障害者の就職・転職

離職率に関する誤解。「低ければ低いほどいい」ってものじゃない

2018年2月21日

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障害当事者であり、採用担当でもあるむじなです。

「離職率の低い会社」って聞くと、どんなイメージを持たれるでしょうか?就職・転職を考えている方にとっては、「離職率」は気になる指標ですよね。

就活生のバイブル、就職四季報にも主要な項目として「3年後離職率」が掲載されていますし、昨今は就職3年後の離職率が低い企業ランキングが注目を集めています⇒東洋経済ONLINE

これらの情報や記事に共通するのは、「離職率は低い方がいい」という前提で書かれていることです。

しかし、離職率って本当に低ければ低いほどいいんでしょうか。実はそんなことはありません。

 

そもそも、離職自体が悪いわけではない

そもそも、会社を離職(退職)すること自体は、別に悪いことじゃありません。

確かに「ブラック企業」と言われるような、

  • 労働時間が長すぎる、おまけにサービス残業
  • 給料が低すぎる、賞与(ボーナス)は無し
  • パワハラ、セクハラが横行
  • 達成不可能なノルマを課せられる

こんな会社に勤めたばっかりに、退職を余儀なくされてしまうことは、悪い結果でしょう。

しかし、会社を辞める理由は、「その会社が嫌だから」「ブラック企業だったから」というだけではありません。

  • 元々やりたいことがあって、そのステップアップとして(力をつけるために)勤めていた
  • 勤めているうちに、本当にやりたいことに気付いた
  • 今の仕事は楽しいけど、もっと大きい規模でorもっと顧客密着でやってみたい
  • 今の仕事(業界)をもっと盛り上げるような仕事がしたい

など、「前向きな離職」はたくさんあります。そして、私の経験上デキル人ほど上記のような前向きな理由で離職=転職していくものです。

 

離職率が極端に低い会社の社員は「守りに入っている」=その会社は今後の成長が期待できないかも

そんな「前向きな理由で離職を考える人」はどの会社にも一定数いるはずなのに、「離職率が極端に低い会社」というのはどういう会社なのか。

居続けるだけの理由があると言えば聞こえはいいですが、「他にやりたいことがあるのにくすぶっている」「やりたいことと仕事は別と考えて、仕事は淡々とこなす」社員が会社に残り続けることになります。

言い換えれば、離職率が極端に低い会社は、潜在的な不満を抱えた社員が多いということです。そんな「守りに入った」社員が多い会社は、遠からず淘汰される世の中です。

それならば、「今の会社に不満はないけど、もっとやるべきことを見つけた!」と離職する人がいて、「これこそ私がやりたかった仕事だ!」と入社してくる人がいる会社の方が、よっぽど健全です。

 

適正な離職率は?(参考程度)

とは言え、離職率が高い会社は、社員から「勤め続ける価値がない」と判断されている可能性が高いです。

どこまで(何パーセントまで)が「健全な離職率か」というのは、業界や企業規模の大小によっても異なりますので、一概には言えません。また、参考になりそうな統計データも見つかりませんでした。

あくまでも参考値ですが、私の人事担当者としての経験上、プラス色々な企業の人事担当者と意見交換する中で考える目安は、離職率10%前後が適性値なのではないかと考えています。

 

まとめ:世間の言う「いい会社」は当てにならない。「あなたにマッチしているか」がすべて

「離職率は低ければいい」というわけではないことは、お分かりいただけたでしょうか。

この記事でお伝えしたかったのは、世間の言う「いい会社」の基準は、必ずしも正しくはないということです。

就職・転職先について悩まれている方は、誰かに相談してみるのもいいですが、もらえるアドバイスはほとんどの場合「世間で言われていること」であって、その会社とあなたの相性を考慮したものではありません。

最後に決断するのはあなたです。誰かの言葉に従うのではなく、自分の目でしっかり見極め、自分の頭でとことん考えましょう。

アドバイスを求めるのであれば、「今の就職・転職市場に疎い親」や「転職の経験もないような友人」ではなく、「転職支援のプロ」であり「企業と直接つながりのある」転職エージェントに相談しましょう。

親や友人はあなたを思ってアドバイスをしてくれるでしょうけど、それは「素人の意見」です。転職エージェントの利用はすべて無料なので、どうせ聞いてみるなら、プロに相談するのがおすすめです。

 

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