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障害当事者であり、採用担当でもあるむじなです。
採用担当者の仕事は現場にいてナンボというイメージがありますが
私の勤める会社では最近在宅勤務制度が導入され、積極利用が推奨されているため、
障害者にとって、在宅勤務・
実際やってみてそのメリットの大きさを実感したところではありますが、在宅ワークは誰にでも勧められるものではないし(向き不向きがある)、事前に習得しておくべき必須スキル・能力もあると感じています。
今回は、障害者が在宅ワークをやってみたレビューと、
障害者が在宅ワークするメリット1:通勤が不要
通勤ほど無駄なものはないと日々感じている私にとって、 在宅ワークのメリットはこれが一番大きいです。
在宅ワークにすることで、
今まで、ギリギリまで寝て、
仕事が終わった後も、即自由時間です。ビールを飲むもよし、
控えめに言って最高です。
さらに、通勤に支障がある肢体不自由、内部障害、
障害者が在宅ワークするメリット2:人の目を(声を)気にせず、集中して業務に取り組める
私は聴覚障害者ですが、会社では口話で(言葉・音声で)コミュニケーションを取っています。
が、「できるかどうか」と「辛いかどうか」は別の話。私にとって会話は非常に集中力を要する難易度の高い作業です。あんまり理解してもらえませんが。
人事のフロアは社長や役員が出入りすることも多く、突然話しかけられたりもするので気が抜けません。
その点、在宅ワークでは話しかけてくる人もおらず、(私はもともと応対できませんが)外線電話で仕事を遮られることもなく、ストレスフリーです。
同じように仕事をしていても、疲れが全く違います。
聴覚障害者だけでなく、視線恐怖症などの精神障害の方、コミュニケーションが苦痛な発達障害の方なども、在宅ワークにするだけでかなりのストレス軽減が見込めるのではないでしょうか。
在宅ワークに向いているのはどんな人?
このように、在宅ワークには大きなメリットがありますが、実際やってみて、誰にでも勧められるものではないと感じました。
向いている人には本当に最高の働き方だと思いますが、それなりの資質が必要です。
自律して仕事ができるか
私は根が自堕落なので、
オフィスに出社すれば大して気合を入れなくてもできる仕事でも、
もちろん個人差もあるとは思いますが、集中して仕事に取り組め
誰も見ていなくても、
気持ちの切り替えが上手にできるか
在宅ワークは、自宅がオフィスになるということです。
日常の一部なので意識している方は少ないと思いますが、通勤は私生活モードと仕事モードを切り替えるための“儀式の時間”でもあります(非常に消耗する儀式ですが……)。
その通勤という“儀式”がなくなると、
上の項とは反対に、在宅では「仕事をやり過ぎてしまう」という方も多いです。在宅ワークでは、
実際私も、「あとちょっとだけ頑張るか」が結局2時間、3時間なんてこともありました。
メリハリをつけて仕事をしないと、
私生活と仕事のモードを上手く切り替えられないと、
在宅ワークをやりたいなら。在宅ワークに必要な能力・スキル
「在宅ワークならでは」というものではありませんが、在宅で仕事をするなら、最低限備えておくべき能力・スキルがあります。
文章構成力・表現力
在宅ワークをするなら、とにかく文章構成力・表現力が必要になります。
私は聴覚障害者のため電話が使えないという事情もありますが、それを差し引いても在宅ワークでは文章で(メール等で)コミュニケーションをとる頻度が多くなります。
- その日取り組んでいる仕事の進捗報告
- 担当業務の問い合わせ対応
- 上長への報告・連絡・相談 など
在宅ワークには、「仕事仲間とのコミュニケーションが不足して、業務効率が落ちる」という指摘もあります。確かにそういう面もあるでしょう。
なので、そのデメリットを補うためには、文章による迅速で正確な報連相のスキルが必要になります。
◇
余談ですが、応募書類を読んでいても、分かりにくい日本語を使う人が本当に多いです。
「シンプルで、分かりやすく、正しく意味が伝わる日本語を書ける」というのは、それだけで立派なスキルです。
自信がないというあなたには、本多勝一さんの「日本語の作文技術」という本がおすすめ。30年以上前に発売された本なのに、今なお売れ続けているロングセラー本です。
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私もこの本は擦り切れるまで読みましたが、何度読んでも勉強させられます。この本の教えを守れば、「何気なく適当に」書いていた文章が洗練されること間違いなしです。
パソコンスキル(特にワード・エクセル・パワーポイント)
