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むじなの障害者転職記

精神保健福祉士

精神保健福祉士(通信専門学校)S評価レポート全文掲載③【精神疾患とその治療】

2019年10月22日

聴覚障害+発達障害者、元人事マンのむじなです。

精神保健福祉士の通信制専門学校の課題として作成したレポートのうち、S評価(90点以上)のものを公開していくコーナー第3弾です。

第1回目のものはこちら(このコーナーの趣旨等もこちらに記載しております)

 

それでは、以下レポート本文(全文)です。

 

神経発達障害群に関して、その分類、特徴をまとめなさい。(ICD10とDSM5との違いについても考察することが好ましい)(1500字程度)

はじめに

近年、自身の発達障害の傾向に気付かないまま成人し、就職活動や就労上の困難等によって精神科を受診し、発達障害の診断を受ける、いわゆる「大人の発達障害」が増加している。

何らかの発達障害は学童で約10%程度いると推定され、精神保健福祉士として発達障害について理解しておくことは必須であると考える。

 

本文

ICD-10の分類によると、心理発達の障害の分類は下記の通りである。

  • F80 会話および言語の特異的発達障害
  • F81 学力の特異的発達障害
  • F82 運動機能の特異的発達障害
  • F83 混合性特異的発達障害
  • F84 広汎性発達障害

一方、DSM-5の分類によると、神経発達障害群は下記の通り分類される。

  1.  知的能力障害群
  2.  局限性学習症/局限性学習障害
  3.  運動症群/運動障害群
  4.  コミュニケーション症群/コミュニケーション障害群
  5.  自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害
  6.  注意欠如・多動症/注意欠如・多動障害

DSM-5による分類では、ICD-10の「知的障害」および「心理的発達の障害」をまとめて「神経発達障害群」としている。

ICD-10では、心理的発達の障害について、

『①発症が常に幼児期か児童期である

②中枢神経系の生物的な成熟と強く関連した機能の発達における障害や遅れがある

③軽快や再発を伴わず一定した経過をとる』(引用1)

とされている。

DSM-5では、神経発達障害群の定義として

『1.発達期に起源をもつ病態群であり、この障害は通常発達期早期(多くは就学前)に顕在化する。

2.この障害は、個人としての機能・社会的な機能・学業あるいは職業機能に障害を生じるような、発達的欠如(developmental deficits)で特徴づけられる。

神経発達障害には、ICD-10心理的発達の障害の3番目の項目「寛解や再発がみられない、固定した経過であること」に相当する記載がなく』(引用2)、この点において相違が確認できる。

以下、DSM-5の分類に沿って神経発達障害群の特徴を列挙する。

  1. 知的能力障害群
    診断基準として、①知的機能の欠陥、②適応機能の欠陥、③発達期の発症という3つの基準で評価される。DSM-5の改訂で知的「能力」障害群が採用されたことからも分かる通り、単純に知能指数IQの数値ではなく、社会生活上の困難さの程度が重視される。
  2. 局限性学習症
    読む、書く、算数のいずれか(あるいはこれらのうち複数)の能力が、その他の(全体的な)知的発達の水準に比べて優位に低い状態。
  3. 運動症群
    運動機能が他の発達領域に比べて(神経学的異常がないにもかかわらず)特異的に障害されている「発達性強調運動症」、目的なく特定の動作を繰り返す「常同運動症」、不随意で突発的、急速、非律動的な運動あるいは発生が見られる「チック症群」に分類される。
  4. コミュニケーション症群
    言語症(言葉の遅れ)、語音症(発話音声の支障)、吃音(語音の連発や引き延ばし等の言葉の流暢さの支障)に加え、DSM-5では新たに「社会的コミュニケーション症」が追加された。社会的コミュニケーション(挨拶やTPOに沿った言葉遣い等)の困難、あいまいな(暗黙の)意味の理解の困難等。
  5. 自閉スペクトラム症
    ①社会的コミュニケーション及び対人関係の障害、②行動、興味、活動の限局された反復的、常同的パターンを特徴とする。その他の特徴として特定の感覚の過敏(あるいは鈍麻)を伴うことがあり、社会生活上の支障となることがある。
  6. 注意欠如・多動症
    ①不注意(集中困難)、②多動性、③衝動性が主症状である。多動性、衝動性は10歳前後までが症状のピークであるが、不注意は成人期になっても持続することが多い。

まとめ

発達障害は『個人によってそれぞれ異なる経過をたどる』(引用3)。発達障害の特性は変わらずとも、そこから生ずる障害・困難は環境や立場(求められるもの)によって大きく変動するため、精神保健福祉士として、その点を理解した上で支援に臨まなければならないと考える。

 

【引用文献】

  1. 精神保健福祉士養成セミナー1(第6版)精神医学-精神疾患とその治療 へるす出版 2019 P.156
  2. 月刊「ノーマライゼーション 障害者の福祉」2014年4月号(第34巻 通巻393号) > 発達障害とは
    http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/norma/n393/n393003.html
    2019年9月26日閲覧
  3. 精神保健福祉士養成セミナー1(第6版)精神医学-精神疾患とその治療 へるす出版 2019 P.156

【参考文献】

  •  標準精神医学(第7版第1刷) 尾崎紀夫・三村將・水野雅文・村井俊哉 医学書院 2018
  •  精神医学テキスト[改訂第4版] 上島国利・立山萬里・三村將 南江堂 2017

 

添削評価・講評

  • 課題の理解度:S
  • 論旨と構成:S
  • 自己の見解:S
  • 総合評価:S(100点)

講評:

非常に素晴らしい内容です。しっかりと理解していないと答えられないような内容で見事です。

このように、知識を深めていれば良き臨床家になれると思います。医学生より数段上です。

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