「フルタイムで働いていたら、障害年金は受給できないのではないか」
私はASD・ADHDの診断を受け、一般企業の障害者雇用でフルタイム勤務しています。最初の障害年金請求は不支給でしたが、その後、事後重症による別の請求で障害厚生年金3級に認定されました。
初回も2回目も、フルタイム勤務を続けていました。
この記事では、私の請求経過と、実際の審査資料から考えた「働きながら請求するときに整理しておきたいこと」を紹介します。私個人の事例であり、同じ診断名や働き方であれば同じ結果になるという意味ではありません。
フルタイム勤務を続けながら障害厚生年金3級に認定された

私は、退職してから認定されたわけではありません。一般企業の障害者雇用でフルタイム勤務を続け、給与や賞与を受け取っている状態で、障害厚生年金3級に認定されました。
ただし、「働いていても必ず受給できる」ということでもありません。私自身、初回は働いている状態で不支給になっています。
精神の障害に係る等級判定では、日常生活能力だけでなく、病状、生活環境、就労状況なども含めて総合的に評価されます。就労についても、仕事の内容や、職場で受けている援助などを確認する考え方が示されています。
詳しくは、日本年金機構の「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」をご確認ください。
初回は不支給。審査請求と2回目の請求は並行して進んだ

最初の請求では、障害厚生年金3級にも該当しないとして不支給になりました。
私はその決定に対して審査請求をしました。一方、審査請求を進めている間に、状態と生活環境に変化があり、事後重症による2回目の請求も行いました。
最終的な結果は、次のとおりです。
- 初回の請求:不支給
- 初回の不支給に対する審査請求:棄却
- 事後重症による2回目の請求:障害厚生年金3級に認定
初回の不支給が、審査請求によって取り消されたわけではありません。状態が変化した後の、別の請求で認定されたという経過です。
同じ「フルタイム勤務」でも、働き方の実態は違った
初回と2回目で、勤務先や雇用形態、勤務日数が大きく変わったわけではありません。
一方、資料に記録された働き方には違いがありました。
初回の決定理由では、月17〜18日程度の勤務を継続し、家族の送迎、電車、徒歩を組み合わせて通勤していることが記載されていました。
2回目の認定調書には、就労中であることに加えて、在宅勤務や休憩時間の延長などの配慮が記載されています。
私がここから考えたのは、「フルタイムで働いている」という結果だけでは、その仕事を続けるために必要な配慮や支援までは伝わらない、ということです。
ただし、在宅勤務や休憩延長だけを理由に認定されたとは断定できません。資料に記録された違いと、認定の決め手は区別して考える必要があります。
働き方と日常生活について、整理しておきたいこと
私の経験から、主治医や相談先に状況を伝える際には、勤務の有無だけでなく、次のような事実を整理しておくことが大切だと感じています。
職場で受けている配慮や援助
- 出社・在宅勤務など、実際にどのような形で働いているか
- 業務内容や仕事量を調整してもらっているか
- 追加の休憩や中断が必要になることがあるか
- 上司や同僚による指示、確認、フォローを受けているか
通勤や、勤務後の生活
- 通勤に付き添いや送迎が必要か
- 勤務後に食事、入浴、片付けなどを行えているか
- 休日にどの程度の休息や家族の援助が必要か
家庭で受けている支援
- 食事、服薬、通院、予定、金銭の管理を誰が行っているか
- 家族の声かけや確認、代行によって成り立っていることは何か
- 支援がない場面で、実際にどのような支障が起きているか
これは、認定されるために困難を大きく書くという話ではありません。
「できていること」と「一人で支障なくできていること」を混同せず、実際の生活や支援の内容を具体的に伝えるための整理です。
不支給後、開示請求で審査資料を取り寄せた
私は初回の不支給後、保有個人情報の開示請求を行い、認定調書、等級目安確認シート、事前確認票などを取り寄せました。
資料を見ることで、不支給という結論だけでなく、日常生活能力の目安や、就労状況がどのように記録されていたかを確認できました。
ただし、資料を読めば、不支給の理由が一つの答えとして必ず分かるわけではありません。記載から確認できることと、解釈にとどまることを分ける必要があります。
実際に入手した初回の審査資料と、私が開示請求した手順は、次の無料記事で紹介しています。
障害年金の開示請求で何がわかる?不支給後に入手した認定調書・審査資料を公開
不支給時と認定時の資料を、詳しく比較したい方へ
この記事では、私の受給経過と、働き方や生活状況を整理する際の視点を紹介しました。
有料noteでは、審査請求の決定書と、2回目の認定調書・事前確認票の該当箇所を掲載し、初回との違いを詳しく比較しています。
- 日常生活能力の「等級の目安」と、実際の判断
- 初回の決定書で記載・評価されていた就労状況
- 2回目の資料に記録された職場の配慮や家庭の支援
- 初回と2回目で変わった点・変わらなかった点の比較表
- 自分の就労・生活状況を整理するための確認項目
資料に書かれた事実と私の考察を分けており、認定された理由を一つに断定するものではありません。
noteの無料部分には比較解説の見本を載せています。実際の資料を使った解説を読みたい方は、まず無料部分をご覧ください。
不支給時と認定時の資料比較を読む(note・無料部分あり/有料部分1,980円)
まとめ
私の場合は、一般企業の障害者雇用でフルタイム勤務を続けながら、障害厚生年金3級に認定されました。ただし、初回は不支給で、審査請求も棄却されています。
この経験から、「働いているかどうか」だけでは、生活上・就労上の困難を説明しきれないと感じています。
どのような配慮があって働けているのか。仕事以外の生活を、誰の支援によって維持しているのか。まずは、その実態を事実に沿って整理することが大切だと考えています。
個別の受給可否や手続きについては、年金事務所などの相談窓口でご確認ください。
