人事部門で採用担当を務める聴覚障害者が、豊富な転職経験から学んだ情報を発信していきます。

むじなの障害者転職記

障害者のオピニオン

障害者と健常者がともに働くことの大切さ。障害者が働きやすい会社を作れば、健常者も幸せになる

投稿日:

障害当事者であり、採用担当でもあるむじなです。

いつものように情報収集していると、こんな記事を見かけました(河北新報)。東北電力が、特例子会社を設立するという話です。この記事の中で、東北電力社長は次のように語っています。

新会社は障害者の自立や社会参加を後押しするほか、ダイバーシティー(多様性)の推進にもつながる。

※ダイバーシティとは:市場の要求の多様化に応じ、企業側も人種、性別、年齢、信仰などにこだわらずに多様な人材を生かし、最大限の能力を発揮させようという考え方。(日本の人事部より引用)

特例子会社が、障害者の就労を後押しすることは間違いないでしょう。けど、ダイバーシティ推進につながるのでしょうか?

 

障害者を雇用することが、ダイバーシティ推進というわけではない

過去、私は特例子会社で働いていました。

その会社では、「グループ企業全体の障害者雇用を進めていくための調査・企画立案」や、「障害者を含めたあらゆる人が使いやすい“ユニバーサルデザイン”の商品開発テスター」などの業務も行っていました。

確かに、特例子会社を設立して、“その業務が”ダイバーシティ推進につながるというのは、(業務内容にもよるけれど)その通りだと思います。

しかし、特例子会社の主な業務と言えば、名刺印刷や郵便物の仕分け、データ入力など「障害者用に(親会社やグループ会社から)切り出した業務」がほとんどです。

あえて言葉を選ばずに言うと、特例子会社という障害者用の箱を作って、そこでまとめて雇用すること自体は、ダイバーシティでもなんでもなく、どちらかと言えばダイバーシティと逆行したものではないでしょうか?

 

ともに働くからこそ、理解する機会が生まれ、対等に接することができる

大切にすべきは、「ともに働くこと」です。

この日本で、障害者が生き辛い要因の一つは、「障害者と健常者が別の世界に生きているから」ではないでしょうか。

それもそのはずです。学校教育から、働く職場まで、全く重なり合うことなく、言葉で「障害に配慮が必要、理解が必要」と言われて、腹の底から納得できる訳がありません。

私も、中途障害を負って特例子会社に入社して(ほとんど)はじめて、様々な障害がある方と接する機会を持ちました。

そして、一緒に働いてみれば、なんてことありません。どんな障害があろうと、それぞれに個性と強み・弱みを抱える人間です。

「健常者だけが働く会社」と違うところは、「お互いに弱みをカバーし合う」ということです。一緒に働いていれば、それが自然にできるようになります。

そして、同じ空間で働けば、障害の有無にかかわらず、同じことができるようになるはずなんです。

逆に、ともに働かなければ障害者に対する誤解や差別、偏見は減ってはいきません。障害がある人は皆「障害者」として一括りにされたままでしょう。

 

障害者が働きやすい会社は、健常者も働きやすくなる

ともに働く場所を作るためには、「障害者が働く場所を選ぶ必要がない=どの会社でも必要な配慮が受けられる」ようにならないといけません。

「健常者も障害者も」同じ場所で、同じように能力発揮するための整備が必要です。

重要なのは、「その整えられた制度や設備」を、健常者でも障害者でも自由に使えるようにすること。

  • 通院が必要なときは、気兼ねなく休める
  • 体調が優れないときは、一人で静かに休める休憩室が自由に使える
  • 希望に応じて短時間勤務や週休3日制、在宅勤務が選べる
  • 苦手なことや出来ないことは(責めるのではなく、障害の有無に関わらず)お互いに助け合う

など制度や設備を整えれば、障害者だけでなく、健常者も働きやすくなります。

「障害者だけ制度が整っていてズルい!」ではなく、「素晴らしい制度だから、全社員に適応しよう!」という方向に進んでほしい。

色んな視点を持つ社員がともに働いて、「互いに刺激を受けあい、新しい発想、商品やサービスにつながる」というのが、ダイバーシティの本質ではないでしょうか。

障害者が働きやすい社会を作り、それを推し進めていくことは、結果、健常者も含めた「働くすべての人」にとって、幸せつながる道ではないでしょうか。

 

最後に

この記事では、特例子会社を非難する意図はなく、むしろ「現時点」では特例子会社は必要不可欠だし、各地にもっと増えてほしいと思っています。

特例子会社は、多様な障害者が働きやすいよう制度・設備が整っていますし、その運用も個々に合わせて柔軟です。

(就労の面で)障害が重い方や、まずは働くことに慣れるためのファーストステップ(ファーストキャリア)としておすすめできます。

 

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