれないことがあります。
自分が必要とする働き方に合うか、次の点を確認しておきましょう。
- 完全在宅か、出社との併用か
- 週に何日程度、在宅勤務を利用できるか
- 入社直後から利用できるか、研修期間などは出社が必要か
- 居住地や、出社可能な範囲に条件があるか
- 電話対応やオンライン会議が、どの程度あるか
- 文字での業務指示や相談に対応してもらえるか
私なら、「在宅で働けるか」に加えて、「その環境で必要な情報を得て、仕事を進められるか」も確認します。
通勤が難しく完全在宅が必要な場合と、週に何日か在宅にできれば負担が軽くなる場合では、探す条件も変わります。自分にとって必要な条件を先に整理しておくと、相談しやすくなります。
在職中で、現在の仕事を続けながら在宅勤務を取り入れたい方は、勤務先の制度や利用条件を確認することも出発点になります。
転職エージェントには、在宅を希望する理由まで伝える
私が過去に転職エージェントを利用した際は、希望条件として在宅勤務制度がある仕事をお願いしたところ、制度を利用するための条件も含めて説明してもらえました。
単に「在宅がいい」と伝えるだけでなく、なぜ必要なのか、どの程度の頻度が必要なのかまで整理すると、希望を共有しやすくなります。
例えば、次のような伝え方です。
通勤による負担を軽くするため、週に数日の在宅勤務を希望しています。資料作成など、一人で進める仕事は在宅でも対応できます。連絡はチャットやメールで行える環境を希望しています。
必要な条件は人それぞれです。完全在宅が不可欠なら、その点は最初から伝えた方がよいと思います。
ただし、エージェントへ登録すれば必ず希望どおりの求人を紹介してもらえる、というわけではありません。保有求人や紹介条件によっては、希望に合う仕事が見つからない場合もあります。
私が利用した障害者向け転職エージェントの体験と、現在の選び方は、以下の記事にまとめています。ランスタッド、atGP、dodaチャレンジの特徴や注意点を比較できます。
障害者向け転職エージェントの比較を見る|8社利用した体験から紹介
公的な在宅就業の情報も参考にする
求人を探す前に、在宅でどのような仕事ができるのか、支援を受けられる団体があるのかを知りたい方もいると思います。
高齢・障害・求職者雇用支援機構の「チャレンジホームオフィス」では、在宅就業の知識、支援団体・機関、企業の事例などが紹介されています。同サイトでは、雇用と非雇用の両方を含めて「在宅就業」としています。チャレンジホームオフィス公式サイト
事例や支援先を知るための参考情報として利用し、現在の募集や支援対象については各団体へ確認してください。
在宅で副業をしたい人の、仕事の探し方
サニーバンクは、2019年から現在まで時々利用している
私が現在も副業の一つとして利用しているのが、障害者向けクラウドソーシングサービスのサニーバンクです。
ここでは、私が利用している業務委託の仕事について紹介します。
2019年には、在宅でのデータ入力やライティングを受けていました。データ入力は自分のペースで進められましたが、当時、タイピングが比較的速い私でも、時給に換算すると一般的なアルバイトには届かない程度でした。
ライティングも最初は時間がかかりましたが、その後は10本以上を納品し、単価アップも経験しました。
2026年現在、主に受けているのはウェブサイトのアクセシビリティ診断です。対象サイトで指定された操作を行い、不具合や使いづらい点を確認して、結果をレポートにまとめます。
私が仕事を受ける頻度は2〜3か月に1回程度で、作業は数時間で終わる案件が多いです。現在受けている診断の仕事は、私の感覚では、時給換算すると一般的なアルバイトより効率がよいと感じています。
ただ、案件自体は多くありません。私の利用状況では、サニーバンクだけで毎月の生活費を賄うのは難しいです。
「自分に合う案件があれば、空き時間に受ける」という使い方なら、続けやすいサービスだと思います。
仕事内容、事務局とのやり取り、2026年の実際の案件の流れは、別の記事にまとめています。
サニーバンクで仕事をした実体験を読む|2019年から2026年現在までの利用状況
クラウドワークスで、条件に合う案件を探す
障害者向けサービス以外も含めて仕事を探したい場合は、クラウドワークスも選択肢になります。私も過去に利用したことがあります。
クラウドワークスでは、データ入力や記事作成、ウェブ制作などの仕事を、カテゴリやキーワードから探せます。仕事内容や条件を確認し、応募・相談を経て契約する流れが基本です。クラウドワークス公式利用ガイド
応募前には、報酬額だけでなく、次の点も見ておきたいところです。
- 何を、どの状態まで仕上げる仕事なのか
- 納期までに、無理なく完成させられそうか
- 作業に加えて、打ち合わせや修正にどの程度時間がかかりそうか
- 指定時間の対応や、音声での連絡が必要か
- 自分のスキルや作業環境で対応できるか
また、クラウドワークスではシステム利用料などがかかるため、契約金額がそのまま手元に残るわけではありません。受け取れる金額も確認して判断しましょう。公式のシステム利用料案内
最初から多くの案件を抱えるより、仕事量や納期を把握できる範囲で始める方が、自分に合う働き方か確認しやすいと思います。
在宅の副業を探したい方は、まず自分が対応できそうな仕事と、その条件を確認してみてください。
自分のペースで受けられる仕事でも、納期はある
在宅の業務委託では、応募する案件や受ける仕事量を自分で選べる場合があります。
一方で、引き受けた後は、約束した内容を納期までに仕上げる必要があります。仕事によっては、連絡に対応する時間帯も決まっています。
私がサニーバンクを利用するうえでも、納期を守り、求められている内容をきちんと仕上げることを意識してきました。
継続して利用する中で、事務局から直接仕事の案内をもらうこともあります。ただし、一度仕事をすれば必ず次の依頼が来る、というものではありません。
体調や本業の予定も踏まえ、少し余裕を持って対応できる仕事量を選ぶことが、続けるうえで大切だと思います。
在宅ワークは、仕事内容と必要な収入に合わせて選ぶ
在宅勤務を利用してきて、通勤の負担がなくなることや、資料作成などに集中できることには、今も大きなメリットを感じています。
その一方で、ちょっとした相談に手間がかかったり、紙の資料を自分で確認できなかったりする不便さもあります。
だからこそ、仕事を選ぶときは、在宅で働けるという条件に加えて、仕事内容や連絡方法まで確認したいところです。
また、本業として生活を支える収入が欲しいのか、空き時間に副収入を得たいのかによって、選ぶ方法は変わります。
- 安定した給与を得ながら、働き方を改善したい方
障害者向け転職サービスの比較と、私の利用体験はこちら - 在宅で、無理のない範囲の副業を考えている方
サニーバンクを2019年から利用している実体験はこちら
私自身は、出社と在宅勤務を併用しながら、時々在宅の副業も受けています。その経験が、自分に合う働き方を考える参考になればうれしいです。
