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聴覚障害+発達障害者、元人事マンのむじなです。
昨年末にキャリアコンサルタントの資格を取得し、この春から障害者向けのキャリア教育に携わることになりました!
元採用担当としての知見や障害当事者としての就職・転職経験を伝えていくことはもちろんですが、就活まではまだ時間に余裕がある学生が対象なので、障害者のキャリア形成においてもっと大切な、
偶然をモノにする“一歩踏み出してみる力”を身に着けていく手助けが出来ればと思っています。
キャリアの8割は偶然の出来事によって形成される
キャリアコンサルタントは特定の理論に限定せずに包括的・折衷的にアプローチすべきとされ、いろいろな理論を学んできたのですが、その中でもピンときたのがクランボルツのプランド・ハップンスタンス(計画された偶然)という考え方。
従来のキャリア理論では、予測し、不確実性を減らすことに重点を置いて偶然の影響を過小評価してきたなか、クランボルツは「プランド・ハップンスタンス・セオリー」という論文を発表。
調査の結果、キャリアの8割は予想しない偶発的な出来事によって形成されることが分かったといいます。
「プランド・ハップンスタンス」の考え方は、だからといって何の計画性もなく生きていれば良い、というものではありません。
未来は予測不可能で、「偶然の出来事」がいつやってくるか分からないからこそ、その偶然をチャンスに変えられるように備え、積極的に行動せよということです。
私自身の経験でお話しすると。
聴覚障害を受障して退職した後は「何か確固たるスキルがないと生きていけないのでは……」と焦り、IT系や技術関連の資格取得や転職を考えていました。
しかし、「事務職でもスキルを身に着けられるやり方があるのでは」と転職エージェントでアドバイスを受けて人事の仕事を選び、結果その後は職探しで苦労することはほとんどありませんでした。
自分の考え(計画)に固執せず、オープンマインドでアドバイスを素直に受け入れたからこその結果だったと思います。
だからといって何でも人の言うことを聞いてやりたくないことまでやる必要はなくて。
ぼんやりとでも「やりたいこと」「自分の適性」「仕事のイメージ」を持った上で、「やってみようかな」という思いを大事にして行動することがキャリア形成には大切なのではないでしょうか。
障害者のキャリアはことさら偶然によって左右される
そもそも私の場合、中途(後天性の)聴覚障害を受障し、さらに最近では発達障害と診断されるなど、私のキャリアは予測もへったくれもあったもんじゃありません。
私のような中途障害ではなくても、障害者のキャリアはやはり偶然の影響が大きくなります。
まず、障害者の職業生活設計は社会政策によって大きく左右されるということ。
障害者雇用率にカウントされるようになるまで精神障害者の就労は今よりさらにハードルが高かったですし、法定障害者雇用率も今は上昇を続けていますが、今後どうなるかは分かりません。「障害者の定義」も変わってくるかもしれません。
さらに障害者固有の事情として、障害と会社(職場)のマッチングの問題があります。
自分の障害が受け入れられるかどうか、応募者側からはホントのところが分からないので、実態を把握している転職エージェントを使って情報を仕入れた方が良いという話はこのブログでも何度か取り上げました。
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でも、自分の障害を受け入れてくれる会社を見つけることは、「最低条件・前提条件」であって、健常者の就職・転職活動には存在しないハードルなんですよね。
入社してからも、社風は合うか、業務のやり方がしっくりくるか、職場の人間関係はどうか……などなど、会社員の誰も抱えうる問題もあります。
入社しないと分からないこと、勤め始めてから発生するような問題もありますし、障害者はキャリア形成において越えるべきハードルが多いので、どうしても数打つ(積極的に行動する)必要が出てきます。
障害者のキャリア形成には、偶然をモノにする“一歩踏み出してみる力”が重要
障害があるからこそ、これまでの経験の中で「やってみてもダメだった」ということが積み重なって、「どうせ次もダメに決まっている」という思考になりがちです。
一歩踏み出してみることが一番重要なのですが、一番難しい。
私も同じです。
けど、私は5回以上の転職を経て、「どうせダメだろう」という思いと同様に、「やってみたら何とかなるかもしれない」とも思っています。
これはひとえに、一歩踏み出してみたからこそ、失敗だけでなく成功も経験してこれたからです。
気になる求人があったらとりあえず履歴書を送ってみる、転職エージェントに登録して話を聞いてみる(聞いてもらう)、合同面接会に参加してみる……など、一人で考えるよりまず、
あなたにとって望ましい偶然の出来事を引き起こすために“一歩踏み出してみること”が、障害者のキャリア形成に必要なことだと感じています。
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