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障害者雇用でも、募集年収に500万〜600万円の範囲を含む求人はあります。2026年9月に私がatGPから紹介された求人にも、人事事務や人事労務の専門業務、経験に応じて配属先を検討する仕事がありました。
ただし、求人票の年収幅と、自分が採用された場合の年収は別です。収入の改善を考えるときは、任される仕事や必要な配慮、毎月の給与、働き方まで合わせて比較したいところです。
私は聴覚障害と発達障害があり、障害者向け転職エージェント8社を利用してきました。障害者採用担当や採用コンサルタントの経験もあります。この記事では、実際に紹介された求人と、過去に給与と仕事の負担について考えた経験をもとに、応募前に確認したい点を紹介します。
実際に紹介された3件の求人
2026年9月14日、在職中にatGPエージェントへ相談し、電話面談の約1時間後に9件の求人を紹介してもらいました。最初から退職を決めていたわけではなく、これまでの経験を活かして、待遇や働き方を改善できる職場があるかを相談しました。
紹介された求人のうち、仕事内容と年収の関係が分かりやすい3件を取り上げます。いずれも求人票では正社員募集とされていたものです。
| 仕事内容 | 求人票の募集年収 | 経験・担当業務の記載 |
|---|---|---|
| A:人事事務 | 430万〜640万円 | 勤怠管理や社会保険関連など。人事業務の経験を歓迎 |
| B:人事労務の専門業務 | 577万〜942万円 | 労務の実務経験が必要。外部の専門家との連携や社内の労務対応など |
| C:オープンポジション | 500万〜1,000万円 | 対象分野の実務経験が目安として3年程度。経験に応じて配属を検討 |
求人情報は紹介時点のもので、企業名を伏せて一部を要約しています。私が紹介された求人の一部であり、障害者雇用全体の年収相場を示すものではありません。
同じ人事分野でも、求められる経験と役割が違う
Aの募集年収は430万〜640万円でした。500万円や600万円も範囲に入っていますが、下限は430万円です。自分の経歴ではどの程度の年収が想定されるか、担当業務と合わせて確認する必要があります。
Bは労務の実務経験を求める求人です。給与計算や社会保険手続きを委託する外部の専門家との連携、社内規程や労務上の課題への対応などが記載されていました。
同じ「人事の仕事」でも、定型的な処理を担当するのか、関係者と調整しながら主担当として進めるのかで、求められる役割は変わります。「人事経験がある」とだけ伝えるより、何を、どこまで担当してきたかを説明した方が、仕事内容と照らし合わせやすくなります。
今回の9件には、年収の下限が300万円台や400万円台の求人もありました。希望する年収だけで候補を決めず、自分の経験を活かせる仕事か、その役割に対して納得できる待遇かを見ておきたいです。
オープンポジションは、自分に想定される仕事と年収を聞く
Cは、経験や適性に応じて仕事や配属先を検討するオープンポジションです。求人票の年収幅が500万〜1,000万円でも、自分が入社する部署や担当業務、提示される年収は、その記載だけでは分かりません。
私なら、担当者に次の3点を確認します。
- 自分の経歴では、どの仕事を想定して紹介しているのか
- その仕事で求められる経験や責任は何か
- そのポジションで想定される年収はどの程度か
求人票の上限額よりも、自分が応募する仕事の条件として具体的に聞くことが大切だと思います。
配慮を受けられることと、給与への納得は別に考えたい
私は社会人になってから聴覚障害が生じ、障害者手帳を取得した後、特例子会社で働きました。そのとき、前職と比べて収入が半分ほどになりましたが、当初は「働くところがあってよかった」という気持ちから、待遇を受け入れていたと思います。
仕事にはやりがいがあり、障害について相談しやすい職場の良さも感じていました。一方で、仕事を任されるようになり、組織改編後には営業も担当しました。私には、仕事の負担感と給与が釣り合っていないという思いが強くなったことが、転職を考えた理由の一つでした。