イラストレーターやデザイナー、プログラマーといった専門職を除くと、在宅ワークには事務系のパソコンスキルは必須です。
在宅ワーク向けの仕事を挙げると、
- 資料作成(企画書・会議資料・マニュアルなど)
- データ収集・確認・加工・集計・分析作業
- 電話・メール照会(問い合わせ)への対応・記録
などが主な業務内容になりますので、パソコンスキル、特にMicrosoft Officeのワード・エクセル・パワーポイントを扱うスキルは中級レベル以上に身に着けておく必要があります。
自身のパソコンスキルレベルを向上する(または確認する)ためには、マイクロソフトオフィススペシャリストの資格取得に挑戦してみるのがおすすめです。
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在宅ワークの仕事の探し方いろいろ
最後に、在宅ワークの探し方について。
在宅ワークと言ってもいくつか種類があります。大きくは、「雇用型の在宅ワーク=企業に雇われる」と「自営型在宅ワーク=在宅でできる仕事を自分で(ネットで)探す」に分類できます。
雇用型在宅ワークの求人を見つける 1.チャレンジホームオフィス
チャレンジホームオフィスは、国の機関である独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が運営するサイト。
厚生労働大臣登録の在宅就業支援団体が紹介されています。
ある程度信用できる支援団体がそろっているので参考にはなりますが、サイトが1年以上更新されておらず、情報が古いです。中にはリンク切れも。
また、ざっと確認した限り、支援団体から紹介してもらえる在宅ワークは収入がかなり低いと思われます。
「他ではどうしても仕事が見つけられない」という方は、一度チェックしてみても良いかと思います。
雇用型の在宅ワーク(求人)を見つける 2.転職エージェントで求人を紹介してもらう
障害者専門の転職ナビ(転職サイト)で検索しても、ほとんど在宅可の仕事は見つけられません。
見つけられる数少ない求人も、「過去に在宅勤務の雇用実績がある」というだけで、在宅可の求人に応募したからといって、必ずしもあなたが在宅ワークできるとは限りません。
なので、あなたが本当に在宅ワークを希望しているなら、障害者専門の転職エージェントに登録して、ピンポイントで案件を紹介してもらうのが確実です。
実際、私が転職エージェントで求人を紹介してもらったとき、希望条件として「在宅勤務制度あり」でお願いしたところ、制度利用の条件も含めて、詳しく教えてもらうことができました。
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自営型在宅ワークの仕事を見つける
自営型在宅ワークとは、「企業に雇われて給料をもらうのではなく、在宅でできる仕事を自分で見つける」働き方のことです。
今は便利な時代なので、自分で営業して仕事を取ってくる必要もなく、ネット上に“在宅可”の仕事はたくさんあります。
代表的なのは、「企業や個人から発注された仕事を検索して、自分ができる仕事を見つけて取り組める」クラウドソーシング。
お小遣い稼ぎ程度ですが、私もやってみたことがあります。
イラストやプログラミングができると受注できる案件の幅が広がりますが、ライター(記事作成)の仕事なら誰でも受けられます。
案件をこなして評価が高まれば、単価(収入)の高い仕事も受けられるようになりますよ。
◇
私が使っていたのは、日本最大級のクラウドソーシングサービスであるクラウドワークス【PR】。
クラウドソーシングの収入だけで生活していけるようになるには、時間がかかるかもしれません。
しかし、
- 障害年金を受け取っていてプラスアルファの収入が欲しい
- 企業で働けるだけの準備ができていないから、まずは自分のペースで自分の出来る仕事だけをやりたい
という方にはおすすめできます。
在宅ワークならクラウドワークス【PR】
2019年6月11日追記:障害者向けのクラウドソーシングサービス「サニーバンク」を使っていました。まだ仕事の数が少ないですが、今後に期待です。
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最後に
在宅ワークには向き不向きがありますし、仕事をするためには最低限備えておくべきスキルもあります。仕事(求人)を見つけるのも簡単ではありません。
しかしそれでも、障害者にとって、在宅ワークは様々なメリットのある魅力的な働き方です。
IT化の流れはどんどん加速し、これまで以上に在宅でできる仕事が増えていくことは確実です。
もっと仕事をみつけやすくなれば最高なのですが……。使えるサイトなど見つけたら、随時追記していきます。