この経験から、配慮を受けられる環境の良さと、仕事内容や給与に納得できるかは、どちらも確かめたいと考えるようになりました。その後の転職でも、必要な配慮とともに、任される仕事や待遇を重視してきました。
当時の働きやすさや、仕事内容の変更、昇給の見通しについては、特例子会社で働いた経験をまとめた記事で詳しく紹介しています。
年収と一緒に、求人票で確認したい5つのこと
現在の仕事と比べるときは、年収の表示額に加えて、次の条件を確認したいところです。
1.毎月の給与、賞与、今後の昇給
Bの求人票には、募集年収577万〜942万円に対して、月給25万5,000円〜44万2,000円と記載されていました。想定年収には賞与が含まれます。

2026年9月に紹介された求人票の給与欄。企業名等は伏せています。
年収を12で割った金額が、毎月支払われる給与になるわけではありません。また、下限の月給25万5,000円には、基本給18万1,000円のほか、定額残業手当などが含まれていました。月給と基本給も分けて確認したい点です。
- 毎月の基本給と手当は、それぞれいくらか
- 想定年収には、どの程度の賞与を見込んでいるか
- 賞与は業績や評価によってどう変わり、入社初年度はどう扱われるか
- 評価が、賞与と基本給の昇給にそれぞれどう反映されるか
求人票には過去の賞与実績も掲載されていましたが、入社後に同じ額が支払われるとは限りません。生活費を考える際には、毎月の給与と変動する部分を分け、入社時の年収に加えて、その後の給与の見通しも聞いておきたいです。
2.固定残業代と、実際の仕事の負担
Bの求人票には、21時間分の定額残業手当を含み、超過分は別途全額支給するとの記載がありました。
固定残業代は、一定時間分の時間外労働に対する割増賃金を定額で支払う仕組みです。基本給と固定残業代の額・対象時間を分け、超過分の扱いも確認します。ハローワークの公式説明でも、残業の有無にかかわらず支給することや、超過分を追加で支給することが示されています。
ただし、21時間分という記載だけで、毎月必ず21時間残業するとも、21時間以内で済むとも判断できません。配属予定の部署の残業状況や繁忙期、急な対応がどのくらいあるかを聞きたいところです。
私にとっては、労働時間だけでなく、同時並行で進める仕事や優先順位の変更がどの程度あるかも、働き続けられるかを考える材料になります。
3.住宅手当や退職金などの福利厚生
今回の電話面談では、住宅手当や退職金制度などがある場合と、ない場合で、検討できる年収条件を分けて伝えました。紹介された求人にも、これらの制度の記載がありました。
「制度あり」と書かれていても、自分が利用できるかは別に確認する必要があります。手当の対象条件、求人票の年収に手当が含まれるか、退職金制度の対象となる雇用形態などを確かめたいです。
同じ年収でも、利用できる制度や支給条件によって、待遇の受け止め方は変わります。
4.在宅勤務の開始時期と、仕事の進め方
Bでは、週2日の在宅勤務について、入社6か月経過後からという条件が記載されていました。ほかには、配属部署や担当業務によって利用頻度が変わる求人もあります。
「在宅勤務可」とあっても、入社直後から希望する日数を利用できるとは限りません。
私は出社と在宅勤務を併用しており、在宅は週1日程度です。集中して資料を作るときには向いていると感じます。一方、出社していれば少し話しかけて済む確認にも、電話やメッセージでのやり取りが必要です。紙の資料は、出社している人にスキャンをお願いすることもあります。
在宅の日数に加えて、連絡の取り方や資料の共有方法も、自分が仕事を進めやすい環境かを確認するポイントです。
5.雇用形態と正社員登用の条件
上の表の3件は正社員募集ですが、紹介された9件には、正社員登用の記載がある契約社員求人も含まれていました。私も、条件次第で、正社員登用のある契約社員を含めて検討することにしました。
「正社員登用あり」は、必ず正社員になれるという意味ではありません。契約期間や更新の条件、登用までの目安と評価基準、登用前後の待遇の違いを確認して判断したいです。
詳しくは、契約社員から正社員登用を目指す際の確認事項にまとめています。
希望年収は、経験と必要な配慮を合わせて伝える
希望する年収に加えて、その仕事で何ができるのか、続けるためにどのような配慮が必要かを伝えると、紹介された求人との相性を具体的に考えやすくなります。
経験については、次のように整理すると求人票と照らし合わせやすくなります。
- どの業務を、どのくらいの期間担当したか
- 自分で判断して進めていた範囲はどこか
- 上司や周囲の確認を受けていた範囲はどこか
- 関係者との調整や、業務の改善で取り組んだことは何か
応募書類にどう書くかは、職務経歴書の構成と記載例も参考にしてください。
私は今回、仕事の経験とともに、曖昧な指示や優先順位づけの難しさ、回答する前に確認・整理する時間があると対応しやすいことなどを説明しました。
雇用の場では、障害者雇用促進法に基づき、事業主には過重な負担となる場合を除いて合理的配慮の提供が求められています。具体的な対応は、本人と企業が話し合って検討するものです。厚生労働省「雇用分野における障害者への差別禁止・合理的配慮」
必要な配慮を相談することと、経験や役割に応じた給与を相談することは、どちらも働く条件を確認するために大切だと私は考えています。年収が上がっても、必要な配慮を受けられずに仕事を続けられなくなっては困るためです。
後日の電話確認では、atGP経由で応募する際、希望職種として「人事労務」を記載できると説明を受けました。希望年収についても、私の場合は「600万円以上」と応募書類に記載し、企業へ伝えたうえで書類選考を依頼するとのことでした。
これは希望条件の伝え方についての説明です。600万円以上での採用が決まったという話ではありません。
配慮を伝える時期や、内定後に確認したいことは、面接・オファー面談での配慮事項の伝え方で紹介しています。
希望と合う求人が少ないときは、条件の認識を確認する
希望年収に届かない、経験を活かせる仕事が少ない。そんな求人が続くときは、まず担当者と希望条件の認識が合っているかを確認したいところです。
年収・職種・勤務地・必要な配慮について、譲れない条件と相談できる条件を分けて伝えると、どの条件で候補が絞られているのかを話し合いやすくなります。「現時点で条件に合う求人が少ないのか」「別の職種でも経験を活かせる可能性があるのか」も聞いてみてください。
エージェントによって取り扱う求人は異なるため、別のサービスの紹介内容と比較する方法もあります。ただし、面談や連絡の負担も増えるので、今の担当者と条件を整理してから相談先を増やす進め方でもよいと思います。
ほかのサービスも検討したい方は、障害者向け転職エージェント3社の比較記事を参考にしてください。
現在の仕事と具体的な求人を比べて、転職するかを考える
今回の相談で、私の経験を踏まえて候補になる仕事と、現在の働き方から変わりそうな条件が具体的になりました。給与の内訳や担当業務、在宅勤務の開始時期など、応募前に確認したいことも整理できました。
転職を検討するなら、現在の職場と応募先について、次の3点を比べたいです。
- 任される仕事や負担に対して、納得できる給与か
- 自分の経験を活かせる仕事か、今後の昇給や役割の見通しはどうか
- 必要な配慮を受けながら、続けられる働き方か
求人票は比較の出発点です。選考が進んだら、自分に提示される給与と仕事内容、配慮の具体的な方法を確認して判断したいところです。
私のように、在職中に具体的な求人を見比べることで、転職を検討するか、今の職場で働き続けるかを考える材料が増えることもあります。
今回の電話面談の内容や、過去に受けた面接対策は、atGPを実際に利用した体験記事にまとめています。
【atGPで、自分の経歴と希望条件に合う求人を相談する】
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